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アニメディア×色彩検定プレゼンツ●夏美少女配色七変化 人気アニメーターと一緒に学ぼう! アニメーター・矢野茜が「色」「配色」の重要性を語る!

2017/8/24


ひとつのイラストでも配色を調整することでイメージがこんなに変わる!「色」に関する知識や技能を習得できる「色彩検定」の監修のもと、人気アニメーターの矢野茜が配色を実践。イラストにおける「色」の重要性を語る。ここでは、アニメディア9月号に掲載しきれなかったインタビューやイラストとその解説を余すことなくお届けしよう。

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<アニメのキャラクターデザインを担当してから
“配色”に対する意識・重要性を感じるように>
 
 

 もともと自分の色彩センスには自信がなかったのですが、『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』(以下『ネトゲ嫁』)のキャラクターデザインを担当させていただいてから、色彩設計の方と関わる機会が増え、これまでよりも「色」を意識するようになりました。原画のお仕事は線画なので、基本的には“白黒の世界”です。例外は、アニメ誌の版権イラストなどでしょうか。メガミマガジンさんの版権イラストでは、『ネトゲ嫁』の本編ではピンクの水着を着ていた亜子ちゃんに、私のリクエストでオレンジの水着を着せてあげたことがありましたね。

 アニメって、背景やたくさんのキャラがひとつの画面に収まるので、思っている以上に色のバランスが大切なんです。実際に新作アニメの制作を立ち上げる際には、色彩設計の方が原作とアニメの色味のバランスを考えて入念に微調整されていて。色がついたキャラクター設定などを見ると、毎回「うまくまとめてくださったな~」と学ばせていただいております。私がふだん描くイラストでも、キャラクター単体を描くぶんには色のバランスはとれるのですが、キャラクターを増やしたり背景を入れるにあたって、もっと「色」を上手に使えたらなぁと思っていました。

 今回は、色彩検定のテキストの内容を学ぶ機会をいただきました。まず、テキストを読むだけでも楽しいですね! とくにトーン別の色相カラーチャートを解説したページは、ずっと見ていられます。このチャートと同じ並びの色鉛筆セットがあったら、絶対に買っちゃいます(※取材後、矢野は実際に100色セットの色鉛筆を購入)。みかんが赤い網に、オクラが緑の網に入って売られているという身近な出来事にも「色」が関係していることも書いてあり、ためになりました。私は本当に勉強が苦手なのですが、色彩検定のテキストは図がたくさんあったので、全般的にわかりやすいなと思いました。

 そして学んだ内容をもとに、私が描いたオリジナルキャラ“花✿花ちゃん”を、いくつかの配色パターンにアレンジしてみました。素直に描くと「ノーマル」のような淡い色がベースになるんですが、「カジュアル」のような原色寄りの色を使ってみたら……意外に成立しますね! 同じ花✿花ちゃんでも、6パターンそれぞれに「ノーマル」とは違ったキャラクター性が生まれてきて面白かったです。妹キャラ(フレッシュナチュラル)、お姉さんキャラ(エレガント)、元気っ子(カジュアル)、委員長キャラ(モダン)、腹黒ちゃん(ロマンティック)、そして謎キャラ(クリア)まで……! 配色だけでここまで変化したのは発見でした。これまでは感覚的に色のチョイスをしていましたが、色彩検定のテキストを通じて、配色やトーンごとに与えるイメージや印象がはっきり定義されていることがわかり、とても参考になりましたね。

 じつは、個人的にピンクが嫌いで、「ロマンティック」の配色イメージには少し抵抗があったんです。私のなかでピンクは、かわいいキャラの肘や膝のハイライトまわりに使ってこその色なので……。でも描いてみたら、意外と愛せる“腹黒ちゃん”になり、少しピンクを見直しました。蓋を開けてみると、「フレッシュナチュラル」の次に「ロマンティック」が好きかもしれないです。ピンクもたまには使ってあげてもいいかな(笑)。

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<配色七変化その1 ノーマル> 

▲オリジナルカラーの花✿花ちゃん。異世界にやってきた主人公たちにアドバイスする「花の妖精」という設定で、普段は身長20cm程度だそう。実年齢は数百歳だが、精神年齢は8歳。今回は“描きおろしイラストのオファーを受け、14歳の人間の姿に大変身した!”……と、設定だけでもかなりの作り込みようだ。
「夏を感じる美少女ということで、金髪碧眼娘を思うままに描きました! 配色の順序は、髪と目、トップスの緑、髪飾りの紫ピンク、パンツの白、最後に背景の青でした。ポイントは、個人的にも好きな色の紫ピンクです。普通のピンクだと幼さが出すぎてしまいますが、紫を少し入れると良いバランスになりますね。長い髪にはグラデーションを入れたくなるのですが、ここにも紫ピンクを使ってみました」(矢野)

