Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』が5月27日より全世界独占配信スタート。本作は、TVアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』を手掛けた入江泰浩監督と世界のクリエイター陣が手がけた作品で、E92とA37という2体のロボットに愛され育てられた人間の少女・サラが、世界に隠された謎に立ち向かう感動のSFファンタジーである。 今回はサラ役を演じる高野麻里佳さんにインタビュー。サラを演じるうえで赤ちゃんに会いに行ったというエピソードや、ロボットに対する印象の変化についてお話してもらった。――『エデン』のシナリオを読んだときの率直な感想を教えてください。 作中でも「人間は本当に有害な存在なのかな?この世界に人間は必要だと思う?」という言葉が出てくるように、メッセージ性が強くて、とても深く・重いテーマの作品だと思いました。一方で、表情豊かでコミカルなロボットたちが登場するので、どこかあたたかさも感じられました。――本作で登場するロボットの大多数は、戦うために作られたものではないですよね。 本当に家族や友達のように人間と接するロボットばかり出てきます。とても人間らしいロボットたちという印象を受けました。――そんなロボットが登場する世界で、高野さんはサラという人間の役を演じられます。 サラは赤ちゃんのときに、とあるきっかけでE92とA37というロボットに拾われて、育ててもらいます。そこから色々なロボットたちに出会い成長していきますが、ロボットに育てられたとはいえ、喜怒哀楽がはっきりと出る、とても表情豊かな子に育つんですよ。それは、E92とA37をはじめとするロボットたちのコミカルなやり取りを見て育ったから、というのが大きいと思います。サラとE92とA37の会話は、思春期を迎えた娘に対するお父さんとお母さんのようでした。――E92とA37はロボットで無機質な喋り方なのに、どこかあたたかさを感じられました。 収録現場も笑顔が絶えませんでした。もしかしたら、あのロボットたちのあたたかさは「愛」じゃなくて「プログラミング」なのかもしれないですが、私を含めた視聴者から見ると、とてもハートフルな家族だと思えるんですよね。――確かに、コミカルなやり取りをするロボットたちが、果たして「感情」なのか「プログラミング」でそうやっているのかということを考えさせられるというのも、本作の重要なポイントかもしれません。 最後まで見終わったとしても、「あれはプログラミングによる行動だったのかな」と考えさせられるようなシーンがあります。ただ、その答えは視聴者の方、そしてサラ自身が出して欲しいなと思っています。ぜひ、作品を見て、自分なりの答えを見つけてみてください。――高野さん自身は作品に関わってみて、ロボットに対する印象に変化がありましたか? 変わりました。私はSF作品だと某有名ロボットアニメを見たことがあるぐらいだったのですが、それとは違ってこの作品では戦うシーンがほとんどないんですよ。家族のような友達のようなやり取りをするロボットたちに愛着も湧きました。ロボットは「無機質なもの」という印象がありましたが、今では、無限の可能性があるんだなと思うようになっています。――本作では少しだけロボット同士が戦う場面もありましたが、いかにも戦いに慣れていない、戦うためのプログラミングがされていないという感じでした。 すごく、初期モデルのロボットのような動きをしていましたよね(笑)。そこがまたこの作品のあたたかさを表しているなとも思いました。こういうロボットアニメもいい!――アフレコはいかがでしたか? 今回はプレスコ収録(※)形式だったので、まだ絵が見えないなかで収録したんです。なので、どういうシーンなのか、どういう表情をしているのかということを細かく打ち合わせで詰めていきました。また、キャラクター作りに関しては入江監督が私をすごく信頼してくださったんです。一任していただいたというのはとても光栄だとは思いつつも、その分のプレッシャーは感じていました。(※)音声を先に収録して、後から絵を付ける収録のこと。――赤ん坊の役を演じるのは、初めてのことだったと思います。 そうなんです。なので、まずは親戚の赤ちゃんに会いに行きました。そこで、呼吸の仕方や、表情の変化などを観察したんです。赤ちゃんって大人の人間とはサイズ感が全然違うので、肺も自ずと小さくなるんです。でも発声はすごくしっかりしているんですよね。あとは喜怒哀楽の表現。顔をくちゃくちゃにして泣いたかと思ったら、すぐに笑顔になる瞬間があったんです。見ているだけで色々な想像が膨らんで面白かったですし、演じるうえでの学びにもなりました。――赤ちゃん役を演じる際、参考にされた声優さんや声のイメージはありましたか? いま質問されてみて、小さい頃から見てきた『クレヨンしんちゃん』でひまわりを演じていらっしゃる、こおろぎさとみさんの声を無意識のうちに参考にしていたかも、と思いました。知らず知らずのうちに自分の中に赤ちゃんの喋り方はこういうものとインプットされていたかもしれないです。もちろん、実際に赤ちゃんに会って得られた知識や学びもたくさんありましたが、アニメならでの表現というところでは、プロの皆さんの表現を体感してきているので、それを意識していた気がします。――もし、高野さんが『エデン』のような世界で暮らしていくとなったら、順応できると思いますか? 今の状況のままロボットだけの世界へ行ったら、きっと寂しくなって心が壊れてしまうと思います。ロボットたちとおしゃべりができたとしても、「人間に会いたい」と思っちゃう気がします。ただ、サラのように、赤ちゃんの頃にお父さんとお母さんのようなロボットに出会っていたら、すくすく育って楽しい生活を送れるんじゃないかな。――最後に、高野さんが思う本作の推しポイントを教えてください。 ハートフルで、ロボットたちがまるで感情が宿っているような表情をみせてくれる家族アニメになっております。好奇心旺盛なサラと共に人間の行方を追ってもらいながらも、ロボットたちの感情や表情の変化も見逃さず最後までお楽しみください。プロフィール高野麻里佳【こうの・まりか】2月22日生まれ。東京都出身。青二プロダクション所属。主な出演作は『ウマ娘 プリティーダービー』サイレンススズカ役、『結城友奈は勇者である ちゅるっと!』上里ひなた役、『D_CIDE TRAUMEREI』伊吹咲愛莉役などNetflix オリジナルアニメシリーズ『エデン』全世界独占配信中【スタッフ】監督:入江泰浩(「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」)キャラクターデザイン:川元利浩(「カウボーイビバップ」)脚本:うえのきみこ(「王室教師ハイネ」「クレヨンしんちゃんオラの引越し物語 サボテン大襲撃」コンセプトデザイン:クリストフ・フェレラ(「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」クリーチャーデザインアートディレクター:クローバー・シェ(「上海バットマン」)/音楽:ケビン・ペンキン(「メイドインアビス」「盾の勇者の成り上がり」)原案・プロデューサー:ジャスティン・リーチ(「イノセンス」)アニメーション制作:Qubic Pictures, CGCG【キャスト】サラ:高野麻里佳E92:伊藤健太郎A37:氷上恭子S566:新垣樽助ゼロ:山寺宏一チューリヒ:桑原由気ジュネーブ:甲斐田裕子
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