初のアニメ化の『ヤリチン☆ビッチ部』キャラソンについて佐藤拓也&熊谷健太郎「キャラクターらしく歌ったら審議になりました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

初のアニメ化の『ヤリチン☆ビッチ部』キャラソンについて佐藤拓也&熊谷健太郎「キャラクターらしく歌ったら審議になりました」【インタビュー】

恋と“性春”を描いた大人気BLマンガ『ヤリチン☆ビッチ部』が、9月21日発売の第3巻限定版に付くDVDで、初のアニメ化! さらに9人のキャストが歌う主題歌「Touch You」が、好評発売中! そこで、百合絢斗&ジミー …

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 恋と“性春”を描いた大人気BLマンガ『ヤリチン☆ビッチ部』が、9月21日発売の第3巻限定版に付くDVDで、初のアニメ化! さらに9人のキャストが歌う主題歌「Touch You」が、好評発売中! そこで、百合絢斗&ジミーを演じている佐藤拓也と熊谷健太郎に、同作と主題歌の魅力を語ってもらったインタビューが、「アニメディア9月号」に掲載中。超!アニメディアでは、そのロング版インタビューをご紹介する。

──まず、この作品の印象を教えてください。

熊谷 え~と……ひと言で言うと、写真部の部員たちが繰り広げる青春グラフィティー、という感じですね。

佐藤 そのとおり(笑)。そして、かなり挑戦的な作品だなと思いますね。表現の面白さを追求したいなら守りに入っちゃダメなんだなって、この作品に触れて改めて認識しました。

熊谷 とにかく、突き抜けているんです。だからこそ、キャラクターを演じる僕らも守りに入らず、「ここまでやってしまえ!」と思いきってやれている。ですから、演じていてすごく楽しいですね。

──おふたりが演じているキャラクターもかなり突き抜けていますが、演じる際に意識していることを教えてください。

佐藤 僕が演じている百合くんに関しては、原作でまったくまともにしゃべっていないので、人となりを拾える手がかりが全然ないんです(笑)。何を考えているのかまったくわからない。まあ、何を考えてるかわからないのが百合くんの面白いところでもあるんですけどね(笑)。だから、僕の感じるままに、好きなようにやらせていただきました。

──原作だと、本当にまともなセリフはひとつもありませんよね。「文字化けの歌」なんていう、マンガだから成立するけどアニメだと表現しようがないものもあったりして。

佐藤 ちなみに、ドラマCDでは文字化けの歌の場面があったんですが、その台本にも原作のとおりに書かれていました(笑)。ですから、そのときに思いついたまま、歌ったんです。問題なのは、同じものを二度と歌えないということですね(笑)。

──佐藤さんが演じる百合くんはかなり面白そうだと思っていたんですけど、想像以上ですね(笑)。

佐藤 ありがとうございます(笑)。まあ、百合くんの演じかたの正解は誰にもわからないということで。でも、ドラマCDの1巻のときに僕が百合くんの演じかたを提示したところ、原作のおげれつたなか先生から「イメージ通り!」と言われ、それで調子に乗って、これまで好き勝手やらせてもらっているんです(笑)。


──熊谷さんはジミーというキャラクターをどのような意識で演じているんですか?

熊谷 僕が最初にこの作品に参加したのは、ドラマCDの2巻だったんですが、そのときに僕は今よりもジミーにマイルドなイメージを持っていて、そのイメージで演じてみたんです。そうしたら原作のおげれつたなか先生から「もっとキモく!」というディレクションをいただいて(笑)。それで、百合くんへの愛があふれすぎているために、周りから見たら「うわっ」と引かれてしまっている……というラインを意識して、演じるようにしたんです。とにかく、汚い音になることを怖れずに声を絞り出していたので、終わるころにはゼーゼー言っているという感じでしたね(笑)。

──収録での佐藤さんとの“からみ”はいかがでしたか?

熊谷 劇中にも「百合くんは頭のネジが外れている」というようなセリフがあったと思うんですが、佐藤さんは百合くんをそのイメージどおりに、本当に自由に演じていらっしゃるんです。でも、奔放に見えるのに、僕はからんでいると安心感を覚えていたんですよね。僕がどれだけ思い切りぶっ飛んだ感じで演じたとしても、「百合くんとジミー」という関係は必ず成立するという安心感。おかげでとても演じやすかったです。でも……ふとした百合くんのひと声に笑ってしまって、ときどき「熊谷」に戻ってしまう瞬間もあったりして(笑)。

佐藤 どうもすみません(笑)。

──佐藤さんは熊谷さんとのからみはいかがでした?

