藤田恵名が「バキ大擂台賽編」エンディングテーマ曲を担当！楽曲のこと、そしてセクシーな写真の裏側や今ハマっているアニメなどについて聞いた【インタビュー】

「今一番脱げるシンガーソングライター」として話題の藤田恵名が、NETFLIXアニメ『バキ大擂台賽編』エンディングテーマを担当。本人が作詞を手がけた「DEAD STROKE」についてのインタビューが、アニメディア7月号に掲載されている。超！アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかったぶんを含めた特別版を公開。カップリング曲に込められた思いやセクシーな写真の裏側、今ハマっているアニメについても聞いた。

刃牙がぶっ飛べば良いと思いながら歌いました。「聴け〜！」みたいな気持ちで！

ーーNETFLIXアニメ『バキ　大擂台賽編』エンディングテーマに決まったことについて、感想をお願いします。

　アニメのタイアップはひとつの目標で、その初めてが『バキ』だというので、話を聞いたときはドッキリじゃないかと思うほど驚きました。『バキ』って男性の間ではすごく人気の高い作品じゃないですか。そんな作品とコラボさせていただけるなんて、本当にうれしいです。私のまわりの男性スタッフにも『バキ』ファンが多くて、みんな喜んでいます。

ーー作詞の際に『バキ』を改めて読んだとのことで、どんな印象でしたか？

　もともとは大変失礼ながら「筋肉の漫画」という程度の認識しかなかったんですけど、やっぱり女の子にはちょっと怖いですね。戦って血が出るし。そういう部分で、松本梢江の気持ちがすごくよくわかりましたね。「もうやめなよ〜」って言いたくなってしまう。そういう目線では共感できたかなって思います。

ーー藤田さんも身体を張っていますけど、身体を鍛えたりしていますか？

　『バキ』のエンディングを歌っているくせにお腹がタプタプではがっかりされちゃうので、ジャケ写やアー写を撮る前はジムに行ったり断食したりして、自分なりに身体を仕上げましたね。でもこのご時世で今はジムにも行けなくて、ずっとおもうちにいたので、コロナ太りをしてしまって（笑）。

ーー『バキ』のエンディングテーマ「DEAD STROKE」ですが、すごく格好いいソリッドなロックチューンですね。作詞の上で、『バキ』のどんなところをイメージしましたか？

　主人公の刃牙にとってお父さんの範馬勇次郎の存在は目の上のたんこぶで、絶対に越えられない壁です。そんなどんなに追いかけても追いつけない存在を相手に決して諦めない男らしさと、「俺とやるからには生きるか死ぬかの二択でかかってこい！」という力強さを、ストレートに書こうと思いました。

　そういう刃牙の気持ちって、私にも少しわかる部分があるんです。私自身10代のころはもっとテレビの歌番組にたくさん出て活躍している青写真を思い描いていたんですけど、それとはどんどん違っていく自分に葛藤しつつ、今いる場所でできる限りのパフォーマンスをしようと思ってやっています。そういう自分の気持ちも重ねて歌えたら良いなと思いました。

ーー自分を奮い立たせてくれるような力強さが感じられますね。

　そうですね。聴いた人の戦闘力が上がったら良いなと思って。エンディングテーマだけど、アニメを見終わってしんみりするのではなく、「やってやるぞ！」という気持ちになれる曲を目指しました。あと『バキ』と言えば肉体なので、Bメロの歌詞には「腰を折る」など肉体にちなんだ慣用句を散りばめているのもポイントです。

ーー「DEAD STROKE」というタイトルも格好いいですね。ギターを弾く腕の動きをストロークと言いますけど。

　私、ギターを弾くときのストロークが強くて、よく爪が折れちゃったりピックが欠けちゃったりするんですけど……。私はギターをかき鳴らすという表現で戦っているので、「この場で死んでもいいくらいの気持ちでやっている！」という意味を込めて「DEAD STROKE」と付けました。

