優木かな初のコンセプトミニアルバム「心の花が咲き終わる前に」は色の見えない女の子の物語。込めた想いとは【インタビュー】 | 超!アニメディア

優木かな初のコンセプトミニアルバム「心の花が咲き終わる前に」は色の見えない女の子の物語。込めた想いとは【インタビュー】

2018年6月27日に「Kana Note」をリリースし、アーティストデビューを果たした声優・優木かな。11月28日には2ndシングル「Be yourself!」、そして自身の誕生日でもあった2019年3月10日にはバ …

ニュース
注目記事
DSC04955
  • DSC04955
  • 優木かな初のコンセプトミニアルバム「心の花が咲き終わる前に」は色の見えない女の子の物語。込めた想いとは【インタビュー】
  • 優木かな初のコンセプトミニアルバム「心の花が咲き終わる前に」は色の見えない女の子の物語。込めた想いとは【インタビュー】
  • 優木かな初のコンセプトミニアルバム「心の花が咲き終わる前に」は色の見えない女の子の物語。込めた想いとは【インタビュー】

 2018年6月27日に「Kana Note」をリリースし、アーティストデビューを果たした声優・優木かな。11月28日には2ndシングル「Be yourself!」、そして自身の誕生日でもあった2019年3月10日にはバースデーライブを実施するなど、声優業と並行してアーティスト活動も精力的に行っている。

 そんな彼女が2019年6月26日にコンセプトミニアルバムをリリース。タイトルは「心の花が咲き終わる前に」で、霜月はるかがサウンドプロデュース、優木自身がリリックプロデュースしている。今回は本ミニアルバムについて優木さんにインタビュー。バースデーライブについて振りかえっていただきつつ、アルバムのコンセプトなどについてお話をうかがった。


ーー今回のコンセプトミニアルバムに収録されているいくつかの曲はバースデーライブでも披露されていました。まずはそのバースデーライブを振り返ってみての感想をおうかがいできればと思います。

 2019年のバースデーライブは3月10日、私の誕生日当日にやらせていただいたということもあり、今でも昨日のことのように……は言い過ぎかな(笑)。でも、まだ3、4カ月しか経っていないけれども一生忘れることはないだろうと感じるくらい、思い出深いイベントになりました。また、個人としてライブをやるのが2回目だったので、初めてのライブでの反省点を踏まえて、色々と工夫できたライブでもありました。

――完成度は最初のライブより間違いなく高いと感じました。一方で変わらない、“優木さんらしさ”を感じるシーンも多々ありました。例えば「無理してまで応援して欲しくない」という言葉。

 言いましたね(笑)。

――バースデーイベントではなかなか聞かないような言葉でしたが、偽りのない言葉だと感じて、とても心に刺さりました。

 きっと本当はあまり言っちゃいけないようなことだと思います…(笑)。でも、私は自分が思っていることを素直に皆さんに伝えていきたいと思っているんです。こういう言葉は語弊がないように伝えたいのですが、端々だけで受け取られてしまったり文字に起こすと伝わり方が変わってしまうことがあります。でも、私は皆さんのことを想って、そして私自身のことを想って発言をしました。それがちゃんと伝わればいいなと思っています。

――伝えられるようにしっかりします。

 いえいえ、いつもありがとうございます! でも、よろしくお願いします(笑)。

――お願いされました(笑)。続けて、今回のコンセプトミニアルバムのことについておうかがいします。まず、アルバムのコンセプトについて教えていただけますか?

 今回のアルバムは一つの物語になっています。主人公は色が見えない女の子。その子が絵描きになるという夢に向かって努力する、成長していくというストーリーです。彼女にとって絵描きになるのは難しいことかもしれないけれど、それに向かって頑張っていく、そしてたどり着くところは……という内容になっていますね。展開としてはありがちかもしれませんが、誰しもがネガティブなことやコンプレックスを抱えているなかで、やりたいことや夢を見つけていくものだと私は思っています。それを伝えられればいいなと思いながら、コンセプトを考えました。

――ストーリーはどなたが考えられたのですか?

 私が考えました。コンセプトアルバムをリリースするにあたって大筋を決めたほうがいいということは霜月さんにアドバイスをいただいたんです。それでこの物語を考え付きました。

――なるほど。お話をうかがっていると、ミニアルバム全体を通じて物語になっていそうですね。

 1曲目の「心の花が咲き終わる前に」が本の表紙、続く「星たちへのワルツ」がプロローグで、「Unlimited」「Over The Rainbow」ときて「モノクローム・フラワー」で物語が結末を迎えて、「KanaNote」のアコースティックverがエンドロールのときに流れる、というイメージの構成になっています。

――そんな物語調になっている本ミニアルバム。一曲、一曲についてお話をうかがわせてください。まずは表題曲「心の花が咲き終わる前に」にから。

 この曲は主人公の女の子が伝えたい気持ちを込めて書いてもいるのですが、表題曲ということもあって、私の気持ちも大いに乗せた歌詞になっています。

――バースデーライブのときにはこれまでの楽曲ともリンクしているというお話がありました。

 そうですね。歌詞も「Kana Note」や「Be yourself!」から一部抜粋していたり、振り付けも「Be yourself!」と同じことをやっている箇所があったりします。3曲目にしてですが、私の集大成となる曲に仕上がっているんじゃないかな。


――「Kana Note」や「Be yourself!」はこれまでの活動や人生を振り返って書き連ねていた歌詞になっていましたが、この曲も?

