TVアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』のEDテーマ「桜色ダイアリー」を歌う妄想キャリブレーション。作品についての思いを語ったインタビューが、発売中の「アニメディア7月号」で掲載されているが、その記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。
ーー「桜色ダイアリー」は、『冴えない彼女の育てかた♭』（以下、冴えカノ）のＥＤで話題ですね。
星野 第１期をリアルタイムで見ていて、いちファンとして第２期もすごく楽しみにしていたので、作品のＥＤテーマを歌うと決まったときは本当にうれしかったです！
胡桃沢 オタクっぽい私たちだからこそ、きっと歌えるものがあると思って、頑張って作詞を沢井美空さんと共作させていただきました。でも実際にテレビで流れるまでは、どんな反応がくるかドキドキでした。
桜野 私たちはアイドルで、アニソンのグループではないし、前回の「激ヤバ∞ボッカーン！！」は『タイムボカン24』のＥＤだったので、深夜帯アニメのテーマソングは初めてなので、みなさんがどういう反応を示すのか不安で。でもホッとしました。安心したって言うか。
水城 アニメファンの方に、認めてもらえたことが、すごくうれしかったですね。
雨宮 情報が解禁になったとき、『クズの本懐』のＣＭで、『冴えカノ♭』のＥＤを妄想キャリブレーションが担当するというのが流れて。そのときネットでは「妄キャリが『冴えカノ』？」「合うのかな？」みたいな感じでザワついたんです。でもオンエアが始まったら、アニメファンの方も「ＥＤが良い」とたくさん言ってくれて。それがすごく嬉しかったです。妄キャリのことを知ってくれている人の多さにも、すごく驚きました。
ーー「激ヤバ∞ボッカーン！！」はドラムンベースのサウンドでしたが、今回は爽やかな楽曲。ピアノの音色が曲の印象を決めている感じですが、あのピアノは雨宮さんが演奏しているそうですね。
雨宮 そうです。「激ヤバ～」カップリング曲の「back stage」を作曲をさせていただいたのに引き続き、今回もこういう形で、ピアノを生かした楽曲制作に携われたのは、本当に光栄でした。１話のＥＤで流れたときは、イントロのピアノを聴いただけで感動して泣いちゃいそうでした。でもレコーディングのときは、手の震えがものすごくて。もはや痙攣でしたけどね(笑)。
ーー作詞は、第１期のＥＤテーマ「カラフル。」を歌った沢井美空さんとみなさんの共作ですね。
胡桃沢 はい。沢井さんと会議室でお会いして、『冴えカノ』の印象や好きなシーンなどをお話しながら、曲の方向性やコンセプトなど枠組みを決めて。その上で、メンバーで出し合った言葉を、沢井さんが歌詞にまとめてくださって。オタクっぽい言葉は、だいたい私たちが出していますね。
桜野 「カラフル。」は、主人公達が出会って人生が色づいていくイメージを書いたそうです。今回は、主人公たちの変化や色づいていく様子を「成長」と捉え、「成長」をテーマにして書いていきました。
ーー歌詞の最初には、物語に出てくる坂道のことも書かれていて。出会いのシーンから成長して行くストーリーが歌詞にも表れていますね。
胡桃沢 本当にかわいい曲です。沢井さんの女の子らしい言葉と、私たちのオタク的な要素が、良い化学反応を起こしたと思います。
桜野 これは沢井さんから聞いたんですけど、沢井さんは、泣いた後に楽曲のアイデアが降ってくるらしくて。「桜色ダイアリー」を作っているときは、２回大泣きしたと言っていました。沢井さんの２回の涙で出来た曲です！
星野 貴重だよね。
ーーまたＤメロは、情感たっぷりに歌っています。
水城 そこは、一人一人順番に歌っています。感情が高まるところなので、すごく気持ちを込めて歌いました。ぜひＣＤで聴いてほしいです。
ーーそしてＭＶは、『冴えカノ♭』のオマージュ。
雨宮 恋愛シュミレーションゲームみたいな感じの作りになっていて、衣装も私服っぽいスタイリングなので、本当のデート気分が味わえます。
桜野 物語の聖地でも撮影しました。主人公の倫也くんがクラスメイトの加藤恵ちゃんとはじめて出会った坂道も出てきます。
星野 バイノーラルマイクで録ったので、絶対にイヤホンやヘッドフォンで聴いてくださいね。耳元で囁かれる感じに聴こえるので。でも録ったときは、めっちゃ恥ずかしかったです。
ーーでは、『冴えカノ♭』に掛けて、みなさんならどんなヒロインになりたい？
水城 私は、シンデレラストーリーの主人公がいいです。灰だらけの娘から這い上がって、どんどんキレイになって。お金持ちになって、有名になって、みんなが憧れる存在になって。映画『プリティウーマン』みたいな感じがいいですね。
星野 私は、魔法学校の生徒。アニメで言うと『リトルウィッチアカデミア』のアッコみたいなイメージ。ほうきには乗れなくても、全力で何事にもぶつかって、人を幸せにさせる人に私はなる！
桜野 私は、『ソードアート・オンライン』シリーズのアスナが大好きなので、大切な人を守るために戦いたいです。戦う女の子って、守られているだけの女の子よりも魅力的だなって思うので。
雨宮 逆に私は、守られるだけの女の子がいい。
星野 『CLANNAD』みたいな？
桜野 出た『Key』作品！
雨宮 白いワンピースがめっちゃ似合って華奢で。
胡桃沢 それ『AIR』じゃん。
雨宮 病弱で髪質がやわらかくて、肌が青白くて。
胡桃沢 「鳥の詩」を流してくれ～(笑)！ じゃあ私は、エンジェル冴島！
ーー誰ですか？
胡桃沢 矢沢あいさんの『天使なんかじゃない』という作品のヒロイン＝冴島翆ちゃんです！ 学園もので、生徒会に入るお話なんですけど、切ない恋愛があったり、青春があったり、進路で葛藤したり。身近な存在感がありながら、キラキラとしていて元気もくれる。そんなエンジェル冴島に私は憧れます。
雨宮 良いよね～～～！
◆プロフィール
【もうそうキャリブレーション】胡桃沢まひる、桜野羽咲、星野にぁ、雨宮伊織、水城夢子の5人組。2013年にでんぱ組.incのメンバーの妹分として結成し、2016年にシングル「ちちんぷいぷい♪」でメジャーデビュー。前作「激ヤバ∞ボッカーン！！」は、アニメ『タイムボカン24』EDテーマとしてヒット。現在47都道府県ツアーを開催中。
◆インフォメーション
シングル「桜色ダイアリー」
発売中
表題曲は、雨宮伊織が奏でる美しいピアノが印象的で、爽やかな楽曲。『冴えカノ♭』の世界観ともリンクした歌詞が秀逸。カップリングには沢井美空が作曲し、歌詞を共作した「青春プロローグ」の他、でんぱ組.incのメンバーとのコラボ曲「PINKY☆STAR」と「スバラシキセカイ」を収録している。