佐藤 いや~、すげー気持ち悪かったですよ(笑)。

熊谷 そう思っていただけるのは本望です(笑)。

佐藤 「あ~、ジミーだな」とすごく感じられたんですよね。おかげでこっちも遠慮なくやれました。それに、最初は周りのことをまったく考えずに好き勝手に百合くんを演じていたんですけど、ジミーという相手役ができたことで、ただ好き勝手に演じるだけでなく、相手との調和を考えるようになったんです。人と心を通わせていくというのはどういうことなのか……というお芝居の基本のところを改めて考えさせられました(笑)。

──それにしても……佐藤さんが百合くんっぽくなるのは想像できるんですけど……。

佐藤 どういうことですか!?(笑)

──いや、かなりぶっ飛んだ面白い演技をしてくれるんだろうなと思っていたということです(笑)。でも、こうして話していると本当にさわやかな熊谷さんが、気持ち悪くなるというのが想像つかなくて。

佐藤 そこはもう、熊谷くんの役者としての力量がいかんなく発揮されたということでしょう。

熊谷 でも、収録しているときの顔はお見せできません(笑)。もうグチャグチャになっているので。

佐藤 そういえば、僕もこの作品を録っているときの顔は見せられないから、収録中は必ずサングラスを着用していたんです。

──そうなんですか!?

佐藤 ドラマCD1巻のときからそうです。先ほど「ネジが外れている」という話がありましたけど、百合くんになりきるにはやっぱり頭のネジを外さなきゃならない。それって普通の人には難しいことだと思うんですけど……。でも、仮面をかぶればネジも外しやすいと気づいて、サングラスをかけることを思いついたんです。おかげで、ネジが外れたときの顔をみなさんに見せることもないと(笑)。

──百合くんもサングラスをかけていますけど、心境としては通じるものがあるんでしょうか?

佐藤 そう思います。実際にかけてみて思ったんですけど、すごく自由になれるんですよね。周りを気にしなくて済むようになる。自分の世界のなかで好き勝手に生きられるなと実感しました。そんなことに気づいたから、百合くんもサングラスをかけているんじゃないかな。とにかく僕はそれ以降、ドラマCDの2巻の収録のときもOADの収録のときも必ずかけています。収録中に僕がサングラスを外したのは、ジミーとのあるシーンだけ。

熊谷 百合くんがジミーの前でサングラスを外すシーンですよね。百合くんはジミーの前では素の自分をさらしてくれるのかなと思えた、かなり興味深いシーンです。

──そのシーンで佐藤さんもサングラスを外すなんて、本当に百合くんとリンクしているんですね。ところで、収録現場の雰囲気はどんな感じなんですか?

佐藤 笑いが絶えない、アットホームな現場です。どんな場面でも、必ず誰かが「ププッ」と吹きそうになっているという感じ(笑)。ブースの外の調整室はお構いなしに爆笑しているんですけど、こっちは笑ったらNGになっちゃいますから、大変です。

──ある意味試練の現場ですね。

佐藤 そうです。腹筋が強くなります(笑)。

熊谷 とにかくすべてのキャラクターのパワーがすごくて、油断するポイントがないんですよね。ずっとハイテンションでやっているときに、不意打ちのように糸目先輩(声/山中真尋)の「んっ……」という声が聞こえてきたりして、その緩急に吹き出しそうになったりとか(笑)。

──今、糸目先輩の名前が出ましたけど、おふたりはこの作品のなかで気になっているキャラクターはいますか?

