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早見沙織、アーティストデビュー5周年を飾るミニアルバム「シスターシティーズ」は5人の作家陣と作り上げた一枚に【インタビュー】

2020/3/24


 声優の早見沙織が2020年3月25日(水)に、自身2枚目となるミニアルバム「シスターシティーズ」をリリース。本作は、「これまでにやっていないことにチャレンジしてみよう」というコンセプトを元に、5人の作家陣と作り上げた一枚だ。そんな本楽曲の魅力について答えてくれているインタビューが、発売中の「アニメディア4月号」に掲載。「超!アニメディア」では、誌面には掲載しきれなかった内容を含めた長文版のインタビューを紹介する。

早見沙織

――今年はアーティスト活動5周年ですね。

 あっという間でしたが、すごく濃密だった感じでしたね。特にここ1、2年は一瞬で過ぎたような気がします。

――ミニアルバム『シスターシティーズ』は5曲入り。これは、5周年にちなんで……?

 ではなくて、本当に偶然でした。たまたま、5周年ということで、これまでにやっていないことにチャレンジしてみようとなったんですね。ソロ活動でどんなコラボを生み出すことができるだろうかというお話をしていたときに、ミニアルバムが決まって。すごく素敵な機会になりました。

――5曲とも楽曲提供者が異なります。

 スタッフの皆さんと私とで、どんな方にお願いしたらいいか、ジャンルやこれまでご一緒したことがあるかは問わず、アイデアを出し合って考えていきました。NARASAKIさんと横山克さんはお仕事でご一緒したことがありましたが、堀込泰行さん、Kenichiro Nishiharaさん、田淵智也さんは今回が初めてでした。

――曲をお願いする際に、テーマなどは伝えたのでしょうか?

 裏テーマ的に「旅と自由」と考えていたのですが、こういう曲にしてほしいとオーダーしたりはしませんでした。その方の持つ感性と私が合わさったときにどうなるかを大切にしたかったんです。ただ、皆さんがどういう人間とコラボをするのかはわかったほうがいいだろうということで、直接打ち合わせをさせていただいた方もいます。そのときは、曲について詰めていくというよりは、お互いに好きなものを話し合って、その話題で盛り上がりましたし、そこで出た話が楽曲を制作する際のテーマにもなったりした方もいましたね。

――ミニアルバムの全体像としては、どんな作品にしたいと考えていましたか?

ひと言でいうのは難しいのですが、できあがったカラフルな曲に、「旅と自由」というテーマの軸を通すみたいな感じですね。曲がお団子で、テーマが串みたいなイメージです。

――それぞれの曲についても聞かせてください。まずは「yoso」。

 Nishiharaさんは今回が初めましてなのですが、お声がけをしたのは、私がプロデューサーさんやディレクターさんに渡した「私の2019年上半期にハマりましたプレイリスト」がきっかけなんです。そのプレイリストにNishiharaさんの曲も入っていて、「この方にお声がけしてはどうですか」と提案いただきました。まったく違うフィールドで活躍されている方なので、お声がけをしていいのか迷ったんですが、このミニアルバムだからこそできることもあると言っていただき、勇気を出してお声がけしました。私がNishiharaさんの曲を聴かせていただいていますとお伝えしてあったので、それをベースに作ってくださったような、ご自身のテイストがギュッと詰め込まれた曲という印象です。

――Nishiharaさんはコメントでも「自分のシングルになるような曲を目指した」とおっしゃっていますね。

 そうなんです。いただいた曲が男性ボーカルだったので、試行錯誤をしながらのレコーディングでしたし歌詞を書くときも違うアプローチをしなければいけなかったので、ものすごい回数、音源を聴きました。寝る前に聴いていて、そのまま寝落ちして、朝起きたときも耳元でなっている……みたいな(笑)。

――歌詞には独特の物寂しさがある気がします。

 旅をしたり自由を手に入れたりすることは楽しさもある一方、独特な切なさもあるだろうなと思って書いたんです。旅をしたときって、楽しいし真新しいものもあってワクワクするけれど、まだこの場所になじめていないんじゃないかなと思う、余所者感を覚えることってありますよね。その、物寂しさは入れたいなと思いました。ただ、それだけではなくて、それでもいいから、この旅を楽しもうという気持ちも込めた、前向きな煌めきもあるナンバーです。

