安野希世乃の2ndシングル「晴れ模様」は「日々を頑張る皆さんの背中を押す、私の目指しているエールソング」!それぞれの曲に込めた思いとは【インタビュー】 | 超!アニメディア

安野希世乃の2ndシングル「晴れ模様」は「日々を頑張る皆さんの背中を押す、私の目指しているエールソング」!それぞれの曲に込めた思いとは【インタビュー】

アーティストとしても活動する声優・安野希世乃が「ロケットビート」(2018年4月発売)以来となる2ndシングル「晴れ模様」を2020年4月29日にリリースする。表題曲はTVアニメ『アルテ』のEDで、爽やかなメロディーと …

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 アーティストとしても活動する声優・安野希世乃が「ロケットビート」(2018年4月発売)以来となる2ndシングル「晴れ模様」を2020年4月29日にリリースする。表題曲はTVアニメ『アルテ』のEDで、爽やかなメロディーとやわらかな歌声が印象に残る1曲。また、カップリングは、自身が作詞を手がけた「恋する私カラー」となる。発売中の「アニメディア5月号」では、2ndシングルについてお話いただいたインタビューを掲載。「超!アニメディア」では、誌面に掲載しきれなかった内容を盛り込んだ長文版を紹介する。


「晴れ模様」でこだわった“時間帯”

――表題曲の「晴れ模様」はTVアニメ『アルテ』のEDです。最初に曲を聴いたときの感想は?

 最初は夕暮れの波打ち際で、アコースティックギター1本で弾き語りをするような、静けさが感じられるイメージでした。完成した曲は、民族楽器が複数使われていて、にぎやかな明るい印象に変わりましたね。でも、最初に感じた静けさは残っているなと思いましたし、早朝から始まって、1日のストーリーが紡がれていく移り変わりを感じられる曲になったなという印象でした。

――レコーディングでは、とくにどんなことにこだわりましたか?

 オケが歌ってくれている曲だったので、私もそれに心地よく乗って、一緒に歌おうという気持ちでした。この曲では絵を描くことを題材に、世界を見つめる優しい眼差しが表現されているので、それに寄り添うように、自分も心を動かしながら歌いました。前向きで、ワクワク感があって、目の前に広がる世界に向かってどんどん冒険していきたいという素直な気持ちを描いている歌だからか、すごく歌いやすかったです。

――以前にも、前向きな歌が好きだとおっしゃっていましたよね。

 はい。私がこれまで歌ってきた曲は、昔を振り返ったり、目線の先が過去にあったりするものが多い印象なんですが、「晴れ模様」は挫折や悔しさというワードが出てきても、負けたくないと思っている曲で。それもあって、幸せな気持ちで胸がいっぱいになりながら、レコーディングができました。

――全体的に流れるような歌い方が耳に残りますが、レコーディング中はどんなディレクションがありましたか?

「柔らかく」とか「語るように」。逆に、大人っぽくやあどけなくというディレクションはなかったので、まず等身大の自分で、楽曲の持つ世界観の空気を感じて歌うことを意識しました。

――冒頭からのAメロは、声の雰囲気密やかな印象です。

 この曲自体は、朝から物語が始まって、昼になって1日が終わっていくけれど、あなたと一緒に強いパッションを持って明日も頑張りたい、走って行きたいというあたたかな想いが込められている歌。1日の経過があるので、時間帯についてはすごくこだわりながらレコーディングをしていったんです。なかでもAメロは早朝で、寝た子を起こさないように、とかやさしく「起きたの?」と声をかけるようなイメージでしたね。自分しか目を覚ましていないような町で、窓を変えて息を潜める情景をイメージしました。作品の主人公・アルテに重ね合わせると、情景もイメージしやすかったです。

――安野さんは、ダーチャ役で『アルテ』に出演されますが、レコーディングの段階では、作品についてどのくらい知っていましたか?

 作品のオーディションを受けさせていただいていたので、歌うときには物語の世界観は知っていました。なので、より入りやすかったのかもしれません。

――お気に入りのポイントは?

