大きくて明確な、新しい目標を得たツアー千秋楽! “i☆Ris 5th Anniversary Tour 2019 ~FEVER~”東京公演【レポート】 | 超!アニメディア

大きくて明確な、新しい目標を得たツアー千秋楽! “i☆Ris 5th Anniversary Tour 2019 ~FEVER~”東京公演【レポート】

“i☆Ris 5th Anniversary Tour 2019 ~FEVER~”の東京公演が6月1日、中野サンプラザにて開催。声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Risの5度目の全国ツアーは、6人全 …

ニュース
注目記事
i☆Ris集合カット_Rre
  • i☆Ris集合カット_Rre
  • 大きくて明確な、新しい目標を得たツアー千秋楽! “i☆Ris 5th Anniversary Tour 2019 ~FEVER~”東京公演【レポート】

“i☆Ris 5th Anniversary Tour 2019 ~FEVER~”の東京公演が6月1日、中野サンプラザにて開催。声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Risの5度目の全国ツアーは、6人全員が制作段階から携わた初のツアー。ロゴから演出までショーのような作りで統一したステージとなった。また、今回レポートする東京公演・夜の部では1stツアーのファイナル以来のニコニコ生放送での中継も実施。会場に詰めかけた2000人のファンに加え、のべ4万人以上もの視聴者が自ら作ったツアーの集大成を見届けた。


ありえんほどの怒涛の連続披露は、まさに“FEVER”!

 そんな“最高の瞬間”は、このツアーのテーマ曲として生み出された「ありえんほどフィーバー」からスタート。サビの「フィーバー」の部分の振付は、サタデーナイト開催のこの日のライブにドンピシャ。落ちサビではそれぞれがイメージカラーのスポットライトに照らされ、ラストに若井友希が、続いて久保田未夢が気持ちよさそうにラストのフェイクを歌ってFEVERなステージの幕開けを見事に飾ると、続くライブ定番曲「Happy New World☆」のイントロで、若井が「千秋楽、楽しんでこーねー!」とシャウトすると、ホールのボルテージは急上昇。山北早紀も1サビのフォーメーションチェンジ時をはじめ、余裕とキレを両立させたパフォーマンスを見せていく。さらに、爆上げ曲「DIVE TO LIVE」での歌詞をリリックVのように背景スクリーンに表示する演出が、ファンからのコールが活きるこの曲にマッチ。そんなこの曲でとにかく目立っていたのが、茜屋日海夏。1サビで「Say!」とコールを煽る姿も実に生き生きとしていたし、サビ後半のジャンプも高く、締めのガニ股の部分も沈み込みが深く力強い。この曲をめいっぱい楽しみながら、ファンを巻き込んでいった。

 早くも高まりまくった場内に、3曲歌って改めての自己紹介と挨拶。「開演前にホロリと来た」とツアーへの思い入れと千秋楽への感慨深さを口にする一方で、久保田はニコ生の視聴者を意識して「楽しさを、初めてi☆Risを観る人に伝えていこうねー!」と呼びかけていた。

 ひと通り挨拶も終わり、ライブはここからさらに“怒涛”の色合いを増す。MC後は、千秋楽が出身地にあたる芹澤優がBメロでクローズアップされる「§Rainbow」からの再開。Aメロではステージ上が歌唱するふたりのカラーに染まり、Bメロではもちろん、気持ちよくソロを執る芹澤のカラー・ブルーに。そしてサビでは6色になるという照明の流れも美しいし、スクリーンに映された虹がメンバー並び順のカラーリングなのもニクい。パフォーマンス自体も、2サビ明けのバレエ調のペアダンスやBメロのハーモニーが、それぞれ美麗で完璧。ボルテージをUPさせながら整った魅せ方を提示できるすごさが、今のi☆Risにはある。しかもその熱量にまったく満足する様子もなく、澁谷梓希が的確な煽りでその盛り上がりをさらに高めていった。

 そしてここからは、メインスクリーンのスロットの出目が次の歌唱者を予告する演出。最初に揃った芹澤のソロ曲「最悪な日でもあなたが好き。」が、メドレーゾーンの幕開けを飾る。1-Aメロ中盤にはエアで「しーっ」をしてから「はぁ……」と生ため息を愛らしく入れ込むと、サビでは曲の合間に起こるファンからのコールを、手を耳に当ててしっかり聞き、この1年でファンとともに“育てた曲”としてみせていた。さらに、続く久保田は「Lovely time」で、Aメロのプチブレイクでの女の子ジャンプをかわいらしくも高く決めると、歌声にも愛嬌をどんどん上乗せ。サビ前ではシャウト気味にファンのコールを呼び込むと、サビ明けにも「騒げわんちゃんたちー!」と全力で煽り会場のボルテージはすさまじいものに。そこに茜屋と若井が合流しての、久々の神カバー「おジャ魔女カーニバル!!」では、久保田や若井がキュートに歌う一方で、甘くしすぎない茜屋のストレートなボーカルが良好なアクセントになり絶妙なバランスを楽曲にもたらす。

