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【インタビュー】斉藤壮馬が、収録曲すべてで作詞作曲を担当した3rdシングル「デート」について語る!

2018/6/20



 斉藤壮馬が、3rdシングルとなる「デート」をリリース。収録された3曲すべてで作詞作曲を手掛ける意欲作となった本シングルについて語ったインタビューが『アニメディア7月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では、記事内でお届けしけれなかった部分を含めたインタビュー全文をご紹介する。

――CDデビューから1年で、早くも3枚目のシングルが発売されます。
 1枚目と2枚目をほぼ並行して作っていたので、個人的には2枚目から3枚目までは少し間が空いたという印象でした。アーティストデビューのあいさつ代わりの1枚目、タイアップのついた2枚目ときて、3枚目ではまた新しいものを提示していかなきゃという気持ちはありましたが、1枚目のときから自分の志向する音楽を表現させてもらえていたので、曲の方向性を大きく変えようとは思っていませんでした。

――今回、収録される3曲は、すべてご自身で作詞・作曲をされていますね。
 もともと3枚目は「作詞と作曲をさせてほしい」とお願いするつもりでした。そうしたら、プロデューサーのほうから「作詞作曲をどうですか?」と言っていただけたんです。「バンドのような“文学ロック”にしませんか?」とも提案していただいて。自分の音楽ルーツはバンドサウンドですから、ピッタリのものができそうだなと感じました。

――そうして作られたのが、カップリングの「レミニセンス」だとうかがいました。表題曲の「デート」がポップな雰囲気になったのは、「レミニセンス」との違いを出したかったからですか?
 そうですね。表題曲は“文学ロック”とは少し違った色の曲にできたらと思って、いま流行っているポップミュージックを勉強しました。僕自身、ファンクポップなノリも好きですし、表題曲はキャッチーな曲がいいなと考えていたので挑戦してみました。今までは自分やおそらく周りのみなさんが思っているであろう「斉藤壮馬像」に近づけるような作業をしている部分もあったんですね。でも、この曲はやりたいことをやらせていただいた、かなり自分らしい曲だと思っています。

――「デート」は歌詞を読むと、“ラブラブの恋人のデート”というわけではないんですよね。
 もともと僕自身は歌詞にあまりメッセージを込めないタイプですし、こういうふうに聴いてほしいと筋道を立てたいとも思っていないんです。ですから、聴いてくださった方が「こういう意味かな?」と思ってくださればそれでいいので、恋人のデートじゃないと感じたのであれば、それも正解です。もちろん、“さわやかで素敵”とか、“キュンキュンする”とか、“むしろ怖い”というのも正解ですね(笑)。この曲の主人公は「デートみたいだね」と言ってはいますが、デートへのこだわりはあまりないと思うんです。僕は個人的に、付き合っていなくてもデートはできると思っているし、そもそもデートってどこからどこまでなのかというのがファジーな状態だとも思っていて。そういう名前のつかないあいまいさが好きなので、彼に関しては「今日楽しいな」っていう気持ちをデートと言っている感覚ですね。タイトルを発表したときに、「#斉藤壮馬とデートしているなうに使っていいよ」みたいな曲が来ると思っている方と、「斉藤壮馬はそんな直球投げないだろう」と思っている人がいて、そのアンビバレントな感じがいいなと思いました。この曲と僕のパーソナリティはリンクしないんですが、詞も曲を書いて歌っている身としては“そまみ”(壮馬み、壮馬感)を感じてもらえていたらありがたいです。

――歌声的には、とても楽しそうな雰囲気を感じます。
 今回からは好きに歌っていいと言われたので、曲の雰囲気を自分なりにもう一度解釈して歌ったらこうなった、という感じです。セリフに近い遊び心がある歌詞もあるので、そのあたりはキャラクターソングなどで培ってきたり経験したものが反映されて、ちょっと芝居に近い感覚で歌えたなという気はしています。