 落ちサビの歌詞が、絵描きとしてのなんたるかを表現している気がするんです。「人を描く」ということは、その対象に心を寄せ、自分のなかからその人の気持ちに近いものを探し当てて落とし込んでいく必要がある。楽しいことだけじゃなく、つらいことも悲しみも探していかなければならない。それは、役者でも同じだと思うんですね。人を描くことと、役者として人の言葉を代弁することはすごく似ていて等しいことだなと感じているので、落ちサビは気持ちをより強く動かすことができたし、共感しながら歌えたポイントですね。

作詞は西田望見のアドバイスで「(お酒を)飲みながら」

――カップリングの「恋する私カラー」は、明るく弾けるような歌声の曲です。

 今まで歌わせていただいてきたどの曲も魅力的で大好きなんですが、この曲はひと言でいうと「私好み」です。ナチュラルに歌っていて楽しく、気持ちがいいと思える曲。今回は本当に自由に、好き勝手に歌わせてもらった曲なので、ウキウキした気持ちが爆発しているのかもしれません。

――歌詞は、ご自身が担当されていますが……。

 じつは、すごく難航しました。最初に「サンライズシャワー」から始まる1サビの3行をするっと書くことができて、私がこの曲で書きたいテーマはこれなんだなと思うことはできたんですが、そこから先に進めなくて……。伝えたいことを絞りに絞って、逆算して埋めていく形になりました。

――サビの一部分だけ先にできるというのも珍しい気がします。

 その歌詞が生まれたとき、じつは私、少しだけ酔っていまして……。というのも、ワルキューレでもご一緒している西田望見ちゃんが、昨年の夏にソロデビューをして作詞も経験したということで、どうやって書いたのかを聞いてみたんです。そうしたら「(お酒を)飲んで書くんだよ」と言われて(笑)。それをマネしてみたんですが、これしかない! というサビ頭の閃きが浮かんだので、彼女には感謝です(笑)。大変だったのはそこからですね。

 その当時、「参考に」といただいていた制作中の曲を聴いたとき、大自然のなかに大好きな人といておめでたい感じ……太陽がキレイで、なんでもかなえられるエネルギーをもらっているというイメージが浮かんで、その雰囲気を出したいなと思っていたんです。でも、完成した曲を聴いたらアレンジによってアーバン(都会的)な印象にイメージがガラッと変わったなと感じまして。そこで一旦、それまでのイメージを白紙にしました。

 自分のなかでストーリーを練り直し、最初は相手と想いが通じ合っている想定だったけれど、片想いのほうがいいかもしれない。自分を奮い立たせて、逆境があるけど負けずに進んでいくほうがこの曲は輝くだろうと考え直し、あの人に近づきたいという気持ちを持った、さなぎから蝶に成長するような頑張る女の子の歌にしようと決めました。その物語を軸に、そこからもう一度、作詞をし直していったんです。

――「照らす」というワードが、まさに頑張る人を応援してくれている感じがしますね。

 前に作詞をさせてもらった「ぼくのヴィーナス」という楽曲で、“手の届かない星のような憧れのあなたに元気をもらえる”というテーマの詞を書いたのですが、そこからさらに一歩踏み出して、自分も隣に並び立てるくらい輝きたい! という前進する願いを込めて入れてみました。

――「メタモルフォーゼ」というワードが、変身したい気持ちをとても見事に表現しているなと感じました。

 じつは、この1行は、本当に最後まで決まらなかったんです。どうしても出てこなくて、レコーディングの当日、家を出る前に「変身……さなぎが蝶……メタモルフォーゼ!」と連想ゲームのように生まれて。自分史上に残る名フレーズだと思っています(笑)。

――作詞で苦労した分、レコーディングはスムーズでしたか?

