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「6つ子という“兄弟”としての強固なつながりが、より際立ったような気がします」櫻井孝宏が語る『えいがのおそ松さん』の魅力【インタビュー】

2019/3/7


 3月15日(金)より公開される劇場アニメ『えいがのおそ松さん』。本作では、おそ松たち6つ子が、不思議な世界へと迷い込む。そこで出会ったのは18歳の自分たち。現在の6つ子たちにとって「黒歴史」となった過去の自分と向き合うことになった自分探しの冒険が描かれている。「アニメディア3月号」では、長男・おそ松役を演じる櫻井孝宏に今作やキャラクターについてインタビュー。「超アニメディア」では、アニメディア3月号では紹介しきれなかったロング版を紹介する。


6つ子の人間味の厚さを感じる映画です!

――『えいがのおそ松さん』の感想をお聞かせください。

 感動的とか衝撃的とかじゃなくて、“いい感じ”になっていました。今までのTVシリーズで作り上げてきた『おそ松さん』らしさを組み込みつつ、ちょっとファンタスティックなストーリーで6つ子にクローズアップして、彼らの心の機微や成長の過程が見られるドラマになっています。内面を深掘りした今回の映画は、僕ら出演者側的にも考えていなかった部分がいろいろ埋まるような感じで、そういうところも面白かったです。高校時代の6つ子が登場しますが、多感だったころの自分に出会うというタイムパラドックス的で映画チックな展開が僕は好きですね。

――『おそ松さん』シリーズでは初めての長尺でのアフレコはいかがでしたか?

 大変でした。過去と現在のキャラクターがいるから、単純に「これ作業量が倍じゃない?」って。収録は3回に分けて録ったんですけど、毎回終わるころにはみんな全力を出しきっていて、ボーッとしていましたね(笑)。6つ子が18歳の彼らと邂逅する辺りは刺激的ではあったんですけど、同じシーンを現在と18歳の2回に分けて録らなきゃいけないし、なおかつドラマ的に押さえなきゃいけないポイントもあり結構こだわって録っていたので、それなりに時間がかりました。我々の収録だけでなく、藤田(陽一)監督を中心にみんなでディスカッションする時間も設けていましたから。でも、僕もそのくらい時間をかけた方がいいと思っていたし、あまり急いで進めても後悔が残ってしまうので、そういう意味ではやりきりましたね。

――収録を通して印象に残っているキャラクターはいますか?

 みんな等しく頑張っていましたけれど、インパクトが強かったのはチョロ松です。18歳のチョロ松はズルい。キャッチーでしたね。何度観ても面白い。こんなヤツだったんだっていうバカバカしさと子どもっぽさがありつつ、彼なりの葛藤がいろいろ見えてくるところがよかったです。18歳のカラ松や一松も意外なキャラクターづけをされていて、今とのギャップがあって面白かったですね。それを言うと十四松とトド松もそうなんですけど……おそ松だけは今と変わらない感じだったのでラクでした(笑)。

――今回は高校時代の6つ子が描かれますが、彼らについてはどんなことを感じましたか?

 同窓会のシーンを見ていると、6つ子たちは結構うまいことやっているんですよね。同級生たちに「久しぶり〜」とか言って。そのうち、ほころびが生じて崩れてきますけど(笑)。TVシリーズでは彼らの過去を想像していなかったんですよ。うまくいっていたように思えなかったですし、そもそも今の彼らは「うまくいっていなかった延長線上」に立っているんですから。むしろ今回も「同窓会に行くんだ!?」と思ったくらいで。でも、幼いころは同じ顔で同じような性格だった6つ子が、いつしか下手くそな自分探しを始めて、そのもがいているような姿には10代らしい若さを感じるし、彼らなりに一生懸命だったんだろうなと。「なんで俺たち6つ子なんだろう」みたいな解けない疑問を持っちゃったりして。だから、みんな今とつながらないキャラクターになっているんですよね。そこにギャップがあるというか、18歳の彼らは僕の想像にはないキャラクターでした。

――そうしたなかで、おそ松に“長男らしさ”を感じたところはありましたか?