――デートのMVはどんな雰囲気のものに仕上がっていますか?
 最初に監督が提示してくれたのが「真面目なデート」だったんですね。ですから、打ち合わせをして曲の意図をお伝えし、第二稿を考えていただきました。でも、上がってきた資料を見たら、「テーマ・サイコミュージカル」って書いてあったんですよ(笑)。実際に撮影してみたら、その言葉がしっくりくる、かなりぶっ飛んだ内容になりました。MV自体はものすごくインパクトのあるものになったので、映像作品として観ていただきたいです。でも、あくまでも映像作品であって、僕個人の趣味ではないということは、念頭に置いておいてください(笑)。真剣に見ていただくのは嬉しいんですけど、多分真に受けすぎちゃうとちょっと疲れちゃうと思うので、真剣でありつつラフに見ていただけたらいいなと思います。

――カップリングについても教えてください。まず、「レミニセンス」は先ほどお話にもあったように“文学”と“ロック”が融合した感じがあります。
 この曲は以前に作った「雨」という曲が元になっています。真面目に内省的な雰囲気で、自分が昔バンド活動をしていたときによく作っていた曲の名残が感じられます。この曲は歌詞のワードどおりのことを歌っているので、一番聴きやすいと思います。

――タイトルは、なぜ「レミニセンス」に変更されたのでしょうか?
 じつは、最初はこれが表題曲になる予定だったので、今回はワンワードでわかるものがいいなと思ったんです。それから、創作には中二マインドが必要だと思うので、そういったものも感じられるタイトルをと考えたときに、大学の先輩が「レミニセンス」というタイトルで小説を書いていたなと思い出して、これはエモいんじゃないかなと。この思い出しも「レミニセンス」の現象そのものだし、この曲のなかで歌われている状態を別の言い方で言うと「レミニセンス」になるなと思って、このタイトルにしましたね。

――歌詞を見ると、英文もカタカナ表記なのが印象に残りました。
 スピッツの草野マサムネさんリスペクトなので、なるべくカタカナにしたいんです。それから歌詞の場合、歌として聴いた場合に一番気持ちいいのが理想的だと思っているんですが、視覚情報だけでも楽しんでもらえたほうがいいなと思っていて。それでカタカナにしている部分もあります。

――漢字で表記するかひらがなにするかにもこだわりがあるんですよね。
 あります。たとえば「レミニセンス」なら「あのひと」をひらがなにすると「日と」と「人」の複合的な意味を持たせられるんです。厳密に表記をしていけばしていくほど、情報提供が限定されてしまうので、できるだけいろんな意味を拾ってもらえるようにという思いも込めています。「雨には」と「ハウメニーライズ」でも韻を踏んでいるわけですけど、中二感が出ているかなと思っています(笑)。

――ラストの「はれるや」も?
 そうです。ちょっとストレートすぎるかなと思いましたが、わかりやすいダブルミーニングでもいいのかなと思って。……これ、ひらがなになりますか?(※取材時は「晴れるや」表記) いま、ひらがなのほうがより響きやすいかもしれないなとひらめいたので、ひらがなに変更します。歌い方はちょっとはすっぱな感じというか、あきらめている感じというか、音だけで聴いた場合、棘がある、角ばってる印象になりました。歌詞にはひらがなが多めに入っているので、歌声の角張った感じと、文字の丸みのギャップも楽しんでもらえたらいいかなと思います。

――3曲目の「C」は、さらに変わった曲だという印象です。包容力があるようでいて、怖さも感じられるような。
 前の2曲をわかりやすくしたので、これはもう本当に好きにやりました。この曲は「その光も闇も綺麗なものも醜いものも君も僕も最後にはひとつになる」という曲です。でも、おっしゃるとおり、歌詞はかなりヤバイと思います(笑)。道を歩いていて、前に女の人が歩いていて、普通にその人が帰っているだけなのに、「僕たち迷子になっちゃったねぇ」ってその人に勝手に語りかけているようにも聞こえるんですよね。読み方によっては、完全にホラーものになりますね。

――こちらのレコーディングはいかがでしたか?
 声を張らずに、もともとの自分の声が持つウィスパー成分を使いました。それから、声優としてのスキルを駆使しました。最初の「しーっ」とか、「帰っておいで」ってささやくところとはセリフっぽく読んでいて、声優らしさがふんだんに詰まっていると思います。じつは、この曲は3/4拍子を無視していくような構造になっていて、語りに近いような、歌っているというよりは耳元で語っているような部分も多いんです。ですから、レコーディングでもその雰囲気が消えないようにしました。最終的にはコーラスがたくさん入って、救済のイメージが感じられればいいかなと思って歌った曲でもあります。

