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【インタビュー】坂本真綾が必死の決意で歌った!? 『カードキャプターさくら クリアカード編』OPテーマ「CLEAR」に込めた思いとは

2018/1/30


 『カードキャプターさくら クリアカード編』のOPを歌う坂本真綾。彼女が同シリーズ(以下「さくら」)のOPを担当するのは、約18年ぶり。時を経て『さくら』に携わることへの思いを聞いたインタビューが発売中の『アニメディア2月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めた、インタビュー全文をご紹介する。

――『カードキャプターさくら』のアニメは、約20年ぶりの放送となります。
 作品を好きな方にとっては待望の続編なので、きっと喜ばれた方も多いと思います。私自身、お話をいただいたときは驚きましたが、それと同時に、もっと若いアーティストさんがたくさんいるのに私でいいのかなとも思いました。歌いたいとは思いましたが、『カードキャプターさくら』は世界観がかわいいですし、主人公のさくらが中学生ですから、すっかり大人になった私が歌う意味は……と考えたんですね。でも、新たに始まった『クリアカード編』はキャストの方々も監督も前のシリーズと変わらないと聞いて、18年前の流れを大事にしたいと思っているんだなと感じて。「プラチナ」は私にとってターニングポイントとなる曲でもあったので、その曲を歌わせてくれた『カードキャプターさくら』という作品への恩返しにもなるかなと思って引き受けさせていただきました。

――『クリアカード編』のOPテーマとなる「CLEAR」の作詞は坂本さんご自身が担当されました。どういったテーマで詞を書こうと考えたのでしょうか?  
 浅香守生監督から「透明感とか透き通ったという意味だけではなく、何かを達成する、難関を突破するという意味での“クリア”も感じられる歌詞にしてほしい」とオーダーがあったので、まずそのテーマを考えました。それから『さくら』の登場人物たちは私よりもかなり若いので、大人っぽすぎない言葉のチョイスも必要だろうなと思いました。かつて『さくら』を観ていた人か、『クリアカード編』で初めて『さくら』に触れる子か、どちらのほうの視点に合わせるのが正しいのかを試行錯誤して、すべてをかなえる歌詞は無理なんじゃないかと思ったりもしましたが、できあがってみるとなんとなく全部取ることができたんじゃないかなと思っています。

――歌詞からは、一生懸命に頑張る人の背中を押すような雰囲気も感じられます。
 この歌の主人公は、昔さくらに憧れた大人の女性というイメージもあります。彼女は、きっと昔はさくらみたいに「魔法が使えたらな」と考えたこともあったと思うんです。18年という月日のなかで魔法は使えなくても、自分だけの方法でいろいろなハードルに挑戦したんだろうなと。そんなふうにして大人になった女の子たちへのねぎらいの気持ちを込めた歌詞でもありますね。一方で、小さな子には歌詞の意味がわからなくても、口ずさめるような覚えやすい歌詞を入れて、大人になったときに「この曲、なつかしいな」と思って聴き直してもらえたら、そのとき伝わればいいなという気持ちを込めました。

――曲中に「翼」という言葉があって、この「翼」を持っている子がさくら、というイメージなんですね。
 さくらが主人公の話なのに、「翼がない」って言っちゃっていいのかなと、原作者のCLAMP先生にも相談したんです。そうしたら「大丈夫」とおっしゃっていただけました。私は、さくらの素敵なところって、魔法が使えるところではなくて、彼女自身が持っているバイタリティー(活力)や、「誰かを守りたい」という強い意志だと思うんです。不思議な力や特別な力がないから素敵な女の子になれないとは思わずに、人それぞれの方法で目的地まで行けるという思いが伝わったらうれしいです。

