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特集

『劇場版 響け!ユーフォニアム』田中あすか役・寿美菜子スペシャルインタビュー “あすか”という女の子の素顔とは?

2017/9/1


TVアニメ『響け!ユーフォニアム2』を再構築した『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』は、青春と甘酸っぱさの詰まった1本。その魅力を、田中あすか役の寿美菜子が語る、本サイト独占スペシャルインタビューをお届け!!

 2016年に放送された『響け!ユーフォニアム2』。その内容を「久美子とあすか」を軸に再構築した『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』が、9月30日(土)に公開される。今回、「超!アニメディア」では描きおろしのサイトトップイラストを頂戴した。そして、本作の主軸となるあすか役の寿美菜子に、作品の魅力や制作陣の熱量、黄前久美子役・黒沢ともよとのアフレコの裏話などを語ってもらった。

物語にもう一度向き合う怖さ

――最初に劇場版制作の話を聞いたときの感想を教えてください。
 TVシリーズの最終話近くのアフレコで、石原立也監督から「やるかもしれないよ」くらいのニュアンスで聞いたのですが、ふわっとしすぎていて「どっちなのかな」という感覚でした。あすかの問題は解決していて、あとは卒業するだけという段階だったので、もう一度大変だったシーンを演じることになるのかなという、喜びと怖さとが混じった複雑な気持ちになりました。TVシリーズの演技は、毎週丁寧にやってきたからこそ出せた部分もあると思うんです。でも、映画だと全体の尺に合わせてアフレコの時間も当然短くなりますし、物語の流れも場合によってはカットしなくてはならない。なので、最初は気持ちをもっていけるかという不安がありました。

――本作は、TVシリーズの監督であった石原立也さんではなく、小川太一さんが監督として立っています。
 監督が替わる不安というのも、じつはありました。3月に行われたイベントの打ち上げでお話があったのですが、私は監督としての小川さんは初めてだったので、どういうふうにお話を組み立てていかれる方なのかが全然わかっていなかったんですね。でも、台本を読んだとき、新規カットの入れ方や話の組み立て方にものすごく愛を感じて。安心して飛び込んでいっていいんだ、と感じたことを覚えています。

――TVシリーズであすかの思いや過去が明らかになった状態で、もう一度収録することに難しさはありましたか?
 そうですね……。まっさらな状態ではないので、とにかくTVシリーズの演技をなぞらないようにすることを心がけました。今回は新作カットで、あすかの見えていなかった内面が見えるようなシーンがあったので、全く同じではいけないなと思って。とはいえ、私はあすかのミステリアスなところが魅力だと思っているので、説明しすぎない芝居をしようとは常に考えていました。
 今回のアフレコは、物語の冒頭から終わりまでを順番に収録する「順録り」ではなくて、シーンごとにバラバラに録る形だったんです。前半の一部を録って、後半にいき、また前半に戻る……なんてこともあったので、自分のなかでそのときのあすかのテンションがどうだったのか、つながりがおかしくならないようにと強く意識していました。

――寿さんがとくに驚いた新作カットは?
 くわしくは観ていただいてのお楽しみですが、冒頭から見逃せません。あすかのバックボーンについて、TVシリーズ以上にくわしく、丁寧に描かれているので、きっと観てくださる方も「お!」と思ってくれるんじゃないかな。それからあすか、久美子のそれぞれの家族のシーンは、また新たな感じ方ができるのではないかと思います。今、母親として仕事も家庭も頑張っている方だったら、あすかの母親を応援したくなるような、そんな気持ちになるかもしれません。

 “田中あすか”という女の子の素顔

――寿さんはあすかをどんな女の子だと捉えていますか?
 きっとあすかはこんなことを言われたら怒ると思いますが、個人的には「かわいそうだな」と思う瞬間が多々あります。第1期のときにスタッフの方から、「あすかはドライな人だから、ウェットな演技はしないでほしい」と言われたんですね。ずっとどうしてなんだろうと思っていたのですが、“ドライ”であることの理由を第2期で理解できた気がします。でもその一方で、ドライななかに熱さがあるのもあすかなんだと思いながら演じていました。

――あすかは同じ3年生の晴香や香織に対しても、どこか心を開ききっていないような雰囲気があります。
 あすかはたぶん、あまり人に興味がなくて、好きも嫌いもなく、ただ自分が一番好きなだけなのかな(笑)。それが「ひとりで吹ければそれでいい」というセリフにつながっているのかなと思います。じつは、そのあすかの気持ちには共感できるんです。私も14歳で今の事務所に入ってからは、とにかくお芝居がしたい、歌いたいという気持ちが強くて。友達と遊びたいという気持ちもなくはないけど、歌やお芝居が楽しいからそこに集中したいタイプだったんですね。あすかもきっと同じで、だからこそ場合によっては付き合いが悪いとか、人に冷たいと誤解されてしまうこともあるのかなと。晴香と香織は、自分たちのことを一番に思っているわけではないあすかのことを理解して、それでも一緒にいてくれているんじゃないかと思います。