――この曲は、歌声が甘くやさしいですよね。それがいっそう、怖さを際立たせる。
 ずっと微笑みを讃えた、慈愛の感じられる声ですよね。僕はこの曲を聴いたときに「斉藤壮馬っぽいな」って思うので、“そまみ”はあるんだろうなと思います。これから聴く方には、「“オラつきすぎたほうの斉藤壮馬”じゃなくて、“やっぱり壺買わせるんだ”っていうほうの斉藤壮馬っぽさが詰まっています」と伝えたいです(笑)。

――タイトルの「C」には何か意味を持たせていますか?
 Cにまつわる言葉ならいくらでも後付けできるなと思っていますが(笑)、Cというのは円環構造ではなくて円が途切れているので、100%完璧ではない。ある意味の不完全さみたいなものがあるという意味も込めています。

――バラエティー豊かな3曲で、何度聴いても飽きない1枚になりましたね。
 ありがとうございます。今回の曲はデータ配信もありますが、CDにはCDだけの仕掛けもありますので、それも楽しんでいただけたらと思います。

――作曲活動に関しては、たとえば使う楽器にこだわりなどはありますか?
 僕自身はギターで作曲をするのでギターサウンドが入ることが多いですが、これを使うとかこれを使わないとかはとくにないです。もともとはビッグバンドというか、大所帯の楽団みたいなものがやりたかったので、先々はアコーディオンとかトロンボーンとかそういう楽器が入っているような、キャラバンみたいなものをやりたいなーなんて思っています。

――次の制作には、そういった希望もだんだんと反映されていきそうですね。
 そうですね。もしいつかアルバムを出せるとしたら、全部自分で作詞作曲をしてもいいけど、面白いクリエイターの方と組んで、自分からは出てこないような作品を作ってみたいです。それから、昔作ってまだ発表していない曲がめちゃくちゃあるので、どこかで披露できたらいいかな。僕自身は、“声優アーティストだからこう”とか、“今までこういう音楽性でやってきたからこれはやらない”とかっていう制限を設けているわけではなく、いろいろなことに挑戦したいんです。自由というのは難しいことですけど、何でもやれるということでもあるので、もっと多くのことを試したい。フォークトロニカのように、タイプライターの音をサンプリングしたり、同業の友達や仲間たちとのコラボレーションもしてみたいです。

 それから、メディアアート界隈のクリエイターさんたちと相互パフォーマンスもしてみたいんです。たとえば、入場したら曲が流れて、次の場所への指示が出たりするような、五感で音楽を触ったりかいだりできるようなこともやりたいです。今回は自分ひとりではなくてチームとしていいものが作れたなと思うんですが、そのチームにVJ(ビデオジョッキー)の方とかデザイナーの方にも入ってもらって、みんなで面白い表現をしていって、“斉藤壮馬がまた変なことをやってるなぁ”みたいに思ってもらえる位置にいられればと思います。

――技術が発達している時代だからこそ、歌う、聴く、作る以外の音楽へのアプローチもできそうですね。
 本当にそうだと思います。声優であり声の芝居が軸だということはぶれないようにしつつ、楽しく無理なく、末永くやれたらと思っています。

<プロフィール>
【さいとう・そうま】4月22日生まれ。山梨県出身。81プロデュース所属。2017年6月にシングル『フィッシュストーリー』でCDデビュー。これまでにシングル2枚をリリースしている。

<ニューシングル「デート」情報>
6月20日発売
SACRA MUSIC
初回生産限定盤:1,728円、通常盤:1,296円
 斉藤壮馬の3枚目となるシングルは、全3曲いずれも自身が作詞・作曲を担当。表題曲の「デート」は、“文学ロック”をテーマにした軽快なサウンドが魅力的だ。初回生産限定盤には、12ページの撮りおろしブックレットを封入。さらに、「デート」のMVを収録したDVDが付く。

初回生産限定盤

通常盤

構成/野下奈生(アイプランニング)



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