 スムーズでした! 言いたいことは全部歌詞に詰めましたし、あとは歌うだけという晴れやかな気持ちになれてのレコーディングでした。

――さわやかな雰囲気の歌ですよね。

 この主題に決めたときは、新卒か、それからもう少し経ったくらいの頑張っている女性に向けて、背中を押せるような歌にしたいなと思ったんですね。なので、恋する女の子がさなぎから蝶へと変身していくというシチュエーションにはしていますが、女の子に向けてだけでなく、新しくものごとを始めた人へのメッセージも込められたのかなと思っていて。4月から新生活をスタートした方、新しい環境に身を置くことになった方、そんな皆さんにも聴いていただきたいです。ついつい口ずさみたくなる楽しい言葉を、オケのリズム感に気持ちよく乗せて歌ったので、皆さまの心に残る1曲になっていたらうれしいです。

――タイトルの「恋する私カラー」は、歌詞中には出てこないワードですよね。

「恋する私」と「私カラー」は出てきますが、「恋する私カラー」は出てきませんね。

――出てくるのは「恋する私パワー」で。

 最初は仮タイトルを「私カラー」だけにしていたんです。そうしたら、プロデューサーの福田(正夫)さんから「シンプルすぎるかな」とご指摘をいただきまして。「『ステップスキップ私カラー』はどうですか?」とも言っていただいたんですが、私としてはもうちょっとさりげなく背中を押す感じにしたいなと思っていたので、それで「恋する私カラー」を提案させていただいたんです。最初に歌詞を書いたときに「恋する私パワー」のところが「恋する私カラー」だったというのもあります。結果的には歌詞では「恋する私パワー」になっていますが、「恋する私カラー」というワード自体は、この曲を表現するのにピッタリだと思ったんです。それで、曲中に登場しないけれど大丈夫ですか、と尋ねてみたところ、OKをいただけたのでそれに決まりました。

――ちなみに、安野さんは自分のカラーは何色だと思っていますか?

 以前は無色透明と言っていた気がするんですが、今はいろいろな色を持っているのかなとも思うんです。引き出しから色を出して混ぜるときもあるし、それぞれの色に寄り添って、その色の力を借りるときもあるし……。

――フェスなどに出演されたとき、ペンライトの色は曲のイメージカラーに寄るところがありますよね。「ロケットビート」なら作品のイメージカラー・ピンクですし、安野さんが演じられているキャラクターカラーは黄色が多いですし。

 そうですね。黄色、ピンク、あとは最初に出した『涙。』のイメージから、青が多いのかな。私のカラーは先ほどもお話ししたように、パレットにいろいろな色をたくさん出している状態なのかなとも思っているので、強いていうなら……“カラフル”が私のカラーでしょうか。これからは、緑や紫や、いろんな色をまた増やしていけたらいいなと思っています。

「晴れ模様」MVの設定はひとり旅

――初回限定盤には、昨年12月に舞浜アンフィシアターで行われたセカンドライブの映像が収録されます。

 もともと映像化の予定はなく、でも、デビューからこれまで作ってきたミニアルバム「。」三部作の集大成になるライブだったので、資料用でもいいので映像に残してもらえないか、とお願いをしたんです。たとえば、10年後に応援してくださる皆さんと一緒に観ながら振り返れるような、広く一般に見せるものでなくてもいいのでと。

 でも、中途半端な映像は作れないとなかなか願いは叶わず。それでもあきらめきれずお願いした結果、「一応撮っておきますか?」と言っていただけて。もちろんその段階では、商品としてお届けできる話はまったくなかったんですが、いろいろと決まっていくなかで「もしもいい映像が撮れたら、特典に入れるのはどうですか」というお話になったんです。私としては、集大成となるツアーのカケラでも残ればと思っていたので、すごくうれしくて。実際、ライブが終わってみると、すばらしい瞬間を沢山捉えた映像を撮っていただけていて。

 結果、特典に収録することも決まり、さらに当初5曲程度というお話だった曲数も増え、MCも含めて15トラックものいいシーンを切り取っていただける形になりました。じつは、その縁もあって「晴れ模様」のミュージックビデオ(MV)を、ライブ映像を撮ってくださった監督さんにお願いをすることになったんです。

――「晴れ模様」のMVはどんな雰囲気になりましたか?

