【Episode2】高性能なポンコツ | 超!アニメディア

【Episode2】高性能なポンコツ

生命維持装置・りすぽーんの早期完全着脱を目指して幸せコインを集めはじめたかるな、沙羅、和美の3人。幸せコインを集めるには善行を積まなければならない! しかし大仏姿もさることながら、言葉を発することができないハンデまで負 …

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  • 【Episode2】高性能なポンコツ

 生命維持装置・りすぽーんの早期完全着脱を目指して幸せコインを集めはじめたかるな、沙羅、和美の3人。幸せコインを集めるには善行を積まなければならない! しかし大仏姿もさることながら、言葉を発することができないハンデまで負っている沙羅は悪戦苦闘の日々を過ごしていた。

迷子探しをする沙羅に大きな壁が立ちはだかる

沙羅「見た目は最低だけど、このマスクかなり高性能なのよね。空間をタッチすればパッ、パッ、パパパってアプリのウインドウが開くし、ごつい見た目に反してまったく重さを感じないし……」

ホーキ「でしょでしょ! なんたって沙羅のりすぽーんは3人の中でも最先端の技術が使われているんですから☆」

沙羅「おかげで迷子や探し物を見つける機能を使って幸せコインを貯める算段がついたのも事実」

ホーキ「最高じゃないですか☆」

沙羅「……でもね、これだけ高性能で、なぜこの見た目なのかという疑問が1点」

ホーキ「そこは、そのりすぽーんを作ったのが技術者の集まるブラムス&パーソンズ社だからですよ。まずは機能重視! 見た目は二の次……みたいな?」

沙羅「そういう理由なら100歩譲って、いや本当は1歩も譲りたくはないけど見た目は置いておく。でも言葉を発することができないのは致命的じゃない?」

ホーキ「えっとですねぇ……それは宇宙共通言語のひとつ『シュ語ー』に翻訳しているからですよ~?」

沙羅「なんで疑問系!? それに『シュ語ー』って何よ! 地球では通じてないし! ぜんっぜん共通じゃないんですが? 欠陥でしょこれ! あーもう、手が疲れた!」

 そう言って……いや、そう“書いて”沙羅は、スケッチブックとペンを投げ捨ててしまう。

ホーキ「それにしても速筆になりましたよね☆ 慣れてきたんじゃないですか?」

沙羅「シュゴ―!」

ホーキ「はい、スケブとペン」

沙羅「シュゴゴゴ!(だから手が疲れたって言ってるでしょ!)」

女の子「うえ―ん!!! また大仏さんがシュゴシュゴいってるよ―! 怖いよ―!」

 その声で、2人はかたわらにたたずんでいた迷子の少女の存在を思い出した。

ホーキ「大丈夫ですよ。ほら、泣き止んでください☆ 私たちがあなたのお姉さんを見つけてあげますから」

女の子「ぐすっ……。大仏さん、もうシュゴシュゴ言わない?」

沙羅「シュゴ(コクリ)」

女の子「うえ―ん! またシュゴシュゴいってる―! この大仏さん、学習しないポンコツだよ―! 怖いよ―!」

沙羅「シュゴ……」

 迷子探しも当の本人に怖がられる。高性能ながらもその見た目と言葉を発せられないハンデが足を引っ張るりすぽーんを身につけ、今日も悪戦苦闘が続く沙羅でした。


今日のポイント:大仏マスク
見た目の怪しさとは裏腹に高性能なシステムが積まれている優れモノのマスク。情報収集・処理の分野では絶大な効果を発揮する。

原画/シノ屋(TENKY) 仕上げ・背景/isumi(TENKY)
原作/古里尚丈(おっどあいくりえいてぃぶ) 文/たなかつ

© おっどあいくりえいてぃぶ・たなかつ/ラキりすプロジェクト

《超!アニメディア編集部》
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