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【インタビュー】中島 愛、音楽活動復帰後初のアルバムは、“1stアルバムのように懐かしく、これまでにないほどに新しい”

2018/2/13


 2014年3月から本人名義の音楽活動を休止していた中島 愛。2016年12月に音楽活動に復帰した後、初めてリリースされるアルバムが今回の『Curiosity』だ。通算4枚目だが、本人いわく「再デビューのつもりで制作に臨んだ」というアルバムは、小泉今日子やポルノグラフィティを手がける田村充義(田村制作所)がプロデュースを担当。懐かしさと新しさの感じられるアルバムがどのように制作されていったのか。中島が自らの言葉で語ってくれた。

1stアルバムに寄せたのは、ひと区切り入れたかったから

――中島さんはこれまでに3枚のアルバムをリリースしてきています。今回のアルバム制作には、どのような思いで臨んだのでしょうか?
 自分としては“再デビュー”みたいな気持ちでした。純粋な1枚目ではないけれど、生まれ変わってもう1回リリースするという思いが強かったです。とはいっても、3枚制作した経験はありますから、制作過程で真新しさはなかったんですが、新曲が9曲も入るのが初めてだったので、常にレコーディングをしていたという意味では、今までに経験したことのないスケジュールで制作に臨みました。

――中島さんから「こういうアルバムにしたい」という要望はどのくらい入れたのでしょうか?
 私からのリクエストは、1stアルバムのころにお世話になった作家さんたちにもお声がけしたということくらいなんです。これまでにリリースしてきた3枚のアルバムを「You三部作」という、ひとまとまりのものというイメージで捉えているので、そこでひと区切り。『Curiosity』はそこからの一歩という意味も込めて、1stアルバムのイメージに寄せたいなと思ったんです。

――リード曲になっている「サブマリーン」は、ポルノグラフィティの新藤晴一さんが作詞を担当されていたのが意外でした。
 私では考えつかないような作家さんへのオファーは、スタッフさんが提案してくれたのですが、新藤さんには私もビックリしました。私にとって新藤さんは、CDやテレビのなかの人、遠い存在という印象だったし、ポルノグラフィティのロックテイストな音楽は私とは離れたところにあるような気がしていたんですね。今回、プロデューサーの田村充義さんがポルノグラフィティも手がけていらっしゃるということでご縁をいただいたのですが、歌手活動をしていくに当たって、新藤さんと会える世界線があったんだなっていうのが一番の驚きでした(笑)。

――「サブマリーン」自体が、これまでの中島さんを知っている人にとっては驚きの曲でもありますよね。さわやかな歌声で歌っているのに、歌詞がかなりダークで沈んだ感じがして。
 「猟奇」とか私のこれまでの曲にはなかったワードがたくさん出てくるので、聴いてビックリした方も多かったんじゃないかと思います。私にとっても、これらの歌詞は衝撃的でした。「サブマリーン」で書かれているのは、私から見ると、水面下にあって大人としてはあまり出さないほうがいいんじゃないか……と思うようなことなんです。でも、そういう闇のある歌詞を、キラキラした輝きのある曲に乗せることで表現することができる。それは私にとって発見でした。音楽的にも人生的にも先輩である方からこういった内容の歌詞を書いていただいて、音楽の可能性の広さを改めて認識できた気がしています。

――プロデューサーの田村充義さんといえば、中島さんも個人的に好きな小泉今日子さんなどの楽曲を手がけられていますよね。
 アルバムのプロデューサーが田村さんだと最初に聞いたときは、崩れ落ちそうでした(笑)。それから、率直に「頑張っていると、生きているといいことがあるんだな」と思いました。マネージャーさんから田村さんとご一緒できると聞いたあとは、速攻で母親に電話したくらい興奮していたんですよ(笑)。「私、憧れの世界にいる」みたいな充実感を持って制作できた3か月でした。
 田村さんとの制作は、本当に驚きの連続、目からウロコの連続でした。音楽って、練ったほうがいいものができるという側面もありますが、田村さんはそのとき受けた感覚で「いい」「悪い」や「楽しい」「楽しくない」を判断するんです。ボーカルのディレクションでも、選曲や歌詞の言葉のチョイスもそうでした。でも、速いからといって雑ということはなくて、これが第一線のプロなんだとおののくばかりでしたね。

