米倉功人プロデューサーが語る『名探偵コナン』の魅力「アクション、ミステリー、恋愛に友情……盛りだくさんなのが魅力」【インタビュー】 | 超!アニメディア

米倉功人プロデューサーが語る『名探偵コナン』の魅力「アクション、ミステリー、恋愛に友情……盛りだくさんなのが魅力」【インタビュー】

「アニメディア7月号」では、“読者が選ぶミワクの歴代人気アニメベスト10”を特集。第6位に選ばれたのは『名探偵コナン』。映画『名探偵コナン 紺青の拳』が公開中の本作から、米倉功人プロデューサーのインタビューが掲載。超! …

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 「アニメディア7月号」では、“読者が選ぶミワクの歴代人気アニメベスト10”を特集。第6位に選ばれたのは『名探偵コナン』。映画『名探偵コナン 紺青の拳』が公開中の本作から、米倉功人プロデューサーのインタビューが掲載。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかった部分を含めたインタビューを紹介する。


――ランクインした率直な感想を。

 これだけ長くシリーズが続くなか、毎年のようにランクインをさせていただいているというのは、ファンのみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。我々スタッフの間では、『名探偵コナン』という作品は継続作品ではあるものの、毎年、1年をゼロからスタートして全力疾走で走りきるようなイメージで動いているので、『名探偵コナン』のこの1年の動向を観て投票していただいたのだと思うと、ランクインできて本当によかったなぁという感想ですね。

――ゼロからのスターというのは、例えばどういうことでしょうか?

 同じ取り組みをするというのは安心感がありますが、それはマンネリにもつながるので、そうしないようにしたいんです。たとえば、今年は劇場版の公開時に放送するスピンオフを変則的なものにしました。今までは前日譚的なものを放送することが多かったのですが、今年はシンガポールにコナンたちが行っている間、同時進行で少年探偵団たちに何が起こったのかを描いたんです。劇場版を観ていなくても楽しめるような、子どもたちの目線で面白がれるものを意識しました。

――6月8日の放送では、ついに黒ずくめの組織の「あの方」の名前が烏丸蓮耶であると判明しました。

 とにかく原作のエピソードはキャラクターが多岐に渡っていますし、烏丸って誰だかわからないという方もいらっしゃると思うんですね。それもありまして、「マリアちゃんをさがせ!」の前後編の前に、烏丸の名前が挙げられていた「集められた名探偵」のリマスターを放送しました。もちろん、TVシリーズをずっと追いかけていただけたらうれしいのですが、最近また観るようになった方や、映画のヒットをきっかけに気にかけてくださるようになった方にも、「全部を観なくても楽しめます」ということをわかっていただきたかったというのもあります。でも、こうも見事に劇場版やTVでの原作エピソードとリマスターやスペシャルエピソードの放送が絡み合うと、仕掛けている側にいながら、僕自身が『名探偵コナン』という作品に仕掛けられている感じがしてきますね(笑)。


――今年の劇場版『紺青の拳』も、公開から大人気です。

 正直なところ、昨年の『ゼロの執行人』は、とても熱心なファンの方々が何回も観てくださったことがヒットにつながったとも感じています。それはとてもありがたいのですが、「ターゲットが広がったというよりも、その逆かも?」という懸念もあったんです。でも今回、原作で一、二を争う人気キャラクターである怪盗キッドがメインを張ることで、昨年を超えるほどに観てくださる方が多くいらして、改めて作品の底力を感じています。

――今回の映画がヒットした理由はどう分析しますか?

 個人的には、昨年とは方向性がガラッと変わって、ライトに観られることも足を運んでいただきやすくなった理由かなと思っています。人間の様々な感情を深く描き出す方向ではなく、むしろ、ちょっと笑いの要素が多い。京極が園子を背負う「背負い結びのシーン」も、京極はすごく真剣なのに、なぜか笑いが起こる。永岡智佳監督も「あそこは笑いどころです」とおっしゃっているので、その反応が正しいのだと思うのですが、真面目なのに笑いが起こるというのは、目からウロコが落ちるような気持ちでした。でも、そうした笑いの部分が、これまでの劇場版とはまた違った魅力になっていると感じています。

――今後やってみたいことは?

 これまでも脱出ゲームやカフェなどに挑戦させていただいていますので、それを続けつつ、今後は……まだ言えません(笑)。でも、やりたいことはたくさんありますので、期待していてください。また、この先にはTVアニメの放送25周年、放送1000回も待ち構えていますから、そこを目指してお祭りのように盛り上げていけたらと思っています。ちなみに、来年の劇場版に関しては、今、映画で流れている予告映像がすべてです。セリフは原作の青山剛昌先生が決めてくださったものですので、ぜひ劇場で観て、いろいろと想像していただきたいです。

 スタッフはみんな、とにかく面白いものを作って、みなさんにそういう作品があることを知っていただき、観ていただきたい。長く作品に関わっているスタッフが多いからこそ、阿吽の呼吸で進められる部分も多いです。ですから今後は、アクションもあり、ミステリーもあり、恋愛もあり、友情もありと、盛りだくさんなのが『名探偵コナン』ならではの部分と思いますので、いろいろなエピソードを描いていきたいと思っています。

TVアニメ『名探偵コナン』情報
〈放送情報〉
読売テレビ・日本テレビ系にて毎週土曜18時より放送

〈声の出演〉
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷 明 ほか

〈スタッフ〉
原作:青山剛昌(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
企画:諏訪道彦
チーフプロデューサー:諏訪道彦
           石山桂一
プロデューサー:米倉功人
        寺島清晃
アソシエイトプロデューサー:近藤秀峰
監督:山本泰一郎
音楽:大野克夫
キャラクターデザイン:須藤昌朋
美術監督:東潤一
色彩設計:海鋒重信
撮影監督:小川隆久
音響監督:浦上靖之/浦上慶子
オープニングテーマ:倉木麻衣「薔薇色の人生」
編集:岡田輝満
ストーリーエディター:飯岡順一
制作:読売テレビ/トムス・エンタテインメント

(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

《超!アニメディア編集部》
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