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<アニメ・マンガ妖怪よもやま話>『ゾンビランドサガ』で注目された「ゾンビ」という存在の日本・世界での言い伝え

2019/8/14


 
  アニメ・マンガ作品における定番ジャンルでもある「妖怪」のことを、ちょっとだけアカデミックに解説する「アニメ妖怪よもやま話」。アニメ雑誌「アニメディア」で連載していた本コーナーが「アニメ・マンガ妖怪よもやま話」としてWEBで復活。今回は続篇の制作が発表された『ゾンビランドサガ』にも登場する「ゾンビ」という存在について、奈良県在住の妖怪文化研究家・木下昌美が語る。
 
 
 昨年に放送されて話題を集めた『ゾンビランドサガ』が帰ってきますね!『ゾンビランドサガ リベンジ』というタイトルで続篇が制作されることが先日、発表されました。本作は、なんらかの理由で死んでしまった7人の少女たちがゾンビとして生き返り、プロデューサーを名乗る謎の青年・巽幸太郎に導かれながら、佐賀県を救うべく、ご当地アイドルとして駆け上がっていく日々を描いた作品です。
 
 ゾンビについて『日本国語大辞典』を引いてみると「ブードゥ教で、まじない師が生き返らせて霊力で操る死人。また、邪悪な霊力などによって、生きた姿を与えられた死体」とあります。ブードゥ教は、西アフリカのベナンや西インド諸島のハイチを中心に広まっている民間信仰だそうです。ゾンビとは、特別な力によって死人が再び蘇えさせられたモノであることがわかります。『ゾンビランドサガ』では、少女たちがどのようにして再び生命を与えられたかについてはまだ描かれていません。『リベンジ』では、そのあたりにも触れられるのでしょうか……。
 
 死者が蘇る話は珍しくなく、古くからあります。ゾンビとは違いますが、イエス・キリストも死後に復活したことで有名です。オバケっぽい話で思い浮かぶのは「死人憑(しびとつき)」でしょうか。水木しげるさんの著作『日本妖怪大全』にも登場します。「死人憑」は鳥取県のある村で起こった怪異で、病気により死んでしまった百姓が突如として立ち上がり、動き回ったと云われています。まるで生きているかのように食べたり酒を飲んだりして暴れまわるのです。「もしや本当に生き帰ったのでは?」とささやかれますが、腐敗臭がするため違うことがわかります。そして、ある日のこと、百姓はパタリと倒れて動かなくなりました。人々は憑きものが離れたのだろうと理解して百姓を葬りました。
 
 憑きものの類ですので、オバケとは少し異なりますが、ゾンビのような話は日本にもあることがわかります。『ゾンビランドサガ リベンジ』では、再び生を全うしようとするゾンビ少女7人の、どのような姿が観られるのでしょうか。今から待ち遠しくてたまらないのは、きっと私だけではないでしょう。

 

解説:木下昌美
<プロフィール>
【きのした・まさみ】妖怪文化研究家。福岡県出身、奈良県在住。子どものころ『まんが日本昔ばなし』に熱中して、水木しげるのマンガ『のんのんばあとオレ』を愛読するなど、怪しく不思議な話に興味を持つ。現在、奈良県内のお化け譚を蒐集、記録を進めている。大和政経通信社より『奈良妖怪新聞』発行中。
 
●挿絵/幸餅きなこ 撮影/高旗弘之


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