デビュー5周年を迎えるCHiCO with HoneyWorks（チコハニ）が8月7日（水）にTVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のOP主題歌「乙女どもよ。」をリリース。アニメディア9月号では、CHiCOに本楽曲の制作やレコーディングについてインタビューをしている。「超！アニメディア」では、本誌に掲載しきれなかった分を含めたロングインタビューを掲載。
■5周年でグレードアップしたチコハニをお見せしたい！
――今作の「乙女どもよ。」は、TVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のOP主題歌としても話題を集めています。CHiCOさんは原作コミックを読まれたのですか？
今回のお話をいただく前から読んでいた、大好きな作品のひとつだったので主題歌を歌うことが決まって、レコーディングがすごく楽しみでした。HoneyWorksのGomさんとshitoさんも、今回の制作にあたっては、アニメのスタッフさんと何度もキャッチボールを繰り返して作っていただきました。
――『荒ぶる季節の乙女どもよ。』は、どういうところに魅力を感じていましたか？
1話に出てきた、幼なじみの男の子の家に行って見てはいけない状況を目撃してしまうところは、原作を読んだときもインパクトが大きかったです。あんなにかわいい絵柄なのに、性に対するリアルな描写があるのは予想外で、ギャップに驚きました。恋と性に対して、彼女たちは全て真剣にとらえて一喜一憂しながら向き合っていくんですけど、その姿はすごくかわいくて、応援したくなります。
――原作が、岡田麿里さんなんですよね。
はい。自分のラジオ番組で、岡田麿里さんの作品の曲を流すコーナーをやったことがあって。『バンパイア騎士』や『おとめ妖怪 ざくろ』など、私が小さいころから見ていたアニメ作品にたくさん携わっていらっしゃって。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『心が叫びたがってるんだ。』も観ていたので、今回ご一緒できるとは、夢にも思っていなくてうれしかったです。
――主人公の和紗は「○○氏」と呼び合っていて。
実は私のスタッフにもそういう方がいて、「CHiCO氏」って呼ばれています（笑）。だから私も「〜ござる」って返したり。
――古いタイプのオタクですね（笑）。声優陣も河野ひよりさん、安済知佳さん、上坂すみれさん、麻倉ももさん、黒沢ともよさんなど豪華ですね。
はい。実は先日、本編ではないのですが、プロモーション用のミニアニメで、アフレコに参加させていただいたんです。アニメ作品の中でしか会ったことのない声優の方にお目にかかって、単なるファン目線で舞いあがってしまいました。現場には事務所の先輩である麻倉さんがいらっしゃったので、「先輩教えてください」とアフレコのアドバイスをいただこうとしたら、「いつも通りでいいよ」って。それ、アドバイスじゃない〜って（笑）！
――TVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のオープニング主題歌「乙女どもよ。」は、どんな気持ちで歌いましたか？
CHiCO with HoneyWorksは、これまで歌の中のキャラクターの等身大を意識して、ある種のあざとさも込めて歌ってきました。今回は、作曲者のshitoさんから「第三者目線の温かく見守る側で歌ってほしい」というリクエストがあって。少し大人びた雰囲気で、温かみのある曲になるようにと思って歌いました。
――お姉さんっぽくということですか？
“乙女たちの背中を押してあげるからね”って。ただ、あまり大人っぽく歌い上げるよりも、純粋なほうが耳にスッと入ってもらいやすいので、全体にはあまりお姉さんすぎないように、シンプルで飾らない歌い方になるように意識しました。
――メロディは、どこか少し懐かしい感じもありました。
確かに、「世界は恋に落ちている」に近い感じだと思います。私も、デビュー当時に戻ったようなイメージを感じつつレコーディングしました。
――歌詞は、いかがですか？
キャラクターたちが文芸部員なので、あえて15歳と言わず、15ページと表現していたり、文学的な表現も多いところが気に入っています。それに「栞はいらない」と出てきて、それは栞をはさんでいればいつでもそこに戻れるけどそうしないという、後ろを振り向かないことのたとえなんです。女の子たちの、ぶつかりながら“一歩踏み出してやるんだ”と思っている意気込みが感じられて、すごく前向きな歌詞になっています。
――CHiCOさん自身は、主人公と同じ15歳くらいのころは？
