「神宿・塩見きらのゆるりと真剣にアニメ語り！」第14回『推しが武道館いってくれたら死ぬ』をエンターキー

　超！アニメディアの連載企画「神宿・塩見きらのゆるりと真剣にアニメ語り！」。原宿発の5人組アイドルユニット「神宿」で活動する塩見きらさんにゆるりと真面目に、真剣に好きなアニメやゲームのことについて語っています。第14回目は『推しが武道館いってくれたら死ぬ』についてお話しいただきました。

　もう春なのに、雪が降った。自分だけが家の中にいて、実は外の世界ではなにかすごいことが起こってたりするんじゃないか、と窓を開けたら、くまの雪だるまがいた。なんでくまにしたんだろう。気付けば4月に入り、2020年の4分の1が終わってしまったらしい。今年の春はなにかと忙しそうだ……。

　外出自粛のおかげで、紙の本を読む時間ができた。普段は、移動中にタブレットで本を読むばかりになってしまっていたのだけれども、これを機に、と言ってはなんだが、改めて紙に触れてみた。読み進めていくうちに表紙がよれてくるあの感じとか、紙独特のいい匂いとか、やっぱりデジタルにはない良さがあっていいなあ、と。

　そういえば小学生の頃、楽そうだから図書委員会に入ってた気がする。記憶が定かでないけど、教室にある本を整頓するだけの係。みんなも本を読もう、図書委員より。

　いつまでこの感じが続くのかわからない。世界中のイベントが中止や延期にせざるを得ない状況にある。辛い時、音楽が寄り添ってくれているように、こんな時だからこそ私はやっぱり歌って踊っていたいなと心から思う。会いたい、ライブに行きたいと言ってくださる方の声が何よりも心強く、嬉しいなあと改めて思った。おっと、珍しく真面目なことを言ってしまったなあ。世の中が幸せになれ〜。世界を救う力さえあれば。

　自宅待機中、在宅コンテンツが心の支えになっている。アニメも漫画もゲームも、びっくりするほど全部捗っている。今回紹介するのは『推しが武道館いってくれたら死ぬ』、通称“推し武道”。

　岡山県を舞台に、アイドルグループ「ChamJam」のメンバー市井舞菜に全てを捧げて応援するえりぴよとその周囲の「ChamJam」を応援するファンが中心に描かれたコメディ作品。アイドルならではの握手会やライブの様子、オタク（敬称略）が一生懸命に推しを応援する様子が面白く、時に泣けるストーリーで描かれている。普通に私は見ていて何度も泣いた。ほとんどがオタク目線で描かれており、なんとなく最初は共感を楽しみに見ていたのだが、結局だんだんと感情移入してしまい、「ChamJam」のファンになってしまっている。

　グループアイドルにはやはり、人気順などが生まれてしまうものなのだろうか、『推し武道』でも、いわゆるアイドル総選挙の描写が描かれている。えりぴよの推し“舞菜”はサーモンピンク色担当（かわいい）の控え目な女の子。この子がめちゃくちゃ可愛い。えりぴよ以外に単推しがおらず、人気がないという設定だが、「なんで？」という感情でしかない。「私が舞菜を支えてあげないと」というオタク心をくすぐられる。みんなの推しは誰だ〜。私は舞菜とゆめ莉が好きや…。

　このアニメのコラムを書きたいと思いながらなかなか書けなかったのは、締めるのが難しいからだ。語ろうと思えば、この2人のメンバーの百合感がええよなあ、とかどんどん出てくるんだけど、アイドル塩見きらとしての締め方が上手くできるか不安だったから逃げていた。私は最近、「変わる」ということについてよく考える。オーディションの頃からずっと、変わりたいと口にしていたけれど、そう思う一方で、変わらなければいけないと思っているところも正直ある。応援してくれている方がなにかひとつ考えたり、変わるきっかけを私自身が与えられるようになることが、私の幸せだと思った。そのために、私は変わり続けたいと思っている。アイドルは楽しい、いつもありがとう。

プロフィール
塩見きら【しおみきら】1998年11月6日生まれの21歳。愛媛県出身。身長160cm。趣味はゲーム、YouTube。特技は「荒野行動」。

＜神宿（かみやど）とは＞
UUUM所属。原宿発の5人組アイドルユニット。グループ名の「神宿」は「神宮前」と「原宿」を合わせたもの。神宿（KMYD）の頭文字 K=KAWAII（可愛い！）M=MAX（全力！）Y=YELL（応援！）D=DREAM（夢！）を届けるために原宿を拠点に活動している。

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