ーー作詞は、いつもどんな風にやっているんですか？

　書こうと思うと浮かばなくて、お風呂に入っているときなどに言葉が浮かぶことが多いです。メロディと一緒に浮かぶときもありますし。でも「DEAD STROKE」は、いつもよりすごく時間がかかりました。初のアニメタイアップでもあるので何度も熟考を重ねて、今から録るぞっていうギリギリで「やっぱりここを変えて良いですか」と言って直したところもあったし。言葉の意味や響きだけでなく、自分が歌って気持ち良い言葉はもっとないかと、ギリギリまで粘って考えました。

ーー強気の言葉がいっぱい出てきますね。藤田さんの曲は、基本的にそういうものが多い気がしますが、自身も強気な性格ですか？

　基本的には穏やかな性格だと思っていて。「こういうことを思ってる人は他にもいる？」というような感覚で書いているので、強気とか攻撃的という自覚もなく書いているのかもしれないです。それもあって、勘違いされることも多くて。ジャケット写真も攻撃的だし、しゃべっている声と歌っている声も違うから、会ったことのない人からはすごく怖い人だと勘違いされて。それにSNSでは、ひとつの言葉で上げ足を取られてしまう。SNSで何も言えないのなら、曲の歌詞にしてしまえば良いんじゃないか、と。

ーー歌録りはどうでしたか？

　すごくスムーズでしたよ。いつもはDIY精神で、低予算で制作しているんですけど、初のアニメタイアップということでいつもより良いスタジオを用意していただいて（笑）。落ち着いたメンタルで、雑念なく歌に集中できました。物理的には絶対に負けちゃうけど、これを聴いた刃牙がぶっ飛べば良いと思いながら歌いました。「聴け〜！」みたいな気持ちで。

『バキ』のタイアップが決まるまで、全裸ジャケットはやめようと思っていた

ーーカップリングには、藤田さん作詞作曲の「バスルームジェットキャンディ」を収録。伝説のロックバンド＝ブランキージェットシティみたいなタイトルですね（笑）。

　バレましたか（笑）。最初は「バスルームジェットタウン」だったんですけど、さすがに寄せすぎじゃないかということでボツになって。でも頭文字を取ると、ブランキージェットシティと同じBJCになるんです！　曲自体は、バスルームでジャケット写真を撮影したことからできたんです。

ーーそれでバスルームと。

　先ほどお話をした通り「作るぞ！」と思っても作れないタイプなので、先にジャケット撮影をしたんですが、お風呂のなかで生きているか死んでいるかわからないような写真を撮りたいと私から提案させていただいて。そうして撮った写真を見て1曲作ろうと。写真で大喜利みたいな感じで作りました。

ーーおしゃれで切なさのあるロックで、「DEAD STROKE」であれだけ強気だった女の子が、家に帰ってひとりになるとお風呂でブクブクやって落ち込んでるみたいな。そんな妄想が広がりました。

　そういう想像をかき立ててもらえたらうれしいですね。戦闘力が高い表題曲に、カップリングも戦闘力が高かったら胃もたれしちゃいそうだし、女子の持つ二面性みたいなものがシングル1枚で表現できたらいいなと思いました。でも私のファンってオジサンばかりなので、こういう女子力の高い曲はあまり共感してもらえないかもしれないけど（笑）。この曲をきっかけに、女子にも聴いてもらえたらなって思います。

ーーこちらの曲は、わりと素が出てる感じですか？

　そうですね。家では基本的に体操座りで暗いです（笑）。誰かが言ったひとことで人知れず傷ついて、枕を濡らす夜もあります。それをわざわざアピールする必要もないんですけど、こういう日もあるんだよって、歌で表現できたら良いなと思って作りました。

ーーアー写やジャケ写は毎回大胆で話題です。ギターをどかすと下はどうなってるのかとか、気になる人は多いでしょうね。

　ご想像におまかせします（笑）。写真を撮っているときは、「もっと右」とか「見えてる見えてる」といった声が飛び交ってて。ボディビルダーの大会で聞く、「キレてるキレてる」というかけ声みたいですよ（笑）。でも正直、『バキ』のタイアップが決まる前は、「そろそろ全裸ジャケットはやめよう」と話していたんです。そろそろ方向転換をしておかないと、服を着るタイミングがなくなると思って。そんなところに『バキ』のお話がきて、『バキ』サイドの方が、私の全裸ジャケットを見てオファーしてくださったと言うんですね。全裸ジャケットがきっかけで曲を聴いて気に入ってくださって、こっそりライブにもきてくださって。そういうオファーの経緯を聞いたら、やめるわけにはいかないなって（笑）。『バキ』サイドからも「ぜひ脱げるシンガーソングライターの方向性で」ということだったので、ふたつ返事で「喜んで脱がせていただきます！」と。