――歌詞を読み込むと、ほかにもいろいろなメッセージが詰まっていますよね。
 そうですね。今どきの子たちって、SNSなどで人がうらやましがることをどうやって発信するかを一生懸命に考えている気がするんですね。私たちの子ども時代は「うらやましい」と思う対象は芸能人やキャラクターなどだったのに、今の子は自分に近しい子に劣等感を覚えていて大変だなと思って。「自分は自分でいいんだよ」ということも、ちょっとだけ言いたかったんです。それから、ハードルをクリアする、問題をクリアするという意味の「CLEAR」という単語として捉えたときに“何かをこれからクリアしなきゃ、クリアしたい”と思っている人の背中を押せるような曲になればいいなと思いました。

――かつてのOPテーマである「プラチナ」との関連性についても考えましたか?
 多少は考えました。私たちは18年の時を経ていても、さくらにとってはたったの1年の出来事なので、「プラチナ」の歌詞の主人公がほんのちょっとだけ大人の目線になったというイメージです。「プラチナ」できっと素敵なことが待っていると思っていたのが、実際にはうまくいかないこともあれば、想像よりもいいこともあると知って、全部が完璧じゃないとわかり始めたのが「CLEAR」の主人公です。

――ちなみに、歌詞を書くにあたり、過去のシリーズは観返しましたか?
 観返すどころか「プラチナ」を聴き直してもいないんです。「当時の作品と同じ感動を味わいたい」「『プラチナ』のような曲を」というファンのみなさんの気持ちもすごくわかります。でも、私自身「プラチナ」はライブでも歌い続けて、一緒に成長をしてきた曲という思いもあるんです。何より、私は今、自分が歌う「プラチナ」が一番いい「プラチナ」だと思っているので、過去のことはあまり考えないようにしようと思いました。

――今回の楽曲の作曲をいきものがかりの水野良樹さんが手掛けられた経緯を教えてください。
 もともと一緒にお仕事をしてみたい作家の方のひとりだったのですが、OPを作ろうとしたときに「いきものがかり、放牧」のお知らせがあって、これも巡り合わせかなと思ってお願いしました。いきものがかりの音楽って、若い世代の方にすごく伝わるんです。浅香監督から、とにかくわかりやすく、元気でかわいいポップな音楽を求められていたので、若い方に支持されている水野さんならピッタリの音楽を作ってくれるだろうなと。一緒にお仕事をするのは初めてでしたが、初めての方との挑戦は、さくらが進級して新しい世界に向かうという物語ともリンクできたのではないかと思います。

――曲も歌詞も「かわいさ」や「わかりやすさ」をテーマにしていますが、歌も同様のアプローチをされたのですか?
 自分のシングルでも、アニメのタイアップ曲はアニメに寄せて歌ってきたんです。でも、今回は今まで以上に自分のための曲ではないような気がして、歌い方もここ最近の自分よりはなるべくフレッシュに聞こえるように必死で歌いました。

――必死で、ですか。
 必死で、ですよ(笑)。この曲は、小手先のテクニックだけで歌うと、途端にウソっぽくなるんです。ですから、うわべだけの歌にならないように、真剣に、必死に、決意を持って歌いました。18年の時を経てついに幕開けとなる今作のOPですから、テレビの前の人たちの高揚感やスピード感、扉を開ける瞬間の気持ちに寄り添うように頑張りました。

――カップリングの「レコード」は、「CLEAR」とは一転して大人っぽさの感じられる曲です。
 こちらは、堂島孝平さんのデモをたまたま聴く機会があって、ひと聴き惚れして、「この曲をぜひ私にください」とお願いした曲です。「CLEAR」ではさくらに寄せて歌詞を書いたので、カップリングはもう少し大人の世界観でもいいかなと思いましたし、曲がノスタルジックな雰囲気なので、「CLEAR」よりは気持ち大人な曲になりました。「CLEAR」やさくらとはなんの関係もない曲ではありますが、最近身の周りに「プラチナ」が初めて買ったCDという方も多かったので、そこからインスピレーションを受けて書いたフレーズもあります。当時、初めて「プラチナ」のCDを買った人たちも大人になって、住む場所が変わったり、いろんなことが変化したりしていると思うので、そんな人たちが過去に思いをはせるように聴いてくれたらうれしいですね。