――3年生チームの距離感は絶妙だと思いますが、なかでも香織は、あすかにとって特別な感じがします。
 第2期の9話で、久美子を家に連れていこうとするあすかの靴紐を香織が結んであげるシーンがありましたが、香織が去ったあとに「かわいいでしょ、香織って」っていうあすかを見て、恋愛感が強いなと思いました(笑)。なんだか「私の香織」「うちの嫁」みたいな。ただ、香織からの好意に応える気はないんだろうな、と。

――ちなみに、今回のサイトトップイラストは、ふたりでカフェめぐりをしているあすかと香織なんです。
(イラストを見て)これ、あすかもちゃんと香織のことを見ているんですね! 見ていないのかなと思ったんですけど、見つめ合っていて予想外でいい! 『アニメディア9月号』に載っていた久美子とあすかの水着2ショットもかわいいですね。どちらも素敵だと思います。

――イラストから見ても、あすかと久美子、あすかと香織の関係性はだいぶ違いますね。
 久美子に対しては、世話を焼いたり勉強を教えたり、見ていないフリはしているけどちゃんと見ている感覚があります。でも、香織に対しては、香織が追いかけてきてもその思いを受け取るような、受け取らないような……。リレーでたとえると、香織からのバトンを受け取る直前の段階でずっと走り続けている感じがしますね。香織はもどかしいから追いかけてきてくれて、あすかもそれをわかっていてバトンは受け取らない、みたいな。でも、9話の家でのシーンで「このグラス、香織が誕生日にくれたやつなんだよ」と、わざわざ伝えなくてもいいことを久美子に言っているところを見ると、感謝はしているんだと思っています。

――大切に思っているであろう香織や晴香にも言っていない家族のことを、久美子にだけは語るという関係も不思議な感じがしますね。
 そうですね。たぶん、あすかは久美子のことを年下とか思っていなくて、一個人として見ているんだと思うんです。家族のことを話したとしても、ビックリはするだろうけど受け流してくれるだろうと感じていたんじゃないかな。ただ、予想以上に久美子が熱く来たので、あすかは多少方向転換したんじゃないかと感じています。ふたりの間には、演奏中のアイコンタクトなどで信頼関係があることは見えていますし、『届けたいメロディ』では再収録や映像の組み立て方のおかげで、関係の濃さがより深く描かれていると思います。

――久美子も、人のことを気にしつつも、必ずしも踏み込んでいくとは限らないという、人との距離の取り方が面白い子ですよね。
 久美子は“独立”していて、そこがあすかの言っていた「ユーフォっぽい」ところなのかなと感じます。あすかって、グイグイ来られすぎると「バイバーイ」ってなっちゃうタイプだと思うんですね。そういうあすかの危うさ、儚さを、久美子は絶妙に感じ取っているからこそ、距離を近づけられるのかなと。久美子自身は、アクセルを踏みっぱなしにして勢いだけで進む子ではないのに、いざ迷ったなら行っちゃえという大胆な選択ができる子で。それが久美子役の黒沢ともよちゃんに似ていて、久美子とあすかの関係は、ともよちゃんと私の関係にもすごく似ている気がします。
 以前、北宇治カルテットの4人(黒沢さん、加藤葉月役・朝井彩加さん、川島緑輝役・豊田萌絵さん、高坂麗奈役・安済知佳さん)と話していたときに、私はみんなから「話したいけど話しかけていいのかな……」と思われていた、という話が出たんです。でも、ともよちゃんは「どういうことを考えているのかわからない人ほど知りたくなってグイグイいっちゃうタイプだから」と、そのころすでにかなり親しくなっていたので、「なるほど、ほかの人からは私はあすかみたいに見えていたのか」と感じました。