 自転車に乗って海沿いを走ったり、キャンプ場でコーヒーを入れてみたり、自然がいっぱいでした。ひとり旅という設定で、カメラを持って海に小舟で出てカモメとじゃれ合うシーンがあったんですが、そこでは9割完成したと言われるくらいいいシーンが取れました。晴れてほしかった海のシーンの撮影中はほぼ晴れていたので、「(撮影を)祝福してくれてありがとう」みたいな気持ちでしたね(笑)。

――ビジュアルイメージは、雲の絵をバックにしたこちらも爽やかなイメージです。

 最初にデザイナーの方にいただいたイメージコンセプトが「青のキャンバスに無限の可能性を込めたい」というニュアンスだったかと。青い背景を私が背負って、そこに雲を書き足していって、空を完成させるという構想で。ブックレットでは私が空に虹を架けるような写真も撮っていただいています。

――実際に、安野さんが雲を描いたんですか?

 そうなんです。キャンバスに色を置いてしまったら、もうなかったことにはできないという、出たとこ勝負でした。絵の先生から、ちぎったスポンジでの描き方、どうやったらぼかせるかなど、いろいろと指導していただいて。ちょっといいあんばいのかすれ具合が出せたのではないかなと思っています。ただ、先生には私が絵を描けるらしいと伝わっていたらしく、油性や水彩の絵画は、学生時代の美術の授業くらいです、とお伝えしたら一瞬固まっていました……。

――実際に完成までにかかった時間はどのくらいだったのですか?

 30分で描ききってくださいと言われていたのですが、30分だと半分くらいしかできておらず、そのあとの30分は無言のプレッシャーに押されながら、とにかく必死で雲を描くことに没頭していましたね。雲を描いているだけに「今日の雲行きはどうかな」というスタッフの方からの気遣いオーラも感じつつ、なんとか完成させることができました。

――アーティスト写真とジャケットで、笑顔の雰囲気が少し違いますよね。

 デザイナーの方の意向で、ジャケットには思いっきり笑っているショットを敢えて使わないことになりました。空の絵を無事に完成させた、静かで深く満たされた笑顔が選ばれたんだと思います。

――では、最後に読者へメッセージを。

 1枚目のシングル「ロケットビート」から約2年で、またシングルをリリースすることができました。『アルテ』のEDという素敵なご縁もいただけて、歌詞にはその作品世界がとても美しく落とし込まれています。作品の世界に気持ちを通わせて寄り添って歌えたと自信を持って言える1曲になりました。「恋する私カラー」も、私の自信作です。どちらの曲も日々を頑張る皆さんの背中を押す、私の目指しているエールソングになっていますので、迷うときや立ち止まることがあったとき、元気になりたいときにたくさん聴いていただけたらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

PROFILE
安野希世乃【やすの・きよの】7月9日生まれ。宮城県出身。エイベックス・ピクチャーズ所属。これまでに、シングル1枚、ミニアルバム3枚をリリース。声優としての主な出演作は、『冴えない彼女の育てかた』加藤 恵役、『マクロスΔ』カナメ・バッカニア役など。

発売日:2020年4月29日(水)

【初回限定盤】
仕様:CD+ライブ Blu-ray
価格:3,600円(税別)
【通常盤】
仕様:CD
価格:1,200円(税別)

 

【収録曲】
1.晴れ模様(作詞:西 直紀・山本玲史/作曲:山本玲史/編曲:h-wonder)
2.恋する私カラー(作詞:安野希世乃/作曲:戸嶋友祐/編曲:倉内達矢)
※各楽曲のInstrumentalも収録

【ライブBlu-ray収録内容】
安野希世乃 2nd LIVE ツアー2019「○。」より
1.○。〜prologue〜 (Instrumental)
2.I remember
3.MC1
4.悲劇なんて大キライ
5.ぼくのヴィーナス
6.Wonder Shot
7.ロケットビート
8.Destino〜恋は一秒の永遠〜
9.エイリアンボーイ
10.MC2
11.生きる
12.MC3
13.晴れ模様
14.MC4
15.逢いたくて
※2019年12月21日開催/舞浜アンフィシアターにて収録

安野希世乃公式サイト
http://avex.jp/kiyono-yasuno/

安野希世乃official Twitterアカウント
@Yaskiyo_manager

TVアニメ『アルテ』公式サイト
http://arte-anime.com/

《超!アニメディア編集部》
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