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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>『ルパン三世 ルパンVS複製人間』にも出てきた「賢者の石」に関連する不老不死の存在について語る

2019/4/23


 
 アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌「アニメディア」で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。今回は、アニメやマンガにもよく出てくる「賢者の石」と関連する不老不死の存在について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
  
『ルパン三世』の原作者であるモンキー・パンチさんが2019年4月11日、肺炎で亡くなりました。物心がついた私が初めて映画館で観た作品が『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』だったと記憶しています。当時の私にとっては少々難しい話で、正直なところ、いまいち理解できませんでした。それでも“大人”の世界に触れた気がして、うれしくなったことを覚えています。モンキー・パンチさんは、私がアニメ・マンガを好きになるきっかけを作ってくれた作家でした。
 
『ルパン三世』初の劇場アニメ作品といえば『ルパン三世 ルパンVS複製人間』です。本作では、謎の人物マモーとルパンが、人間に永遠の命を与えるといわれる「賢者の石」をめぐって争います。
 
「賢者の石」といえば、『ルパン』だけでなく、数々の小説・マンガ・アニメ・ゲーム作品に登場する不思議な物質です。物語の多くが卑金属を金などの貴金属に変えたり、不老不死にすることができるものであるとして描かれます。
 
 中国史上初の皇帝・始皇帝が不老不死の薬を求めたことは有名な話です。日本でも『竹取物語』のなかで不老不死の話が描かれることから、古くからそうした概念があったことがうかがえます。
 
 この不老不死と妖怪・オバケという観点で思い出されるのは「人魚」でしょう。広範囲にわたって聞かれるのが『八百比丘尼(やおびくに)伝説』です。人魚の肉を食べた娘がその後、比丘尼になって800年生存したという話です。
 
 外国から入ってきたイメージにより、人魚といえば「綺麗」「可愛い」などの印象が強いかと思います。しかし、日本で古くから伝わる人魚は、そのイメージからは少し離れたものです。最古の記録はおそらく『日本書紀』のものですが、そこには「その形児の如し。魚にもあらず人にもあらず」とあります。人の子どものようでもありながら、魚でもなく人でもない姿をしていたようです。
 
『八百比丘尼伝説』で800年という限りがあるように、『ルパンVS複製人間』のラストでもマモーの命は果ててしまいす。この世には、永遠だなんてものはなかなかありません。『ルパンVS複製人間』にはモンキー・パンチさんからのさまざまなメッセージが込められているのではないでしょうか。
 
解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ


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