 その雰囲気をガラリと変えたのが、山北ソロの「Heart Crash!」。昨年のツアーの東京公演で喉に不調をきたしていた彼女にとっては、1年ぶりのリベンジの舞台でもある。イントロからダンスはキレッキレで、気合いの入り方とスキルの高さをAメロだけでも充分感じられる。最大限に体を使っているのにもかかわらずひとつもムダのない動きが、シャープなボーカルと見事にマッチしていた。そして今度は6人での、明るいディスコナンバー「キラキラGood day」。ソロメドレーゾーンのなかにおいて、6人揃えて統一感をもたせたダンスが印象的だ。直前とはうって変わって、山北の歌声はこの曲では一気にキュートに転じ、澁谷もメインからハモパートまで難解なラインを的確に歌い上げていった。それに続いて茜屋がソロで歌ったのは、タカオユキとのユニット・POLKA DOTSの「WHAT YOU ARE」だ。この日、ステージ上には茜屋ひとりだったが、タカオのハモとともにいた彼女の表情は晴れ晴れとしたもので、終始爽やかで前を向いた希望の歌声を響かせる。自ら歌詞を紡いだ曲を大切に、ふたりの歌声で歌い続けてくれるという意味でも嬉しさを感じたファンも多かったことだろう。

 さらに続けた山北・芹澤ふたりによる「Over the future」も久々の披露。山北のシリアスさと芹澤の強さをともに味わえるこの曲では、ふたりとも歌唱に注力。両サイドのお立ち台で歌声を、ときにぶつけ会いときに溶け合わせ、向き合ってハーモニーを響かせたりもしながら、ひとつの曲を作っていった。

 すると今度は下手お立ち台に登場した澁谷が、「DETERMINE」を頭サビの熱唱から一気にファンをノセていく。力強さと鋭さを併せ持ち、かつ気を抜くと荒さや哀しさまでもがすぐに心に入ってくる歌声もまた魅力的だった。サビ明けにはファンに笑顔で語りかけつつ「もっといけるよー!」と煽ると、力みすぎず抜きすぎず自然体で最後までこの曲をエンジョイし、ソロ曲ラストの若井の「My Bright…」にバトンタッチ。イントロが鳴った瞬間から湧きまくる客席からのコールを受けた若井は、ベースの歌声は澄んでまっすぐでありながら、技術やパワフルさ、そして歌唱中のファンとのコミュニケーションに上乗せされたロックさといったすべての部分にこの1年のレベルUPを感じさせる。その姿は、メドレーゾーンのトリにふさわしすぎた。


今だから、このツアーだからできた、必見のダンスタイム

 するとここで、ジャジーなサウンドに乗せて茜屋が登場。セクシーにチェアダンスを披露すると、メンバーがひとりずつ順に登場しフィーチャーされるダンスタイムに。活動年月を重ねたからこそ魅せられる、バーレスクのようなムードの“ショー”を展開していくと、そのまま切ないEDM「Baby…」へ。サビでの全員の腰使いに出たセクシーさなど、直前のダンスタイムとの繋がりも感じさせる。2-Aメロで逆光のなか前蹴りを決める澁谷の姿もキマっていたし、Dメロラストの芹澤のソロ「ねぇ Baby…」のフレーズでは、切なさと艶っぽさとの両取りに成功していた。

 こうしてMCなしで一気に11曲もの楽曲を立て続けに披露してきたi☆Risだが、短めのMCを挟んで今年1月リリースのシングル2曲をさらに2曲連続披露。まず「Endless Notes」は、清らかなナンバーにしなやかなパフォーマンスを乗せる曲でありながら、脚を交互にクロスしながら前進してくるサビ後半や、6人で円を形作ってスピンしながら周回していく落ちサビなど、難易度の高いことを平然とやってのけているナンバーでもある。そんななかにおいて、澁谷の引き気味のボーカルは声質も相まって心にきゅっと来たし、茜屋のボーカルも清らかなナンバーの中において、爽やかにきらめく。また、そのまま続けた同シングルのカップリング曲「イノセントイノベーション」は、1-Bメロで芹澤が「表情も」のフレーズで遊んだように、ダンスもさることながら6人それぞれの歌声での表現の豊かさが随所に光る曲。音源の時点からキャッチーで耳を引く曲ではあったが、ツアーを通じて生の“あそび”を見てこその1曲になったのではないだろうか。