――2曲目の「mist」はタイトル通り、どこか水っぽい、霞っぽい曲です。

 横山さんとは直接お話をさせていただいて、「ふわっとした印象の曲がいいよね」という話になりました。霞がかっていて、原色ではない、水彩っぽいイメージ。太陽じゃなくて月、火じゃなくて水みたいな、抽象的な話をしていた記憶があります。そんなイメージを共有したあと、旅の話になったんです。これまで訪れたところでどこが一番よかったかとか、私にはどこがオススメとか……。そのとき、お話をしていただけなのに、本当に旅をしているような気持ちになって、自分が意識をそこに向けたり、想像を働かせたりすることって無限の可能性があるなと感じたんです。意識はいろんなところに広がっていけると考えたときに、それって霧のようだなと思って。形はないけれど、どこまででもいけるというのが霧っぽいなぁと思いこのタイトルを決めて作りました。

――歌詞の中に「アナグラム」が出てきます。歌詞中では「無意味」と言っていますが……。

 一応意味はあります。歌詞の1番で先ほどお話しした意識さえすればどこにでも旅ができるということを書いたんですが、2番では、いいものも悪いものも、全部自分の意識の中でのことなんじゃないか、という哲学的なことを書いたんですね。四角いとか丸いとかは、誰かが名前をつけているからそうなのであって、幸せも不幸も結局自分次第なんじゃないか。そうなると、壁に書かれた意味がない落書きだって、見方を変えたら意味がある言葉になるのでは、と思って。並び替えてみたい、意味があるなら知ってみたいと思えるくらいに歌詞を読んでいただけたら、とてもありがたいです。

――この曲は、歌の響きが独特ですね。

 横山さんが若干声を加工してくださっているようなんです。それから、横山さんが旅先で録音している自然音や足踏みの音なども加工して入れてあるらしく、すごく遊び心のある不思議な響きになりました。

――3曲目の「ザラメ」は、タイトルからしてもざらついた、でこぼこしたような印象です。

 NARASAKIさんが「広い荒野に一本道があって、遠くに夕日か朝日かが浮かんでいる。そこに向かって車が1台だけ走っているようなイメージの曲にしたい」とお話をしてくださって。歌詞もそこから想起しました。

――「ザラメ」というと砂糖をイメージします。

 NARASAKIさんのお話から、どこか光に向かってのんびり移動しているようなイメージが浮かんだんです。そこはコンクリートで舗装されていない、砂利のような道。砂利から粒が大きくざらっとした「ザラメ」を連想したんですが、砂糖ですからほんのりとした甘さもある。その甘さが、荒っぽい道の先にあるちょっといい感じの未来につながるようなイメージで、それを歌詞にしていきました。

――歌とギターは同時にレコーディングしたそうですね。

 プリプロのときにNARASAKIさんがギターを持っていらして、まず一緒のブースで録ってみたいんです。そうしたらすごくいいテイクが録れて。一瞬のセッション感、ライブ感がこの曲にピッタリだねということで、この感覚を活かしながら、一気に本番まで録りきってしまいました。たまたまレコーディングブースの照明がダイヤルで変えられるもので、ちょっと薄暗くしてやってみたら、無意識にそれも影響していたようです。

――「遊泳」を作った堀込泰行さんにも、Nishiharaさんと同じように「2019年上半期にハマりましたプレイリスト」が渡っていたようですね。

 堀込さんとは今回が初めましてでしたが、「お願いするだけしてみましょう」とお願いしてみたら奇跡的に叶いました。プレイリストについては、気がついたら音楽ディレクターさんから「堀込さんにもお渡ししちゃいましたと言われまして(笑)。私としては、誰かに公開するとか、憧れの方に届けるつもりで選んでいたわけではなかったのですが、結果的に堀込さんはそれを聞いて私の人となりをイメージしてくださったみたいで、「早見さんが歌うことを想像しながら作りました」というメッセージをいただきました。

――憧れの方からのメッセージとしては相当うれしいものでは?

