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【インタビュー】陰陽座のリーダー・瞬火が『バジリスク ~桜花忍法帖~』OPテーマ「桜花忍法帖」を通して、『忍法帖』愛を語る

2018/1/23


 人気ヘビィメタルバンド・陰陽座の最新シングル「桜花忍法帖」は、TVアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』のOPテーマとなっている。今作の作詞・作曲を手がける瞬火のインタビューが、発売中の『アニメディア2月号』に掲載中だ。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めた、インタビュー全文をご紹介する。

――もともと山田風太郎の原作小説『忍法帖』シリーズのファンだったそうですね。
『忍法帖』シリーズはもちろん、山田風太郎さんの全作品を心の底から愛しています。13年前に『バジリスク ~甲賀忍法帖~』がアニメ化されたときも、作品に対する愛情の深さは誰にも負けない気持ちがあったので、「ぜひテーマソングを任せてほしい!」と自ら名乗りをあげました。

――結果、アニメ『バジリスク ~甲賀忍法帖~』OPテーマ「甲賀忍法帖」という曲が生まれたと。
 その実績を買っていただき、パチスロ機では「愛する者よ、死に候え」などの曲を、そして今回のアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』OPテーマにも起用していただきました。「『バジリスク』シリーズといえば、陰陽座だ!」と、思ってもらえるようになったのは本当に光栄です。

――「桜花忍法帖」は、どのように作られたのですか?
 まず、山田正紀さんの小説『桜花忍法帖 バジリスク新章』が刊行されたときに、すぐに買って読んでいました。そのときはアニメ化もOPテーマの話もありませんでしたが、もしアニメ化されたらこういう曲を作りたいと、勝手に想像しながら読んでいたので、おぼろげながら楽曲のイメージはできていました。実際にOPテーマのタイアップのお話をいただいたときは、すでに準備万端、「待っていました!」という状態だったので、実際に作り始めてからも悩むことなく完成させることができました。

――楽曲を制作される際、心がけたことは?
 まず、『桜花忍法帖 バジリスク新章』は、原作小説からコミカライズ版、そして今回のアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』という過程を経ています。ですから、アニメ主題歌として成立しながら小説やコミカライズ版に触れた方にも納得してもらえる、すべてのメディアに通じた骨子を基本軸にして作りました。

――その骨子とは?
 あまり詳しく話すとネタバレになるので難しいのですが……。『バジリスク ~甲賀忍法帖~』は、宿命づけられたふたつの里の忍者が、本人たちの意志に関係なく戦わされましたが、今作ではその忍者の末裔たちが、ひとつの巨悪に立ち向かいます。彼らは、命という名の花を散らす覚悟で、戦いに挑むわけです。そんな物語になぞらえ、美しく散ることのたとえとして、タイトルにある「桜花」をテーマに楽曲を作りました。ただ、あくまでもたとえなので、実際に散るか散らないかは、アニメをぜひ観てほしいです。

――「甲賀忍法帖」の歌詞は、『バジリスク ~甲賀忍法帖~』のヒロインだった朧の視点で、「愛する者よ、死に候え」の歌詞は、主人公・甲賀弦之介の視点で書かれていました。「桜花忍法帖」では、どのキャラクターに焦点を当てているのでしょうか?
 物語は甲賀八郎と伊賀響という男女がメインになっていますが、今回は女性ボーカルの黒猫をメインに据える前提で、ヒロインの伊賀響の視点を重視しています。歌詞も曲と同様に、原作小説を読みながらイメージを膨らませていたので、ほとんど1日で書き上げることができました。といっても僕は、通常なら1日で3曲は歌詞を書いているので、「桜花忍法帖」は、とてもじっくり取り組んだなと感じています。それだけ自分たちにとって、大切な楽曲ということですね。

――歌詞に、響のセリフで印象的なものを使ったところはありますか?
 名言やセリフはあえて使ってはいません。ただ小説やアニメのシナリオを読んだとき、響のほうが朧よりも芯が強いと感じました。朧は伊賀の里の当主には似つかわしくないほどか弱かったのですが、響は放っておくと勝手に飛び出しそうな勢いがあります。ヒロインとしての可憐さや儚さと同時に、戦いにおける響の強さも表現したいという気持ちで書きました。

――曲中には<桜の宙 あなたに響く>というような言葉も、出てきますね。
 直接的ではない形で、響の存在や心境、作中に登場する「桜花」と呼ばれる現象を織り交ぜています。また歌詞には古い言葉がたくさん並んでいますが、小説でもアニメでも作品に触れた方が聴いたときに、さまざまなシーンを思い浮かべながら、作品といっしょに楽しんでいただける曲になったと思います。