ーーアー写はクラッカーで絶妙に隠していて、驚きました（笑）。

　クラッカーは私のアイデアで、クラッカーを鳴らして落ちてきたヒラヒラで上手いこと隠れたら面白いんじゃないかと。でも実際にやったら、なかなか上手くはいかなくて、後で足したりしました。『バキ』のスタッフさんが私を見つけてくださったように、こういう写真を入り口にして、歌を聴いてもらえるきっかけをもっと増やしていけたらうれしいです。

ーーアニメはどうですか？　好きなアニメとかゲームとか漫画とかはありますか？

　そもそも私が歌手になりたいと思ったのは、母親の前で『美少女戦士セーラームーン』の曲を歌って、ほめてもらったのがきっかけだったんですね。あとは高校のときに『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん！』を見たのが印象に残っています。でも、去年の春ごろからHuluで『名探偵コナン』を第1話目から見直していて、今どハマリしちゃって。コンビニの一番くじを昨日も引いちゃいましたし、バンドメンバーと山へキャンプしに行ったときは、同じキャンプ場にきていた別のグループを見て「事件の匂いがする」って、勝手に想像を膨らませてしまったり。

ーーキャンプ場で事件が起きるのは、コナンあるあるですね。

　それと『バキ』の制作会社であるトムス・エンタテインメントさんは、『コナン』の制作会社でもあって。トムスさんにうかがったときは、見たことないコナンのグッズがたくさんあって。すごくうれしくて、『バキ』そっちのけでたくさん写真を撮らせてもらいました！　でも今回のタイアップで、次は『コナン』の劇場版のテーマソングを担当したいという、次の目標も生まれました！

ーー最後にアニメディア読者にメッセージを

　誰もが知っている『バキ』のエンディングを私が務める日がくるなんて！　という感じで、ワクワクしています。アニメ界では新参者ですが、少しでも曲を聴いてもらって、良いなと思ってもらえたらすごくうれしいです。ぜひ味方でいてください！

取材・文／榑林史章

最新シングル「DEAD STROKE」情報
【「DEAD STROKE」エナ盤】
仕様：CD＋DVD複合
価格：3,000円(税別)

1.「DEAD STROKE」(NETFLIX独占配信『バキ』大擂台賽編エンディングテーマ）作詞：藤田恵名 作曲・編曲：田渕ガー子
2.「バスルームジェットキャンディ」作詞・作曲：藤田恵名　編曲：田渕ガー子
＋off vocal ver.

・藤田恵名ワンマンライブ「BIKINI RIOT」ライブ映像(2019年7月7日新宿ReNYにて収録)
・「DEAD STROKE」『境界線』MV収録

【「DEAD STROKE」バキ盤】
仕様：CD
価格：1,273円(税別)

1.「DEAD STROKE」(NETFLIX独占配信『バキ』大擂台賽編エンディングテーマ）
2.「バスルームジェットキャンディ」作詞・作曲：藤田恵名　編曲：田渕ガー子
＋off vocal ver.

「『バキ』大擂台賽編」作品情報
＜STAFF＞
原作：板垣恵介（秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載） 
監督：平野俊貴
シリーズ構成：浦畑達彦
キャラクターデザイン：鈴木藤雄、石川晋吾
色彩設計：宮脇裕美
美術監督：西山正紀
撮影監督：野口龍生
編集：佐野由里子
音楽：藤澤健至（Team-MAX）
音響監督：浦上靖之、浦上慶子
アニメーション制作：トムス・エンタテインメント
製作：バキッッ製作委員会 
＜CAST＞
範馬刃牙：島﨑信長
範馬勇次郎：大塚明夫 
ビスケット・オリバ：大塚芳忠
マホメド・アライJr.：保志総一朗
松本梢江：雨宮天
烈海王：小山力也
劉海王：飯塚昭三