声優の南條愛乃が、シングル「ヒトリとキミと」を2022年2月23日(水)にリリース。表題曲はTVアニメ『天才王子の赤字国家再生術』のエンディングテーマ。そしてカップリング曲には、『ファイナルファンタジーXIV』のサウンドディレクター兼コンポーザーとして関わりの深い祖堅正慶氏が作編曲を手がけ、南條本人が作詞を行った「待ち合わせはあのカフェで!!!」が収録されている。
本稿では、それぞれの聞きどころ、そしてアーティスト活動10周年を迎えたいま感じている「歌い手としての変化」ついてお話を聞いた内容をお届けする。
「ヒトリとキミと」初回限定盤【画像クリックでフォトギャラリーへ】
──昨年12月リリースのアルバム『A Tiny Winter Story』に続いて、早くもニューシングル「ヒトリとキミと」が完成しました。
なかなかライブやイベントが思うようにはできない状況が今もありますけど、その中でコンスタントにファンの方へ届けるコンテンツが作れていることは、とてもうれしいことだなと思っています。ありがたいですね。
──表題曲「ヒトリとキミと」もカップリング曲の「待ち合わせはあのカフェで!!!」も、春が待ち遠しくなるような楽曲に仕上がっています。
「ヒトリとキミと」は、有機的であったかい、ほっこりとした世界観が魅力の曲です。ファンの方たちが私のソロ曲に抱いているイメージの１つが、わかりやすく表現されているんじゃないかなと思います。ブックレットの歌詞カードに書かれていない呪文みたいなコーラスが、冒頭とDメロ前にあるんですけど、それはある言葉を逆から読んでいるんです。そういう遊び心も含めて楽しめる曲ですね。
──歌詞のお気に入りポイントを教えてください。
サビの「曖昧な自分（アイ）の中で 会いたいとキミを呼ぶ〉というフレーズです。「アイ〉が重なっているところが自分で歌っていても気持ちいいし、聴いていても耳に残る印象的なフレーズだと思います。私自身も、レコーディングが終わってからずっと耳に残っているんです（笑）。
──「待ち合わせはあのカフェで!!!」は、南條さんが作詞を手がけた楽曲で、Webラジオ「Nカフェ!!! 南條愛乃と語るモア」のテーマソングです。
とにかく番組にまつわることを歌詞に盛り込みたくて、配信日が木曜なので「木曜日」という言葉を入れたり、番組のコーナー名を使ったりしています。なので、作詞はパズルのような感覚がありました。友だちと待ち合わせているカフェに向かっているワクワク感を、ラジオに例えたりもしましたね。
──南條さんは、実際にカフェ好きですか？
最近はコロナ禍もあって全然行けてないですけど、もともとはお気に入りのカフェがあったり、空いた時間にふらっと喫茶店に入ったりするタイプです。
──誰かと待ち合わせすることも？
一人で行くことが多めでしたけど、もちろん友だちと一緒のときもあります。気兼ねなくいろいろ話せる親友と行くか、茅野愛衣ちゃんや日笠陽子ちゃんと行くか。あ、その２人とはお茶するというよりご飯ですね（笑）。でも、この１、２年は本当にゆっくりカフェに行けてないなぁ。
──歌詞以外の部分についても、南條さんが感じている魅力を教えてください。
私が大好きな『ファイナルファンタジーXlV」の音楽を手がけている祖堅さんに作編曲をお願いしたんですけど、ソロで歌ったことがありそうな雰囲気なのに実は歌ったことがないメロディという、絶妙なラインを突いてきたなというか。祖堅さんは、その絶妙なラインを狙ったらしいんですけどね（笑）。歌ったことがありそうでないという曲は、けっこうむずかしかったです。でも、もちろん楽しく歌わせていただきました。ラジオのオープニングテーマなので、ちょっとワクワクするような明るいイメージを意識して歌いましたね。
「ヒトリとキミと」通常盤【画像クリックでフォトギャラリーへ】
──「ヒトリとキミと」は、MVも制作されています。
長らく使われていなかった屋根裏部屋に私が引っ越してきて、寂れた場所を片付けて掃除して、再生していくっていうストーリーです。
──ファンタジー感のある映像ですよね。
撮影した部屋がもともとかわいいんですけど、それをさらにかわいく画作りしていただいて、どこかジブリ感のある部屋になってますよね。自分では、絶対にできない部屋作りです（笑）。
──MVのメイキング映像では、部屋に飾ってある人形を自宅にお迎えするかもと話していました。
