ChouChoが『ツルネ』のEDテーマを担当!「アニメの繊細な表現に負けないよう、ていねいに作りました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

ChouChoが『ツルネ』のEDテーマを担当!「アニメの繊細な表現に負けないよう、ていねいに作りました」【インタビュー】

シングル「オレンジ色」が発売されたChouCho。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア11月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文を …

ニュース
注目記事
2018091493710.
  • 2018091493710.
  • ChouChoが『ツルネ』のEDテーマを担当!「アニメの繊細な表現に負けないよう、ていねいに作りました」【インタビュー】
  • ChouChoが『ツルネ』のEDテーマを担当!「アニメの繊細な表現に負けないよう、ていねいに作りました」【インタビュー】


 シングル「オレンジ色」が発売されたChouCho。その制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア11月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。

アニメの持つ繊細で素朴な世界観を表現した

──ChouChoさんがEDテーマを担当される『ツルネ-風舞高校弓道部-』は、弓道部が舞台。ChouChoさんも高校時代は弓道部だったそうですね。
 はい。だから今回、EDテーマを歌わせていただくことになって、すごくうれしかったです。アニメ側のスタッフの方はそのことを知らなかったようで、「実は弓道部だったんです」とお話をしたら、とても驚いていました(笑)。

──原作小説を読まれて、どんな印象でしたか?
 弓道の描写がとてもリアルで、私自身が弓道に熱中していたときの気持ちがよみがえりました。たとえば試合のときの空気感は、張り詰めながらも凛としたものがあって、それは弓道独特のものだと思うのですが、原作小説からはその空気感さえも感じられました。それほどリアルに描かれていて、とても感動しましたね。

──その緊張感は、きっと心地いいものなんでしょうね。
 シーンと静まりかえったなかで矢を放つ瞬間の緊張感や空気感は、言葉ではなかなかいい表せないものがありますので、そこは原作小説やアニメでぜひ感じてほしいですね。

──そもそも弓道部に入ったのは、どういうきっかけですか?
 高校に入学してすぐの部活紹介で、袴をはいた先輩が弓を射る実演を見て、その袴姿に憧れて入部しました。それほど強い学校ではなかったので、特に大きな戦績を残せたわけではなかったですけど、独特な緊張感も含めてすごく楽しかった思い出があります。原作小説を読んで当時のことを思い出すうちに、また久しぶりに弓道をやりたくなりました。調べたら都内に何ヶ所か弓道場があって、経験者であれば借りられるようなので、時間があるときに行ってみたいです。

──『ツルネ』は部活ものであり、青春時代の友情物語でもあるわけですが、どんなところにシンパシーを感じましたか?
 団体試合を行うシーンがあるのですが、そこは私自身の試合経験と重ねながら読むことができました。団体戦はひとりひとりの一射がすごく大事で、一本はずすとそれがチームに大きく影響を与えてしまうんです。逆に仲間が当ててくれれば、その気持ちを引き継いで自分も当てることができる。自分自身との戦いであり、チームの絆によって支えられている部分もあって。そういった弓道独特のチームワークを、私自身も思い出しながら読みました。

──登場人物で気になるキャラクターはいますか?
 竹早静弥くんかな。主人公の鳴宮湊くんに対して、まるでお母さんのような世話の焼き方をしていて、微笑ましいなと思いました。アニメでは、原作小説ではまだあまり描かれていないキャラクターも早い段階から登場するので、それも見どころだと思います。女子部員が3人出てくるのですが、小説ではまだイラストも出てきてないので、見た目とか性格とか、どういう子たちなのかアニメで観るのが楽しみです。

──また、NHK大河ドラマ『西郷どん』の劇伴を手がけた富貴晴美さんが、本作の劇伴を担当されているのも話題ですね。
 ドラマ『西郷どん』は私も毎週観ていて、音楽もすてきだな〜と思っていました。『ツルネ』も『西郷どん』同様に独特の温かい空気感のある作品なので、いったいどんな音楽になるのか、アニメの映像もですけど音楽もとても楽しみにしています。