佐藤 僕は主人公の遠野くん(声/小林裕介)のツッコミが好きです。力いっぱいのヤツ。

熊谷 振り切れてますよね。

佐藤 ただ、遠野くん本人は自分が一番まともだと思っていますけど、いわゆる「類友(類は友を呼ぶ)」なんですよね~。百合くんを演じている身としては、「すまん、キミはこちら側だ」と思ってます(笑)。

熊谷 僕は、明美先輩(声/代永翼)と糸目先輩が気になります。このふたりは、原作でもまだ見えてきていない部分が多いと思うんですよね。このふたりのバックボーンや、どうして今の関係になったのかということを知りたいですね。

──さて、おふたりをはじめとしたキャスト陣が歌う今作の主題歌「Touch You」のCDがリリースされました。この曲の印象をお聞かせください。

佐藤 この曲の作詞をおげれつ先生が担当されたと聞いて、改めて「この人は天才だな」と思いました。言葉のチョイスや語呂のよさが絶妙なんですよね。でも、我に返って「あ、オレもこの曲を歌うんだ」と思ったとき、ちょっと戸惑いを覚えたのも事実です(笑)。

熊谷 確かに歌詞はひと筋縄ではいかない感じですけど、メロディーがすごくキャッチーで、本当に素敵なんです。ただ、ジミーとして歌うのは難しいぞ、と感じてしまいました。というのも、ジミーの演じ方で歌うとなると、オクターブがひとつ下になってしまうんです。でも、通常のキーのままで歌うと、別人になってしまうし。ジミーのキャラクターをどれだけ崩さずに、キーを合わせていくかというバランスのとり方が、本当に難しかったですね。でも、ジミーが百合くんに対する思いを遠野くんに語っているときのしゃべり方だといいバランスかもしれないということに気づいて、その場面のイメージを引っ張ってきて、なんとか歌うことができました。

佐藤 僕は、ディレクターの方から「ここでは“まとも”に歌ってください」と言われたために、「百合くんで、まともとは?」と思ってしまって、この作品に関わって初めて迷いました(笑)。百合くんを保ちつつ、まともに歌うというのは、どういうことか……。その答えが、完成したものには収められていますので、ぜひ聴いてみてください(笑)。

──カップリングは、9人のキャラクターそれぞれの「Touch You」のソロバージョンですが、これがまた、やりたい放題というか、すごいことになっていますね。

佐藤 ソロは周りのことを考えずに思い切り百合くんを出し切ることができたので、やりやすかったです(笑)。レコーディングのときに、一応歌詞を渡されたんですけど、そこには劇中からそのまま引っ張ってきたセリフと「案」という文字が書かれていて(笑)。これは「お任せします」ということだなと。

──お好きに歌ってくださいということですね(笑)。

佐藤 そういうことです(笑)。それで、かなり百合くんの色を出して歌ったんですけど、そうしたら調整室のほうで審議になってしまったんですよね。その結果、「これでは発売ができなくなってしまうので、もうちょっとどうにかなりませんか?」と(笑)。

──それは、発売できなくなるような言葉を佐藤さんが発していたということですか?

佐藤 まあ、そうですね(笑)。ただ、原作に出てくるセリフでしたし、ドラマCDでも僕が発しているセリフだったんですよ。それが、歌になるとNGとは……。それで、ほんの少しマイルドにしたバージョンを録り直したんです。

──最初のバージョンも聴いてみたいですね~(笑)。熊谷さんもソロバージョンのほうがやりやすかったんですか?

熊谷 そうですね。ソロバージョンに関しては、このCDを聴いてくださっているみなさまのために歌うというよりも、とにかく百合くんに向けて歌ったという感じでした(笑)。これまでドラマCDで演じてきたものをそのまま歌詞にのせて、音のきれいさや歌唱法などはあまり気にせず、百合くんへの思いをぶつけました。

──百合くんの連呼で終わるっていうのがスゴイ!(笑)

熊谷 僕の場合も、歌詞はベースがありつつも「ジミーくんっぽくお願いします」という感じで、僕に委ねてくださって……。

佐藤 やっぱり! それで、好きなようにやったら「発売できない」と言われるっていう(笑)。

熊谷 僕は、「気持ち悪さ」を前面に出したら、やっぱり一旦審議になりました(笑)。でも審議の結果、そのままで大丈夫ということになったんです。あと、最後の「百合くん、百合くん、百合くん……」とサラウンドになっているところは、スタッフさんの発案なんです。「『Body!! Body!! Body!!』という歌詞のところを『百合くん』に置き換えたらもっと気持ち悪くないですか?」と言われて(笑)。おげれつ先生には「もはやホラー」と言われてます(笑)。

佐藤 いや、ジミーの愛を感じましたよ、「百合くんのこと、好きなんだな~」と改めて思いました。

──ところで、現在夏真っ盛りですが、百合とジミーはどんな夏を過ごしそうですか?