今回のアルバムはビックリ箱のようなもの

――アルバムを頭から聴いていくと、3曲目まではすごくハラハラしたんです。だから、4曲目に「ワタシノセカイ」のイントロが流れると「知ってる曲が来た!」とホッとしてしまいました。
 新曲がとにかくバラエティー豊かなので、頭3曲はアトラクション感がすごく強いんですよね。これまでのアルバムでは“納得させること”や“安心できること”を重視して選曲してきたのですが、今回のアルバムは各曲の持つ個性を活かしたビックリ箱みたいな感じになればいいなと思っていたので、ハラハラしてもらえたのであれば狙いどおりです(笑)。

――ではここで、各曲のセルフレビューをお願いできればと思います。
1.「サブマリーン」
 さわやかなメロディーと相反する歌詞が印象的です。光と影、陰と陽の絶妙のちぐはぐ感がある曲。歌は極端なほどさわやかに振り切ったのですが、人を牽制するような、バリアを張っているような感じになっているのではないかと思います。明るいのに少しゾッとする、そんなギャップを感じてほしい曲です。

2.「Life’s The Party Time!!」
 ド直球のパーティーソングをヒャダインさん(前山田健一)が書いてくださって、歌詞はヒャダインさんと私で共作させていただきました。私が書いた歌詞の部分はちょっと内にこもった感じがあるかな。「殻を破れずに、うじうじしている自分」がAメロ、Bメロに乗っていて、そんな私をヒャダインさんが前向きな詞で背中を押してくれる……。すごく爽快感のある曲です。

3.「残像のアヴァロン」
 作詞をしてくださった岩里祐穂さんが「愛ちゃんはこんな曲も歌うんだ!」と驚いてくださった曲です。岩里さんは曲を聴いたあとに「母性をテーマにする」とおっしゃって、詞を書いてくださいました。息継ぎも大変なくらいたたみかけるような曲調で、私にしてはかなり珍しい曲だと思います。母性という割に、気持ちを投げつけるように強めに歌っているのもポイントですね。

4.「ワタシノセカイ」
 まだリリースしてから1年経っていないんですが、もう懐かしくも聞こえます。『風夏』という作品の世界観を意識して作られた曲で、歌も作品世界をイメージして歌ったので、最高にみずみずしい感じがします。ほかの曲が今の私の年齢に近いなかで、この曲は10代の感じがあっていいエッセンスになっていると思います。アルバムのなかでは数少ない、ほっと力を抜いてくれる曲になりました。

5.「Jewel」
 作曲の本間昭光さんには洋楽テイストで、エモーショナルでドラマチックと言うよりは、朝起きたときに静かに聴ける曲をお願いしました。単調なだけでも、情熱的なだけでもない、絶妙の温度感を持った曲に仕上がっています。おだやかななかに力強さのある、強い気持ちを秘めた曲です。「ワタシノセカイ」からの流れで、私の新しい表現を感じていただければと思います。

6.「思い出に変わるまで」
 プロデューサーの田村さんから「歌詞を書いてほしい」と言われて、作詞に挑戦したうちの1曲です。重永亮介さんが紡いでくださったメロディーを受けて、それに乗せるつもりで言葉を引っ張り出してきました。重永さんには1stアルバムのころからお世話になっていますが、当時は甘酸っぱい青春のラブソングが多かったんですね。この曲では1stアルバムのころの女の子が成長した姿というのを歌えたらと思って、それを詞にしてみました。

7.「ウソツキザクラ」
 田村さんからの「桜ソングを入れたい」「ウソツキって付けたい」というお題をもとに、Satomiさんが詞を書いてくださいました。今の関係を打破することをためらう、大人のラブソングです。「好き」って言ったら、桜の花を自分から散らすことになるんじゃないか、という不安を抱えて、始まってはいないけど終わらせたくもないというもどかしさを感じる曲ですね。こういうド直球のラブソングは、普遍的なテーマだからこそ違った色を入れたくなるんだなと歌っていて思って、直球だからこその難しさを改めて感じました。

8.「最高の瞬間」
 私の復帰のスタートを「ワタシノセカイ」とともに飾ってくれた大切な曲です。最初はアルバムの前半に入れるべきなんじゃないかと迷ったのですが、結果的に後半に入れてみても意外としっくりきました。アルバムを作ったことで、ライブのどこで歌っても違和感がない曲なんだなという発見がありました。

9.「Odyssey」
 私は個人的にここからの4曲を「変化球ゾーン」と捉えています(笑)。音数がすごく少ないようでいて、いろいろな音が入っているのもポイントです。淡々と歌いつつも、語尾のニュアンスなどで思いを込めました。ところどころ心に引っかかるような表現を入れているので、楽しみながら聴いていただけるのではないかなと思います。