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<配色七変化その2 フレッシュナチュラル> 

▲イエローグリーン系から、ブルーグリーン系まで、幅広い緑色を高明度で配色する「フレッシュナチュラル」。若々しさや新鮮さなどを演出することができる。
「清潔感とさわやかさが感じられる配色になりました。年齢的にはちょっと幼い印象で、13~14歳くらいでしょうか。子どもから大人になる途中の段階という感じで……じつに私好みです! 性格的には、お兄ちゃんのことが大好きな、やさしい妹キャラという感じですね。ツンデレ系ではなく、いつも「好き好き」と言っている、まっすぐな子。1話から最終話まで、一途にお兄ちゃんを愛し続けそうです(笑)」

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<配色七変化その3 カジュアル> 

▲赤から黄色、緑、青まで、幅広い色相を高い彩度で配色する「カジュアル」。明るく元気な印象を与えているのが特徴だ。
「自分では進んで使わないビビットな配色ですね。男の子にも女の子にもモテて、クラスの中心にいそうな明るい元気っ子になりました。すごくハキハキとしゃべりそうです。脇役のキャラでこの色だと目立ちすぎですが、メインキャラ的な存在なら、こういう色で攻めるのもアリですね。すべての色が強く主張しているので、塗っている最中は不安でしたが、できあがってみると『大丈夫なんだな!』と思えました」

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<配色七変化その4 ロマンティック> 

▲赤紫から赤みがかった黄色までの色相で、とくにピンクがメインとなる「ロマンティック」。かわいさ、可憐さなどを表現できる配色イメージだ。
「私の苦手なピンクをたっぷり使った配色です。青や赤に寄っていたら良いんですが、「どピンク」は正直に言うと嫌いなんです(笑)。でも完成してみると、意外にアリですね! ピンクを使うと幼いイメージになりがちですが、髪の青い影色に少し艶っぽさがあって、かわいらしいだけじゃない大人の女性なんだなと感じられます。異性の目をすごく意識していそうな“愛すべき腹黒ちゃん”になりました」

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<配色七変化その5 クリア> 

▲ブルーグリーンから青までの色相で、明度は高く、逆に彩度は控えめにするのが「クリア」の配色パターン。透明感があり、さわやかなイメージを強調するホワイト系と組み合わせるのが基本だ。
「ノーマルよりも透明感が出て、より異世界らしい雰囲気のイラストに仕上がりました。白い服にちょっとだけアクセントが入ったような服は個人的に着やすいんですが、キャラクターにも着せやすいですね。妖精の花✿花ちゃんが、ちょっとデジタル世界に行ってみたような印象になりました(笑)。はじめは“謎のキャラクター”として登場して、最終話近くで本性を表してきそうです……」

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<配色七変化その6 モダン> 

▲青をメインに、白・灰色・黒といった無彩色を組み合わせた「モダン」。現代的、人工的な印象を出したいときによく使われる配色パターンである。
「ノーマルの花✿花ちゃんは『ザ・ファンタジー世界の住人』でしたが、モダンのカラーリングにすると、人間世界で普通に女子高生をしていそうな雰囲気になりますね。クラスで委員長をやっていそうです。“委員長キャラ”らしさって、黒い長髪でメガネをかけていて……といった記号的なパーツから組み立てていくケースが多いと思いますが、カラーリングだけでも部分的に演出できるんだなという発見がありました」

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<配色七変化その7 エレガント>

▲パープル系を中心とした色相で、明度の高い配色をする「エレガント」。女性らしさや気品の高さを演出できる配色パターンだ。
「紫の単色押しで、お姉さん系の花✿花ちゃんになりました。高校生から大学生くらいの年齢で、性格も落ち着いていて、一歩引いてみんなを見守っていそうです。瞳には、ちょっと配色パターンからはずれた色を入れてしまいましたが、これはこれで全体的にまとまったかなと思います。同じ紫でも、赤に寄ったものと青によったものをバランスよく織り交ぜるのが大切なのかなと思いました」 

 

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<自分の色の好き嫌いに固執せず
どの色とも向き合うことが大切>

色彩検定の内容を学んでみて、好きな色とも嫌いな色とも向き合うことができました。誰しも色の好き嫌いがあるので、イラストを描くうえでも無意識に避けている色があると思うんです。私の場合はピンクやグレーがそうですね。でも、その色を切り捨ててしまうと、それだけ表現できるキャラクター性が狭まってしまうのかもしれないなと思いました。テキストを通じて、「色」だけでもキャラクターの与える印象が変わるとわかったので、今後はいろいろと応用ができそうです。配色術を磨き上げて、もっともっとかわいい女の子キャラを描けるようになりたいですね。

 

色彩検定【冬期】
10月9日(月)まで
申込受付中!

試験日:11月12日(日)1~3級    
    12月17日(日)1級2次

詳細はこちら→http://www.aft.or.jp/

 色彩検定は年2回、夏期と冬期に全国約400の会場で実施される(1級は冬期のみ/2次試験もあり)。次回の試験日は上記のとおりで、現在申し込み受付中だ。今回体験してもらったように「色」や配色に関する知識・技能は、イラストにも大いに役立てられる。まずは比較的ハードルの低い3級にトライしてみてはいかが?

 

●イラスト・解説/矢野茜(やの・あかね)
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<プロフィール>
アニメーター・キャラクターデザイナー。2月24日生まれ。千葉県出身。『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』で初のキャラクターデザインを担当。SNSでオリジナルイラストも発表している。

 



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