佐藤 全裸!(笑) 百合くんはここぞとばかりに全裸になっていると思います。

熊谷 そして、そこで百合くんが脱いだパンツをジミーが奪っていると思います(笑)。

佐藤 きっと海にも行くでしょうね。そこで何をするかはご想像にお任せします(笑)。

熊谷 もちろんジミーも海についていきますよ! 百合くんあるところにジミーありですから(笑)。そして、そこで百合くんがやっていることに、ジミーも参加するはずです。何をやっているかは、やっぱりご想像にお任せしますけど(笑)。

──とにかく、大暴れしてそうですね(笑)。では最後に、CDリリースや9月21日に発売される『ヤリチン☆ビッチ部』の単行本第3巻についてくるOADを楽しみにしているファンのみなさんへメッセージを!

佐藤 まず原作のファンの方には、映像化された『ヤリチン☆ビッチ部』をご覧になって、この作品世界をより楽しんでいただきたいと思います。そして原作やドラマCDをまだお手に取ったことがない方には、ご覧になると新たな視野が切り開かれて「こういう世界があるんだ」という思いに浸れますので、ぜひ観てみてくださいと言いたいですね。かくいう僕も、百合くんというこれまでに関わったことのないようなキャラクターを演じさせていただいたことで、役者として新たな引き出しができたと思っているんです。いうなれば、『ヤリチン☆ビッチ部』は僕のターニングポイントとなる作品なのかもしれない。僕にとってそういううれしい出合いがあった作品でもあるので、ぜひ多くのかたに観ていただきたいと思っているんです。

熊谷 本当に攻めている原作で、しかもその攻めの勢いをたもったまま、ドラマCD、そして今回のアニメ化と歩んできていると思います。ぜひこのOADを手に取って、この作品を受け止めてみてください。必ず二度三度と楽しめるはずです。さらに、アニメという形になって見えてくるキャラクターたちの魅力というものもたくさんあると思うんです。ですから、原作のファンのみなさんにも新鮮な気持ちで楽しんでいただけるのは間違いありません。ぜひ、動く彼らの青春グラフィティーを堪能してください!

【くまがい・けんたろう】2月16日生まれ。沖縄県出身。俳協所属。
【さとう・たくや】5月19日生まれ。宮城県出身。賢プロダクション所属。

取材・文/石河新


〈商品情報〉
Touch You
私立モリモーリ学園 性春♥男子s

遠野高志(声/小林裕介)、加島優(声/濱野大輝)、矢口恭介(声/村瀬歩)、ジミー(声/熊谷健太郎)、百合絢斗(声/佐藤拓也)、田村唯(声/小野友樹)、明美圭一(声/代永翼)、糸目幸士郎(声/山中真尋)、鹿谷樹(声/中澤まさとも)

発売中
発売元/東宝
1,620円(税込)

『ヤリチン☆ビッチ部』の主題歌「Touch You」は、登場する9人の男子高校生が歌うキャラクターソング。BABYMETALの楽曲などの曲を手がけているゆよゆっぺが作曲を、原作者・おげれつたなかが作詞を担当した、最高にキャッチーな楽曲だ。カップリングは、同曲の9人分のソロバージョン。9人の「やりたい放題っぷり」が聴きどころ!

〈アニメ『ヤリチン☆ビッチ部』情報〉
アニメDVD付き限定版コミックス第3巻、9月21日発売

■ストーリー
高校1年生の遠野高志は、東京から山奥にある全寮制の男子校「モリモーリ学園」に転入し、楽そうだと思えた写真部に入部。だがそこは、写真部とは名ばかりで、キャラの濃い先輩たちがひしめく、通称「ヤリチンビッチ部」だった! しかも、入部して1か月以内に男と××ができなかったら、先輩たちに▲▲されるというルールがあり……。遠野の貞操はどうなる!?

©おげれつたなか/幻冬舎コミックス・私立モリモーリ学園

 

 

 

《超!アニメディア編集部》
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