あの王子と女の子のお人形、お迎えしました！ 自宅の一番高くてきれいな場所に飾って、見下ろされながら生活しています（笑）。
──MVには、カップ焼きそばを食べるシーンもあって。
はい（笑）。「ゼロイチキセキ」と「光のはじまり」のMVで、連続してカップ焼きそばを食べるムーブがきてたんですけど、監督が「久しぶりに食べます？」って行ってくださって（笑）、最近、カップ麺の類は食べていなかったんですけど、めちゃくちゃおいしかったですね！ おいしくて震えてました（笑）。ただ、最近私のことを知った人は、「どうしてこの人はMVでカップ焼きそばを食べてるんだろう？」って思いますよね（笑）。でも、実は歴史があるんです！
──「ヒトリとキミと」のMVは、ディテールが凝っていますよね。
そうなんですよ。「A Tiny Winter Story」のMVで使ったスノードームとか、「光のはじまり」のMVで使った８ミリカメラとか、以前から私のMVを見てくれている人なら気づくアイテムも登場します。そういうかわいい遊び心も楽しんでもらえたら！
──そして、今年はソロアーティストデビュー10周年イヤーになります。
ライブのセットリストを決めるとき、歌いたいのに入れることができない曲が増えました。デビューした当時は、カバー曲を入れないとライブが成り立たなかったのに。それが今は、曲を削らなきゃいけない。そういう悩みの変化で、10年を実感する部分はありますね。
──10周年イヤーを迎えて、歌い手としての変化は感じていますか？
「聴いている人に感情移入してもらう歌を歌う」という根本は、昔からずっと変わっていないと思います。ただ、経験を重ねることで表現の幅は広がったのかな、広がっていればいいなと思って歌い続けてきていますね。例えば、「悲しい」にもたくさんの「悲しい」があるけど、昔はその中の１つの「悲しい」しか表現できていなかったとしたら、今はいろんな「悲しい」を表現できていればいいなって。
──10周年イヤーの活動が楽しみです。
10周年ライブとか、こういう活動をしたいという草案はスタッフのみなさんとすでに共有しています。その中で、実現できることとできないことはもちろんあると思うんですけど、ファンの人たちと一緒に振り返ったり、楽しんだりできるのが理想ですよね。なので、何かしらはするので（笑）、楽しみに待っていてほしいなって思います！
取材・文＝大久保和則
プロフィール
南條愛乃【なんじょう・よしの】静岡県出身。7月12日生まれ。ボイスキット所属。レコードレーベルはNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン。主な出演作は『ラブライブ！』絢瀬絵里役、『戦姫絶唱シンフォギア』月読調役、『進化の実～知らないうちに勝ち組人生～』神無月華蓮役など。声優として活動する一方で、fripSideのボーカルとしても活動し、2012年12月にミニアルバム『カタルモア』でソロデビュー。その後も様々なアニメ・ゲーム作品のテーマソングなどを歌唱。2022年でアーティストデビュー10周年を迎えた。
「ヒトリとキミと」リリース情報
【発売日】2022年2月23日(水)
【価格】
初回限定盤(CD+特典Blu-ray)：1,980円(税込)
通常盤(CD only)：1,320円(税込)
【収録曲】
1.ヒトリとキミと(TVアニメ『天才王子の赤字国家再生術』エンディングテーマ)
2.待ち合わせはあのカフェで!!!(Webラジオ「Nカフェ!!! 南條愛乃と語るモア」テーマソング)
3.ヒトリとキミと(Instrumental)
4.待ち合わせはあのカフェで!!! (Instrumental)※初回限定盤・通常盤共通
【特典Blu-ray】
・「ヒトリのキミと」MV
・「ヒトリのキミと」MV Making
SPOT
※NEW SINGLE「ヒトリとキミと」は各社配信サービスでも配信中。
NEW SINGLE「ヒトリとキミと」サイン会情報
5月28日(土)＠都内某所＜対象法人：ゲーマーズ＞
12:30～／CDジャケットサイン会
14:00～／ポスターサイン会
16:00～／CDジャケットサイン会（※ オンライン形式）
5月29日(日)＠都内某所＜対象法人：アニメイト＞
13:00～／CDジャケットサイン会
15:00～／CDジャケットサイン会