 さて、ライブはいよいよ終盤戦。「Shinin Star」から、結果的に4曲連続『プリパラ』曲の揃った、ラストスパートへと突入していく。まずこの曲は、6色のスポットライトがメンバーを照らしてからスタート。1-Aメロの若井のダンスがしなやかかつ沈み込みも深く、全力なのにどこか余裕を感じられる。続く「Make it!」は、茜屋がイントロからファンを煽りまくり。そのうえ彼女自身のダンスも非常に大きくて、見せる意志の向かう方向もはっきりしたもの。また、芹澤のダンスにも心の底からのワクワク感が乗り、1サビ後半では振付の合間にクラップ煽りもうまく織り込みさらに盛り上げていく。さらに、「ドリームパレード」でも、パフォーマンスの質はキープしつつ引き続きファンへの意識を絶やさない。もっとも下手側に位置取っていた久保田は、普段のフォーメーションよりも若干斜めを向いて、端の観客まで視線を送る。山北も、大サビの「スタートしよう」の指差し振付をレスに活用。終盤にアグレッシブなナンバーを畳み掛けてきたにもかかわらず、この隙のなさ。やっぱりi☆Risは、とんでもなく、ヤバい。

 そして本編ラストナンバーを飾る「Realize!」は、本人たちも“ラスボス”といってはばからないよりパワーを必要とする楽曲だが、ここでも6人のステージは圧倒的。跳ねて駆けて、声を出して、脚を上げて腕を振って……それでいていたずらにがむしゃらではないすごさが、ステージには渦巻いていた。また、この曲もラストのサタデーナイトにフィーバーするのにピッタリのポーズであるため、ライブコンセプトを踏まえたうえでも本編ラスト曲として素晴らしい選択だったように思う。


炸裂したサプライズ! 7周年の夢舞台に向けて出発進行

 アンコールを求める「アーイーリス!」の声がしばし上がり、「あなたにとって、i☆Risとは?」や「ファンのみんなへひと言」といったメンバーへの事前収録VTRが上映されると、場内には「ミラクル☆パラダイス」のイントロが流れる。が、それと同時にステージに立ったのは芹澤・茜屋・久保田の3人だけ。ではいったい、残りの3人は……客席通路に登場だ! それぞれが縦横無尽に通路を動き回り、ファンの間近でこの曲を楽しんでいく。一方ステージ上の3人も、普段よりステージを広く活用。ニコ生用カメラを狙って芹澤・久保田が争えば、サビでは茜屋がカメラを独占したりと上は上でも楽しんでいく。2番に入るとステージ上下の顔ぶれが入れ替わり、こちらも全席を最前にするかのような勢いで接近戦を楽しんでいた。

 歌唱後には、8月28日に19thシングル「FANTASTIC ILLUSION」を発売することを発表! こちらは茜屋も出演するTVアニメ『手品先輩』のOPテーマで、3クール連続の深夜アニメの主題歌担当に「今年はシングル出しまくりじゃー!」と芹澤もかちどきをあげる。

 そしてTVアニメ『賢者の孫』OPテーマに起用された最新シングル、「アルティメット☆MAGIC」の披露へ。Bメロのコールなど、引き続きファンを巻き込んで盛り上がれる部分の多いこの曲。振付はポンポンとしたサウンドによくマッチするもので、それでいて1-Aメロラストでは星を描いたりと、アニメの世界観に直結する部分も。それでいて互い違いになったり揃えたりとめまぐるしく要素の変わるダンスが次々登場したDメロ前の間奏は、間違いなく見どころだった。

 いよいよツアーも大詰めということで、6人も初見のツアー振り返り映像が上映。会場ごとの記念写真が映し出されると、そこでメンバーが持つアルファベットがスロットの出目となり回転。途中で「ドリームパレード」のイントロを模したスペシャルリーチ音も鳴り出すと、徐々に止まるスロットが示した文字は、「PACIFICO YOKOHAMA」。そう、今年11月24日に、7th Anniversary Liveをパシフィコ横浜で開催することがサプライズ発表されたのだ。3年前・4th Anniversary Live以来の大会場でのワンマンという突然のフィーバーに、6人は大興奮。芹澤は号泣。そのまま「PACIFICO」「YOKOHAMA」の電飾を携えてツアーファイナルの記念撮影を行なうと、涙ながらに澁谷が「すごい重たい。パシフィコの重みを感じる」と口にする。それを受け「この電飾の重みを忘れないでおこう」と山北が締め、各メンバーからのコメントへ。