10.「サタデー・ナイト・クエスチョン」
 フジファブリックさんのカラーがとても強い曲ですね。アルバムに入れることを考えて聴いてみると、1曲で自分たちの曲だと主張できるすごさがありますし、私もそういう歌手になりたいと思うくらいのパワーを感じさせてくれる曲です。10曲目におさまったのは、「Odyssey」と「未来の記憶」をつないでくれる力があると感じたからです。このあたりの流れも、楽しんでいただけたらうれしいですね。

11.「未来の記憶」
「残像のアヴァロン」がファンタジーと見せかけつつ、人間の普遍的な気持ちを書いている曲だとしたら、「未来の記憶」は物語性の強いザ・ファンタジー曲です。歌も、呪文を唱えているような感じで歌いました。コーラスや楽器として参加するみたいな気持ちでしたね。乙女心よりももっと純粋な、少女心に訴えるような世界になっています。

12.「愛を灯して」
 バグパイプなどの音から、北欧の大地のような開けた世界観を感じました。曲に合わせた前向きな、私が先頭に立っているような世界を書いてほしいと言われていたので、そのイメージで詞を書きました。復帰してからの一連の流れを締めくくるようなものしなくてはいけないと、自分を戒めながら書いた曲でもあります。

この先も新しい扉を開ける自分でありたい

――完成したアルバムを通して聴いてみた感想は?
 自分の思っていることも日々の行動も、全部声に出るんだなと、実感しました。これは復帰後に特に思ったのですが、個人名義の歌は自分自身が主人公になるわけですから、自分のなかにあるものを切り取って出すことになるんですよね。ですから、毎日ちゃんと生活をしなければ、いい歌は歌えないんだなとわかりました。

――復帰前まではちゃんと生活していなかった?
 生活を大事にしていなかったと思います。日々の暮らしより、ステージがよければ、レコーディングがよければそれだけでいいという考え方でしたから。でも、今回のアルバム制作を経て自分がちゃんと立っていないといけないと気づいたんです。きっとこれが「自覚」なんですよね。9年間の活動で自覚がなかったのかと思うと我ながら情けないですが、責任はちゃんと自分で取るんだぞと、今さらながら気づいた感じです。自覚を得て、レコーディング期間は自分と常に対峙していたので、生々しいアルバムになったと思います。「デビューして10年経った今の中島 愛はこれだ」と言える、そして「10年経ってもまだ新しいことができます」というプレゼン資料みたいな作品になったんじゃないかな。

――まだまだ中島 愛はこんなもんじゃないぞと。
 タンクは空じゃないぞ、というのは訴えたいです。まだまだ中島 愛には新しい扉があると感じてもらえる1枚になったと自負しています。曲間を開ける秒数など細かいところにも私なりのこだわりを入れましたので、まずは12曲を頭から順に聴いていただきたいです。そして、中島 愛は“こういう歌を歌う人”という固定のイメージがあるなぁという人にも聴いていただきたいですね。でも、今後もこのアルバムの方向でいくんだと思ってほしくもないんです。この先どんな道をいくのかは私にとっても未知数ですから。

――今後、どんな歌を奏でてくださるのか、楽しみにしています。では、最後に読んでくださっている方にメッセージをお願いします。
 改めまして、2017年に本格的に音楽活動に復帰した中島 愛です。このアルバムは全世代、男女問わず聴いてほしいアルバムになりました。私のことを知っている方も、名前だけは見たことある方も、「誰だ?」という方も、このインタビューで興味を持ってもらえたら、音を聴いて、いずれはライブにも来てほしいです。これから先も末永く活動していける自分でありたいと思っているので、ぜひこれからも応援よろしくお願いします

◆プロフィール
中島 愛【なかじま・めぐみ】
6月5日生まれ。茨城県出身。e-stone music所属。2008年にTVアニメ『マクロスF』のランカ・リー役で声優&歌手デビュー。2009年にシングル『天使になりたい』で個人名義でのリリースをスタート。これまでにシングル11枚、アルバム3枚をリリース。声優としての主な出演作は『ハピネスチャージプリキュア!』(愛乃めぐみ/キュアラブリー)、『君のいる町』(枝葉柚希)など。

<リリース情報>
アルバム『Curiosity』
フライングドッグより2月14日発売
BD付初回限定盤:4,104円</br
通常盤:3,240円

中島愛オフィシャルサイト 
http://e-stonemusic.com/mamegu/

中島愛オフィシャルTwitter 
https://twitter.com/mamegu_staff



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