――琴などの和楽器が入っているのも、アニメの雰囲気とマッチしていますね。
 あくまでもバンドサウンドで表現したいのですが、エッセンスとして和楽器を取り入れたくて、「甲賀忍法帖」では笛を、「桜花忍法帖」では琴を取り入れています。「桜花」というタイトルからも、桜を連想する楽器として琴を選びました。

――「愛する者よ、死に候え」では七弦ギターを使っていましたが、今作は楽器や演奏面でどんな工夫をしていますか?
 今回は、ダウンチューニングという変則チューニングの一種を使って、弦をすべて1音半下げて演奏しています。音が全体的に低くなってダークな雰囲気を表現できるので、『バジリスク ~桜花忍法帖~』に登場する怪しく強大な敵の存在や、激しい戦いの様子を表現できました。それに対してメロディーは、明るいコードで高揚感や鮮烈さを表現しているので、楽曲全体としてとてもメリハリの効いたものになりました。

――メロディーはキャッチーで口ずさみやすく、サビを聴いているといっしょに歌いたくなりますね。
 陰陽座のほかの楽曲には、ボーカルの技法を駆使した複雑な曲もありますが、この曲は黒猫の歌の上手さだけでなく声の良さであったり、「この曲いいね」とか「歌詞のこの言葉が滲みるね」というふうに思ってもらえるように心がけて作っています。アニメのOPテーマとして流れたときに、「この歌はすごい!」という以上に、「この物語を観たい!」と思ってもらえるように意識しました。

――細部まで聴いてほしいですね。
 アニメきっかけでCDを買って、じっくり聴き込むんでいただくのもうれしいですし、バンドや楽器をやっている方ならプレイ目線で聴いていただいてもうれしいです。カラオケで歌うためでも、ぜひ。いろんな聴き方をしてほしいです。

――CDのカップリング曲には「甲賀忍法帖」や「愛する者よ、死に候え」、「蛟龍の巫女」といった、『バジリスク』関連のライブバージョン曲も収録されています。
 まさに『バジリスク』三昧の1枚になりました。カップリングの3曲とも、オリジナルスタジオバージョンは過去にリリースされたものですが、「甲賀忍法帖」などは12年以上前の曲です。ライブを重ねるごとにより深く感情を込めて、上手く表現できるようになっているので、最新の未発表ライブ音源でぜひ聴いていただきたいです。

――曲紹介のMCの部分も入っていますが、そこはあえて入れているんですよね?
 無かったほうがよかったですか?

――いえ、ライブ感があってむしろよかったと思います。
 それならよかったです(笑)。曲名を叫んでお客さんがワッと盛り上がるところが、ライブの醍醐味のひとつでもあります。せっかくのライブ音源ですから、よりライブを身近に感じてもらえるようにと、MCから入れました。ライブバージョンの楽曲を聴いて、陰陽座のライブにも興味を持ってもらえたらうれしいです。

――最後に、「桜花忍法帖」のリリースから始まる2018年の抱負を教えてください。
「武道館でライブやるぜ!」みたいなことをいったほうが、記事として喜ばれることはわかっていますが……(笑)。デビュー当時から、派手な目標を掲げず、粛々と一歩ずつ歩みたいと言い続けていますので、2018年もそれは変わりません。とはいえ、次のアルバムに向けた制作には入っているので、そう遠くない時期に新作アルバムをお届けできると思います。楽しみにしていてください。

◆プロフィール
陰陽座【おんみょうざ】 1999年に結成、2001年にシングル「月に叢雲花に風」でメジャーデビュー。メンバーは黒猫(ボーカル)、瞬火(ベース)、招鬼(ギター)、狩姦(ギター)で、ほとんどの曲の作詞・作曲を瞬火が手掛けている。妖怪とヘビィメタルを融合した独自の音楽性で人気を獲得し、これまでにTVアニメ『バジリスク ~甲賀忍法帖~』OPテーマ「甲賀忍法帖」や、ニンテンドーDSソフト『犬神家の一族』OPテーマ「相剋」などを手がけている。

<ニューシングル「桜花忍法帖」情報>
発売中
1,404
キングレコード
表題曲はアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』OPテーマで、琴の音色がポイントになった重く激しいサウンドと、それとは対照的に爽快で包み込むような温かさを持ったボーカルが、ひとつの曲として見事に融合している。カップリングには「甲賀忍法帖」や「愛する者よ、死に候え」「蛟龍の巫女」といった、『バジリスク』関連の楽曲をライブバージョンで収録している。

取材・文/榑林史章



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