――そして「プラチナ」のアコースティックライブバージョンも収録されています。
「プラチナ」は最近の私のライブでの定番曲で、私自身や私のファンの方には新鮮味がないと思いますが(笑)、「CLEAR」で久々に『さくら』のことを思い出す人がこのCDを手に取ったときに「この曲好きだったなぁ」とかなつかしいなぁとか思ってくれたらいいのかなと思って入れました。今の私が歌う最新の「プラチナ」はこんな風になりましたというメッセージのようなものですね。私自身は、「プラチナ」を歌っていた当時は、歌詞の主人公のことを受け身な子だなと思っていましたし、素敵な歌詞だなとは思っていても、どこか懐疑的に捉えていたところもあったんですね。でも、自分が歌い続けるうちに解釈も意味合いも変わって、「信じなければ始まらない」と思えるようになったので、その気持ちを「CLEAR」の歌詞にも盛り込んでいます。私にとって「CLEAR」は「プラチナ」を歌っていたころの自分への“心のアンサーソング”のようなものです。

――ビジュアルイメージは、かなりビビッドなものになりました。  
 最近は落ち着いたトーンが多かったので、原色系もいいよねということで、今回のジャケットの色が決まりました。普段から地味めなものが好きなので、自分で色を選ぶと地味になっちゃうんですよね。今回、オレンジや紫のジャケットを提案されたとき「好みの色じゃないな」とは思ったのですが、普段選ばないからこそチョイスしてみたらしっくりきて、今ではとても気に入っています。

――改めて振り返ってみて、2017年はどんな年でしたか?
 波瀾万丈な1年でした。2016年にデビュー20周年という節目が終わって、上半期はゆっくりしたスケジュールで過ごしていたんですが、休んだら体調不良とケガに悩まされて(笑)。忙しいほうが性に合っているみたいで、下半期に忙しくなってからのほうが元気です。

――2018年の抱負を教えてください。
 「体が資本」という2017年の教訓をきちんと活かします。仕事が好きなので、仕事をちゃんとするために体力作りをちゃんとしようと思います。初めての海外公演もありますし、新しいことにまた挑戦できるのが楽しみですね。

――最後に、アニメディア読者にメッセージをお願いします。
「CLEAR」は『カードキャプターさくら』に捧げる曲として作りました。この作品を愛する方にぜひ聴いていただきたいです。18年という月日が流れても再集結できるのはすごく素敵なことだと思うし、再集結できたのはみなさんがそれぞれの仕事を続けてきたからこそだと感じています。「プラチナ」は10年、20年かけてみなさんに深く愛されるように育った曲だと思いますので、生まれたての「CLEAR」もライブなどと共に成長させられたらうれしいです。

◆プロフィール
坂本真綾【さかもと・まあや】3月31日生まれ。東京都出身。フォーチュレスト所属。

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CD INFORMATION
CLEAR/坂本真綾
坂本真綾の27枚目となるシングル。表題曲の歌詞は坂本本人が、作曲はいきものがかりの水野良樹が手がけている。坂本の伸びやかで澄んだ歌声が心地いい1曲。カップリングは「レコード」と、『カードキャプターさくら』の前シリーズのOP「プラチナ」のアコースティックライブバージョンを収録。
1月31日発売 フライングドッグ 1,404円(税込)

 

<『カードキャプターさくら クリアカード編』情報>
毎週日曜日朝7時30分よりNHK BSプレミアムで放送中

<STORY>
「クロウカード」と呼ばれる世に災いをもたらすカードを集め、魔法の力を使って自分のカードに変えた少女・木之本桜。中学生になったさくらは、香港に帰国していた少年・李小狼と再会し、同じ学校へ通えることを喜び合う。ところが、ある夜、さくらのカードに異変が生じ、時を同じくして友枝町で不思議な出来事が起こり始める。

公式サイト
http://www.nhk.or.jp/anime/ccsakura/

(c)CLAMP・ST/講談社・NEP・NHK



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