手塚るみ子「父の作品に重なった」と絶賛のパペットアニメーション『ちえりとチェリー』トークイベント開催 | 超!アニメディア

手塚るみ子「父の作品に重なった」と絶賛のパペットアニメーション『ちえりとチェリー』トークイベント開催

高森奈津美・星野源をはじめ豪華キャストでおくる、心温まる日本初の長編オリジナルパペットアニメーション『ちえりとチェリー』が、口コミで話題を呼び、2月15日(金)より全国のイオンシネマにて全国ロードショーとなる。公開を記 …

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 高森奈津美・星野源をはじめ豪華キャストでおくる、心温まる日本初の長編オリジナルパペットアニメーションちえりとチェリーが、口コミで話題を呼び、2月15日(金)より全国のイオンシネマにて全国ロードショーとなる。公開を記念して、1月31日に東京・伝承ホールにて、中村誠監督と、スペシャルゲストとして手塚治虫の長女でプランニングプロデューサーの手塚るみ子、映像研究家の叶精二を招いた公開記念イベントが開催された。

 手塚るみ子と中村監督は、ツイッターでのメッセージのやり取りがきっかけで知り合った。「自分にとって手塚治虫さんは仰ぎ見るような存在で、まさにその神の子であるるみ子さんにはどうしても観てほしいと思い、ダイレクトメッセージで観ませんかって」と中村監督がエピソードを語る。

 手塚は「みなさん、ハンカチを用意しておいた方がいいと思います。試写会で初めて観たときに涙がいっぱい出てきてしまって、止めようとしたんですけど、ぜんぜん止まらず涙が溢れてきてしまって」と語る。「私の中ではこの作品には父である手塚治虫の作品が重なるところがたくさんあったんです。初めて観る作品なのに、まるで懐かしい父の作品に触れているような思いが溢れてきて、また私自身もすごく慕っていた父親を亡くしたことで寂しい想いもありながら、自分の道を進んで来なくてはいけなかったというのも、寂しさや、辛い想いを引きずりながら、ここまでどうやって歩いてきたんだろうという自分自身の想いなど、いろいろな複雑な想いが重なって涙が止まらなかったです」と本作への強い想いを語った。

 これを受け中村監督は「手塚先生が作ったような匂いを感じていただけたなら、これに勝る嬉しい言葉はないです。勝手にですけど、私は自分を手塚先生の孫弟子くらいに思っていて。『あしたのジョー』や『ブラック・ジャック』、『エースをねらえ!』などを作られた虫プロダクション出身の出崎統監督と晩年ずっと一緒にやらせていただいていて、物語をどう語るかとか、どう登場人物たちと向き合うのかというのをすごく教えていただいた。そういう意味で勝手に孫弟子くらいだなと」と打ち明け、「この映画は大切なものを失ったらその魂はどうなるんだろうか、残された者はどうやって生きていかなきゃいけないだろうかということをテーマの一つとして描いています。小さな子供が観ても大人が観ても楽しめるよう、いろんな角度から作ったつもりなので是非楽しんでいただきたい」と語った。

 中村監督は「ちえりに関しては観始めて少ししたら人形であることを忘れてほしいなという気持ちがあって。観終わって『あっ、そういえば人形だったな』と思ってもらえるような作品が作りたくて、できるだけ空間を広く、リアルに作ろうとおもって作りました」と語る。

 手塚は「手塚が一番最初に自分でアニメーションを作った『ある街角の物語』という作品は、戦争体験で目の前で理不尽に多くの人が亡くなってしまう、自分は命からがら生きながらえている、けれど命を落とした人もいる、そいういった戦争の悲惨さを伝えたくて作ったアニメーションなんです。最後に小さな女の子が戦争をなんとか生き延びて、気に入っていたボロボロのぬいぐるみを拾って、ボロボロの街を歩いていくというラストシーンなんですけれど、その最後にすごく小さな希望があるということを観ている方に伝えたくて作ったものだと聞いています。この作品にすごく近いものが『ちえりとチェリー』にはある気がして。この平成という時代に自分の身内も含めてたくさんの方の死を突きつけられた時代の中で、生きていて残された人間としてこれからどう未来を、希望を持って生きていこうかとバトンを渡してくれるような、そんな作品だと思いました」と感想を述べた。

 最後に中村監督から観客に向けて「いろいろ細部にこだわって作ったので、見逃さないで細かいところまで観ていただけると嬉しいです」とメッセージが送られ、観客からは大きな拍手が送られ大盛況のうちにイベントは幕を下ろした。

〈『ちえりとチェリー』情報〉
2019年2月15日(金)より全国のイオンシネマにてロードショー

STORY 
誰もがみんな、いのちの火を持っているー
 ちえりは小学6年生の女の子。幼い頃に父を亡くし、母親と二人暮らし。そんなちえりの唯一の友人は、蔵で見つけたボロボロのぬいぐるみ“チェリー”で、ふたりはいつも一緒にいた。ある日、久しぶりに祖母の家を訪れる。そこでちえりを待ち受けていた事とは・・・。空想と現実の狭間で、不思議な冒険が始まる!

キャスト(声の出演):高森奈津美、星野源、尾野真千子、栗田貫一、田中敦子、伊達みきお(サンドウィッチマン)、富澤たけし(サンドウィッチマン)ほか
原作・監督:中村誠
脚本:島田満、中村誠 
キャラクターデザイン:レオニード・シュワルツマン、伊部由起子 
音楽:大谷幸 
主題歌:Salyu「青空」(TOY’S FACTORY) 
エグゼクティブ・プロデューサー:及川武、芝修一、高木勝裕、依田巽 
プロデューサー:小野昌司、岩崎卓、東伊里弥、百武弘二 
アソシエイトプロデューサー:安藤千洋 
製作:「ちえりとチェリー」製作委員会(フロンティアワークス、東映アニメーション、ギャガ) 
配給:フロンティアワークス 
配給協力:イオンエンターテイメント 
上映時間:54分

Ⓒ「ちえりとチェリー」製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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