──『ツルネ』のEDテーマ「オレンジ色」は、主人公である男子5人が部活帰りに並んで歩いているシーンが想像できる曲だと思いました。最初にこの曲を聴いた印象は、いかがでしたか?
 作詞・作曲は藤井万利子さんで、初めて一緒に制作をさせていただきました。楽曲は『ツルネ』の世界観にピッタリくるのどかさがあって、温かさを感じる曲です。曲調的にも聴きやすく、シンプルでホッとできるメロディーだと思いました。京都アニメーションさんの作品は、どれも独特な繊細さがあるので、私もアニメの繊細な表現に負けないように、歌をていねいに作りたいと感じましたね。 

──とてもシンプルで牧歌的な歌ですね。
 そうですね。こういう曲調なので、きれいに歌い上げるよりも、曲の持つ素朴さを大切にするほうが合うと思って。歌い上げるのではなく、遠くの景色を見つめて言葉をポツリポツリと置いていくイメージで、シンプルに温かさを意識して歌いました。

──でもシンプルなだけではなく、Aメロはリズムを打つような感じがありますね。
 そうなんです。今までの楽曲では歌ったことのないパターンのメロディーでした。ただメロディーの持つリズムを意識すると、どうしても歌い上げる感じになってしまうので、リズムを意識せず言葉を紡いでいくようにと、気持ちを切り替えるのに少し時間がかかりました。そうやって曲の求めているものに最大限応えるように模索していった結果、いつもの自分の歌い方の癖をあえて消すようなイメージの歌になりました。

──でも、ChouChoさんらしい声の透明感や伸びやかさも、しっかり表現されていますね。
 そうだったらうれしいですね。

──タイトルについてですが、「オレンジ色」はどういうものの表れだと思いますか?
 オレンジは、熱さというより温かさのイメージの色。夕陽のオレンジ色と、心のなかにある情熱や青春の輝きを表していると思います。情熱というと赤を想像すると思いますけど、そういうハッキリした原色ではない、あいまいな部分があるのが青春なのではないかと思うんです。赤でもなく黄色でもない。複雑な思いがありつつ燃えている色なんじゃないでしょうか。

──最後にちょっと先の話ですが、来年2月には東京・HAKUJU HALLで5回目となるアコースティックライブ『ChouCho Acoustic Live“naked garden”vol.5』を開催。今回の「オレンジ色」はアコースティックが似合いそうですね。
 絶対に合うと思います。この曲は、ぜひアコギの弾き語りでやってみたいので、頑張って練習します。

──前回のアコースティックライブは6月でしたが、そのときにアコギと一緒の写真をSNSにアップしていましたね。
 あのギターは、趣味でギターをやっている父から譲り受けたもので、ギブソンのハミングバードというモデルです。すごくいいギターで、その存在感のおかげでギターが上手そうに写っていますけど、実際はそんなに弾けないんです(笑)。お客さんも「頑張って!」という気持ちで、温かく見守ってくれています。次回までには頑張って練習してもっと弾けるようにするので、お時間がある方は、ぜひ遊びにいらしてください。

<プロフィール>
【チョウチョ】動画投稿サイトでの活動を経て、2011年に『神様のメモ帳』のOPテーマ「カワルミライ」でメジャーデビューを果たした。これまでに『ガールズ&パンツァー』のOP「DreamRiser」、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』のOP「Asterism」など、人気アニメの楽曲を多数手がけてきた。

<シングル「オレンジ色」情報>
発売中
ランティス
1,296円
表題曲「オレンジ色」は『ツルネ-風舞高校弓道部-』のEDテーマであるミディアムバラード。温かみのあるバンドサウンドに乗せて、透明感のある歌声が響く。聴けばきっと、夕暮れの情景や青春時代の甘酸っぱい思いがよみがえるであろうナンバーだ。


©綾野ことこ・京都アニメーション/ツルネ製作委員会

取材・文=榑林史章

 

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集