いちばん本を読んでいたかもしれないです。もともと本は苦手で漫画ばかり読んでいたんですけど、図書室でたまたまライトノベルを借りて、それから本を読むようになりました。最初はファンタジー系を読んで、次に推理小説ものにハマっていきました。米澤穂信さんの『夏期限定トロピカルパフェ事件』のシリーズが好きだったな〜とか、そういうことを思い出します。今は電子書籍で読もうか、でも本の厚みが好きだから本屋さんで買おうか、悩んでいます。
――ツアーの移動中に読むなら、電子書籍が便利ですよ。
そうですよね。悩みが解決しました（笑）。
――カップリング曲「恋人ツナギ」は、同作の挿入歌。
アニメでは、原作でもいちばん盛りあがるところで流れるんです。バラード調で、1番と2番で歌詞の目線が変わるので、そこも改めて楽しんでいただけると思います。作曲のGomさんは、事前に絵コンテの動画を観て曲を作って。私も観させていただいたうえで、レコーディングに挑みました。
――アニメ盤のジャケ写も、原作コミックで漫画を担当されている絵本奈央先生の描きおろし。
表カバーは主人公の小野寺和紗で、開くと全員寝転がっていておのおの本を開いているという1枚の大きな絵になります。アニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』尽くしの1枚になりました。
――また、デビュー5周年のツアー『LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks 5th Anniversary Hall Tour 2019 LiVE 5’s ON !!』が開催中です。
「生き続ける」「人生は続いていく」という意味の「LIFE GOES ON」と、5周年を掛けています。これからもみんなと一緒にライブを作り続けていきます、と意味を込めてタイトルを付けました。今回のツアーは、全公演セトリが変わるので、チコハニからのファン、ハニワからのファン、みんなが楽しめるセトリができたので、毎回みんなの反応が楽しみです。今まで1度しか歌っていないカバー曲も日替わりでやっているので、どこでどの曲が聴けるか、楽しみにしていてください。
今回はデビュー5周年ということもあり、10都市15公演というチコハニ史上最大のツアーなので、私たちも気合十分で頑張ります！ぜひ一緒に熱い夏を過ごしていただければと思います！
――ちなみに中野サンプラザは4daysなのですが、見間違えたかと思いました。
私も間違いかと思いました（笑）。中野サンプラザは、デビュー前に事務所の先輩であるスフィアさんのライブを観に行ったり、事務所のイベント『Music Rainbow』もあったり、ミュージックレインといえば中野サンプラザなので、ホームという印象があってすごく心強いです。去年は中野サンプラザで2daysのライブをやらせていただいて、今年は4daysにパワーアップしたので、チコハニ自体もグレードアップした姿をお見せしたいです！
取材・文／榑林史章
PROFILE
【チコウィズハニーワークス】2013年に行われた『第1回ウタカツ！オーディション』でグランプリに輝いたCHiCOとクリエーターユニットのHoneyWorksが2014年に“CHiCO with HoneyWorks”を結成。同年、TVアニメ『アオハライド』のOPテーマ「世界は恋に落ちている」でデビュー。『まじっく快斗1412』『銀魂』など人気アニメ作品の主題歌を担当している。
リリース情報
『乙女どもよ。』
発売中
ミュージックレイン
CHiCO with HoneyWorks盤：1,241円
アニメ盤：1,241円（各税別）
※画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大できます。
少し大人の目線から、恋と性に翻弄される女子高生たちの背中をやさしく押す青春ソング。“チコハニ節”が効いたキャッチーなサビのメロディが耳に残り、ストリングスとバンドサウンドが融合した、ドラマチックなサウンドが、リスナーの気持ちもあげてくれる。
ライブ情報
LAWSON presents
CHiCO with HoneyWorks 5th Anniversary Hall Tour 2019 LiVE 5’s ON!!
【日程】
8月16日（金）
新潟・新潟市民芸術文化会館・劇場
8月18日（日）
東京・中野サンプラザホール
8月19日（月）
東京・中野サンプラザホール
8月21日（水）
東京・中野サンプラザホール
8月22日（木）
東京・中野サンプラザホール
8月31日（土）
愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
CHiCO with HoneyWorks公式サイト
https://www.chicoxxx.com/
CHiCO with HoneyWorks公式Twitter
https://twitter.com/chicoxxx_tweet