 なんでも一番乗りしているところですかね。18歳の時点で、現在のニートとほぼ変わらない彼になっているんですよ。だから、自分のズボラで怠惰な性格に気づいたのが、彼はけっこう早かったのかなと。もう路線を決めたらグンッと突き進んでしまう。そういうところが長男らしいのかなと思いました。あと、要所で長男らしい眼差しや、長男っぽさがうかがえるセリフも少なからずありました。長男として、脚本上で花を持たせてくれたのかもしれません。

――唯一18歳のころと変わらない姿を見せるおそ松は、逆に兄弟たちの変わりようを見てきたわけですよね。

 子どものころは仲よしこよしでやってきたであろう6つ子の関係が、高校時代にはあまり会話がなくなるなどして、ぐちゃぐちゃになるわけですからね。おそ松は「変わらない自分が正しい」とはけっして思っていないでしょうけど、やっぱり6つ子だから、もがいている弟たちの気持ちはわかるんですよ。いつも等距離だった6人が、何かを変えたいんだけどどうしたらいいのかわからないし、同時に変わることの怖さもある。6つ子っていう呪縛もあるから、抜け駆けみたいなこともできない。いろんな気持ちがないまぜになって「その結果こうなった」というのが、今回描かれている18歳の6つ子なのかなと。「同じ」って言われたくないから、お互いにかぶらないように別々の道を選ぼうとしている。そこに兄として、何かを感じるところはあったと思います。

――悩める時期にも変わらなかったおそ松は、逆にすごいヤツなのでは?

 どうなんでしょう? これが「もっと頑張ろうぜ!」みたいなポジティブな人だったら褒められるんですけどね。彼にしてみれば「なんでそんなときだけ?」っていうタイミングで急に兄貴扱いされることに対しての猛烈なストレスと違和感があって、結果的にそういう期待を突っぱねてしまう。ほとんど同時に生まれたのに、そこだけ兄貴ヅラさせんなよ……みたいな思いがあるから、ほかの連中みたいに悩む以前に「わっかんねぇよ」ってなっちゃったんでしょうね。弟たちからすれば、兄貴に見捨てられたような気持ちになったかもしれないし、本当のところはわかりません。

――18歳と現在のおそ松が会話するシーンの収録で意識されていたことはありますか?

 やっぱり現在のおそ松のほうにアドバンテージがあるので、過去の自分に対して強く出られるし、経験値も違いますよね。18歳のおそ松には戸惑いがありますし、ワケわかんない事態ですし。このあたりは演技差である程度のバランスがとれますが、18歳のほうを意識的に幼く、ウブな作りにはしたいなと思いました。でも、いざやってみるとそんなに差がなくて、本当に少しの違いだけだったので、ほとんど自己満足のレベルでしたね。

 逆にほかの5人は今と違いすぎてすごく面白いです。今の彼らが過去の自分たちを見て「キッツイな〜引くわ〜」ってなってしまう気持ちはよくわかるなと。そういう意味では、6つ子の“人間感”が強まりましたね。これまでは「長男」「次男」と記号的に捉えられている部分もあったけど、この映画ではおそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松というそれぞれの人間味の厚さが強く出たと思います。個々が豊かになった結果、6つ子という“兄弟”としての強固なつながりが、より際立ったような気がします。

――では、公開を待ちわびる『おそ松さん』ファンへのメッセージをお願いします。

 『えいがのおそ松さん』が何を期待されているのかわからないんですけど、きっと「面白いものが観られるんだろう」みたいな感覚で劇場に来る人が多いと思うんです。そういう人たちの期待はまったく裏切らないですし、むしろ感動的な作品になっています。それは元々の『おそ松くん』から脈々と積み上げられてきた作品のパワーと、藤田監督と松原(秀)さんの脚本があってこそなので、今までの『おそ松』テイストを損なわず“映画”になっているところを楽しんでもらいたいですね。ひょんなことで変わっちゃう兄弟のつながりとか、いろんなことをドラマチックに描いているビターなところもあるので、その辺も味わっていただけたらなと思います。

取材・文/株田馨

PROFILE
【さくらい・たかひろ】6月13日生まれ。愛知県出身。インテンション所属。主な出演作は、主な出演作品は『コードギアス 反逆のルルーシュ』(枢木スザク)、『ダイヤのA』(御幸一也)、『モブサイコ100』(霊幻新隆)、『からくりサーカス』阿紫花英良など。

劇場版『えいがのおそ松さん』 
315日(金)より全国ロードショー 
配給:松竹

劇場版『えいがのおそ松さん』 公式サイト
https://osomatsusan-movie.com  

劇場版『えいがのおそ松さん』 公式Twitter
@osomatsu_movie 

©赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019

 



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