 まずは澁谷が「メンバーも、来てくれるみんなも好きだと感じられるいい期間でした。ステージに立っている以上は、これからもひとりでも多く笑顔を届けて恩返しできたら」、久保田が「メンバーみんなでゼロから作ったツアー。楽しい気持ちをみんなに広げられて、i☆Risってすごいなって最近つくづく思います。これからも、最高の5人と一緒に突っ走っていきます!」と語ると、続く若井は「『今までのいいライブを更新しないと意味ないじゃん!』って思って作ってきたけど、絶対いちばんいいツアーになったと思います!」と胸を張ってツアーを振り返った。

 また、茜屋は「自分でもびっくりするぐらい、すっごい楽しかった! でも、もっともっとレベルを上げてパシフィコに立ちたいし、絶対完売させたい!」と楽しさと向上心とを素直に吐露。続く芹澤は、少し涙混じりに「武道館の後もちゃんとランクアップしたくて、新しい目標が欲しかった。だから、i☆Risまた動き出したなって思っています。絶対、“推しててよかったユニット”になるぞ!」と抱えていた想いを明らかにする。

 山北は「武道館は大人たちに連れて行ってもらった感もあったけど、今回はちゃんと自分たちの身の丈に合った公演をしたい」と早くも意気込みを語るが、様々な想いが去来したのか最後には「28歳だけど、ここからまだ上を目指してもいいですか?」と問いかける。そこへ返る温かな拍手と歓声に包まれると、「三十路超えてもまだまだ夢追い続けちゃう!」と宣言し、最後には「まずはパシフィコ、埋めっぞ!!」との意気で湿っぽい感情を吹き飛ばしていた。

 迎えたツアーのラストナンバーは、「Ready Smile!!」。キレや精度は最後まで伴いつつも、ステージ上の6人は超絶笑顔で全力パフォーマンス。客席のファンも、Dメロの歌詞通り眩しすぎる6人の姿を目に焼き付けながら、最後まで全力中の全力でついていき、最高の笑顔でパシフィコへと向かう準備万端の姿をみせたのだった。

 歌唱後に改めて全員で客席へ向かって一礼すると、澁谷が各メンバーとハグ。そしてリーダー・山北による、「Goin’on」の歌詞になぞらえた「パシフィコ横浜に向けて、ドリームトレイン、出発進行!」の言葉で、約半年後の大舞台に向けての、i☆Risの新しい旅と挑戦が始まった。

 6人がゼロから作り上げたツアーの終着点に誕生した、パシフィコ横浜という新たな目的地。彼女たちの今の実力と人気が掴み取らせた晴れ舞台だが、これは当然単なるプレゼントではなく、またひとつの挑戦にもなるだろう。しかし、自らテーマを決めてツアーを組み立て、パフォーマンスで魅せることもできる今の彼女たちには、乗り越えられないハードルではないはず。11月24日にはパシフィコ横浜のステージ上では6つのColorが躍動し、客席でもその6色が混ざりあい、輝きを放つことだろう。

取材・文/須永兼次

“i☆Ris 5th Anniversary Tour 2019 ~FEVER~”東京公演 夜の部
2019.06.01@中野サンプラザ

【SET LIST】
M1.ありえんほどフィーバー
M2.Happy New World☆
M3.DIVE TO LIVE
M4.§Rainbow
M5.最悪な日でもあなたが好き。 / 芹澤優
M6.Lovely time / 久保田未夢
M7.おジャ魔女カーニバル!! / 茜屋日海夏・若井友希・久保田未夢(カバー)
M8.Heart Crash! / 山北早紀
M9.キラキラGood day
M10.WHAT YOU ARE / 茜屋日海夏
M11.Over the future
M12.DETERMINE / 澁谷梓希
M13.My Bright… / 若井友希
M14.Baby…
M15.Endless Notes
M16.イノセントイノベーション
M17.Shining Star
M18.Make it!
M19.ドリームパレード
M20.Realize!
EN1.ミラクル☆パラダイス
EN2.アルティメット☆MAGIC
EN3.Ready Smile!!

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集