 ものすごくニヤニヤしました(笑)。実際に曲を聴かせていただいたときも、堀込さんの曲を聴いていらっしゃる方ならニヤリとするようなメロディーラインで、遊び心も詰まっていて、曲を聴いただけで心拍数が上がりました。

――そんな憧れの方の曲に歌詞をつけるとなると……。

 もうファーストインプレッションが命でした。曲自体は穏やかなようでいて、危険な感じもする。やさしいけれど、毒っぽさもある……と裏腹な感じがしたので、そのヒリヒリ感を出したくて。ただ、レコーディングではあまり考えすぎず、堀込さんの曲の持つオーラに乗るように、流れに任せて歌いました。

――実際、レコーディングも終わって聴いてみた感想は?

 ……実はドキドキしちゃってあんまり聴けないんです(笑)。確認しなければならないこともあるからもちろん聴くんですが、なんだか落ち着かないんですよね。

――最後は、田淵智也さんの「PLACE」。

 この曲はとにかくハッピーで楽しいです。田淵さんは、直接お会いしたことはありませんでしたが、さまざまなアニメの曲に携わっているということは存じ上げていました。コーラスもたくさん入っていますし、ミュージカルっぽさもある。プラスのオーラにあふれた曲です。2番になると面白い仕掛けもあるので、そこは田淵さんっぽいなと思いました。

――ミニアルバムタイトルの「シスターシティーズ」は、旅というテーマから考えたのですか?

 そうですね。いろいろな方と一緒にいろいろな曲を作らせていただくので、「交流」を言葉にしたくて。いろいろな土地に私が赴いて、文化を通わせているイメージで「姉妹都市」を意味する「シスターシティーズ」に決めました。

――ジャケットはイラストなんですね。

 ITSUMOさんは、個人的に以前から好きで、よくチェックしていたイラストレーターさんなんです。1枚で物語性を感じさせる絵を描かれる方で、タッチもとても優しいので、ぜひ一緒にやっていただけませんかとお声がけをしました。実際上がってきたイラストを見て、「似てる!」と思いました。

――あえてイラストにしたかった理由はあるのでしょうか?

 いろいろな方と一緒に作らせていただいているミニアルバムなので、ジャケットも誰かとご一緒したいなと思って。イラストをジャケットにする案は数年前から出ていたので、ちょうど今回タイミングもいいなとお願いできることになりました。歌詞カードもとても素敵なので、ぜひ手に取ってみていただきたいです。

――5曲とはいえ、すごく濃密なミニアルバムになったイメージですね。

 はい。自分の想像や感性の引き出しをたくさん開けてくれましたし、今までになかった引き出しまで作ってくれたような気がしています。

――これだけ曲調がいろいろだと、歌い方について何か意識することはありましたか?

 ここ1、2年は自分を振り返ってみたり、外の景色を見て内面を掘り下げることも多かったんですね。それが自然と詞、曲、そして歌声にも出てきているなと思っています。

――5月からはライブツアーも決まりました。

 今回、これまでで一番多くの場所に旅をします。初めて行くところもたくさんあって、今度はあなたのお近くの都市にうかがいますという意味で、ツアータイトルを“Your Cities”とつけさせていただきました。それぞれの会場でどんなライブが生まれるかを楽しみにしていただければと思います。

――最後に読者へメッセージを。

 5周年で出させていただくミニアルバムということで、いろいろなチャレンジをした1枚になりました。音楽活動をすること、声のお仕事をすることが相互で作用し合い、ベストのタイミングでこのミニアルバムを作れたなと思っています。5周年の私を新しい形で切り抜いた1枚になりましたので、ぜひ触れていただけたらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

「シスターシティーズ」概要
早見沙織の2枚目となるミニアルバム。Kenichiro Nishihara、田淵智也、NARASAKI、堀込泰行、横山 克の5人がそれぞれ手がけた5曲を収録。旅と自由をテーマに、早見らしいウェット感のある楽曲を披露していく。初回生産分には、5月29日から7月25日にかけて行われる『HAYAMI SAORI 5th Anniversary Tour“Your Cities”』のチケット先行購入抽選申込券を封入。
価格:2,273円(税別)

PROFILE
早見沙織【はやみ・さおり】5月29日生まれ。東京都出身。アイムエンタープライズ所属。2015年にシングル「やさしい希望」でアーティストデビュー。これまでにシングル5枚、ミニアルバム1枚、アルバム2枚をリリース。声優としての主な出演作は、『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』カスミ役、『ソマリと森の神様』ウゾイ役など。



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