『ユーフォニアム』に関わるすべての人の熱量を感じてほしい

――アフレコの際に印象的だった出来事はありますか?
 今回のアフレコは、全員で録る日、久美子と家族のシーン、久美子とあすかのシーンという3パターンでの収録があったのですが、改めてともよちゃんの作品への向き合い方からすごく刺激を受けました。とにかく全身全霊でアフレコに臨んでいて、アフレコが終わるまでは全然話さなかったんですよ。その集中の仕方に、役者魂を感じました。終わったあとご飯に行ったら、いつもどおり話してくれたんですけどね。
 本人は言わないでほしいって言うかもしれませんが、ふたりだけの収録のとき、テストから本番まですごく時間が空いたことがあったんです。ともよちゃんは、時間が空くことによって頭で考えた演技になってしまうことを気にしていたようで、地団駄を踏んで「早くやりたい」って言っていて。最終的にはスタッフの方に涙ながらに「信じてやらせてください。ダメだったらもう一回やるので」と訴えていて、その言葉にグッときました。音響監督の鶴岡陽太さんが、ダメ出しを途中で切り上げるレベルの訴えだったので(笑)、私はそれに引っ張ってもらいつつ、あすかとしてはきちんと独立した芝居をしたいと思って臨みました。

――役者もスタッフもものすごい熱量ですね。
 演奏シーンでは、ただ楽器を描いただけでは生きているように見えないからと、吹いたら息が通っているように見えることを心がけて描いてくださっていましたし、演奏チームの頑張りや、台本からもスタッフの方の熱量がストレートに感じられると思います。それがまっすぐ観てくださる方に届いているから、この作品が長く愛してもらえているのかなと思います。2018年公開予定の2本の新作には、3年生チームは卒業してしまっているので出番があるかわかりませんが、これからも追いかけていきたいという気持ちはあります。

――改めて、本作の注目ポイントを教えてください。
 全部と言いたいところですが、やはり後半が見どころでしょうか。あすかがユーフォに対する思いを語るシーンで、この映画のなかで私の一番のお気に入りの顔をしてくれますので、その表情にも注目してほしいです。久美子とのシーンでは、私が「あすかみたいになりたい。あすかのような人が好きだな」と改めて思ったシーンもありますから、ぜひチェックしてください。それから、音楽の長さや演出もTVシリーズと異なっている部分がありますし、音響監督の鶴岡さんのこだわりである、演奏中のブレス。ほんの一秒にも満たないシーンかもしれませんが、晴香とあすかのブレスもチェックしていただきたいです。

――青春も人間ドラマも演奏もたっぷり詰まった作品ですね。
 そうですね。甘酸っぱさのある青春や、ハッピーエンドだけではないチクチクするような物語を、ひとりの女の子を通して感じていただけると思います。観ていただいたあとは、明日から頑張ろうと思う方もいれば、もしかしたら物語の重さに気持ちが落ちる方もいるかもしれません。でも、それを受け止めてまた前に進んでいけるような作品になっています。皆さんに観ていただけたら、私もあすかを安心して卒業できると思っています(笑)。ペア券もありますので、友達や恋人、家族など誰かと一緒に観て、ぜひ感想を交換し合ってくださいね。

あすか&香織の描きおろしイラストは、2017年9月8日(金)発売予定のアニメディア10月号にも掲載されるので、こちらもあわせてチェックしてほしい。

◆プロフィール
寿美菜子【ことぶき・みなこ】9月17日生まれ、兵庫県出身。ミュージックレイン所属。『響け!ユーフォニアム』シリーズ(田中あすか役)のほか、『けいおん!』(琴吹紬役)、『アイカツ!』(神崎美月役)など、さまざまな人気作品に出演。

 

劇ユーフォ2_b1ポスター最終2

<『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』情報>
2017年9月30日(土)全国ロードショー

◆スタッフ
原作:武田綾乃(宝島社文庫『響け!ユーフォニアム』シリーズ) 
総監督:石原立也 
監督:小川太一 
脚本:花田十輝 
キャラクターデザイン:池田晶子 
シリーズ演出:山田尚子 
美術監督:竹田明代 
楽器設定:髙橋博行 
撮影監督:髙尾一也 
音響監督:鶴岡陽太 
音楽:松田彬人 
音楽制作:ランティス 
音楽制作協力:洗足学園音楽大学 
演奏協力:フレッシュマン・ウインド・アンサンブル2014 
音楽監修:大和田雅洋 
アニメーション制作:京都アニメーション 
製作:『響け!』製作委員会 
配給:松竹

◆キャスト
黄前久美子:黒沢ともよ 
加藤葉月:朝井彩加 
川島緑輝:豊田萌絵 
高坂麗奈:安済知佳 
田中あすか:寿美菜子 
小笠原晴香:早見沙織 
中世古香織:茅原実里 
塚本秀一:石谷春貴 
黄前麻美子:沼倉愛美 
滝昇:櫻井孝宏

『響け!ユーフォニアム』公式HP
http://anime-eupho.com/

『響け!ユーフォニアム』公式Twitter
@anime_eupho

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会



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