 時系列的には「Be yourself!」、「Kana Note」ときて「心の花が咲き終わる前に」という順番になります。この曲は今の私の気持ちを表しているので、その点にも注目して歌詞を見ていただきたいですね。

――では今度は曲を聴いたときの印象についても教えてください。

 華やかだなと思いました。だから、「花」をタイトルにして、メインの歌詞にしようとも思ったんです。「Be yourself!」は前向きにさせられる曲だったと思うのですが、今回の曲は内側から花が咲いていく、自分を高めていく曲。歌詞もそうしたいなと思って書きました。

――そういったポジティブな要素のある曲ですが、タイトルに「終わる前に」と使われています。

 「ネガティブな意味にも捉えられるんじゃないか」ということを制作時にも言われたのですが、このタイトルには「後悔しないように」という意味を強く込めています。ライブのときにも言ったのですが、この世の中は有限なものだらけなんですよ。私もいつかは死ぬだろうし、応援してくださっている皆さんも悲しいことにいつかは死んでしまう。ただ、それまでは悔いが残らないように人生を送りたいじゃないですか。そこまでいくと、大きな話になってしまいますけども、例えば宿題だって、締め切りがある。それなら、それまでに終わらせようということなんです。とにかく、人生には有限なことが多いので、後悔しないようにしようという意味で「終わる前に」と付けました。

――なるほど。

 ライブやラジオもそうなんです。皆さんが限りあるお時間を費やしてくださっています。そのおかげで私のなかの花が綺麗に咲く。そうなるように頑張らないといけないとも思っています。

――綺麗な言葉です。

 花で例えるとなんでも綺麗になる説(笑)。

――優木さんが言うから、綺麗な言葉になっているんですよ、きっと(笑)。この曲はバースデーライブでも披露されていますが、そのときはどのような想いを込めていましたか?

 この曲は事前にラジオなどでも流していたのですが、振りを付けて人前で歌うのは初めてでした。だから「私はこういう想いで歌っているんだよ」ということを伝えられるよう、歌い方や振り付けで表現することを一番に考えていました。

――伝えたい想いをできるだけのせてパフォーマンスした。

 そうですね。声優の私が歌に込められることって、言葉ひとつ、ひとつにより感情を乗せることだと思っているんですよ。上手に歌うよりも感情を乗せて伝える、伝えたいということを意識していつも歌っています。

――声優であることへの誇りも感じました。

 ありがとうございます。

――続く2曲目は「星たちへのワルツ」。こちらの歌詞は金子真由美さんとの共作ですが、どのように制作を進めていきましたか?

 まずは金子さんに「星たちへのワルツ」は物語の導入部分になる曲と伝えて、私なりの解釈をぶつけました。それを金子さんがくみ取ってくださり、歌詞の原案が上がってきて、それを私が部分的に変えたり、ここはこうしたいとリクエストしたりするという形で進行していったという感じです。

――導入部分ということですが、ストーリー的にはどのような展開になっているのでしょうか。

 女の子の幼少期になっています。「」の部分は女の子がこう言うだろうというセリフを金子さんにお伝えして書いていただきました。

――あそこの部分は女の子のセリフなんですね。

 そうです。あそこは女の子のつぶやきなんです。あと、この曲は女の子が歌っている部分と歌っていない部分があって、歌っている部分は裏でうすく聞こえている、というちょっとした仕掛けがあるんですよ。

――そんな仕掛けが!

 他にも「星たち」というこれまでの楽曲にも入っているワードをこの曲にもちりばめています。他の曲も色々と仕掛けがあるので、そこも楽しんでいただきたいですね。

――仕掛けを探すのも楽しい曲たちなんですね。楽曲はワルツですが最初に聞いたときはいかがでしたか?

 暗い感じでも明るい感じでもない、淡々と女の子が過ごしていると感じました。まさに思っていた通りの曲だったので、さすが霜月さんだと思いました。

――表題曲はご自身の経験も踏まえた歌詞になっているとのことでしたが、2曲目以降はいかがですか?

 うーん……。難しいところです。私自身と言えばそうだし、私じゃないと言えばそれもそうだし……。というのも、今回の楽曲たちは誰しもが抱えるであろう悩みなどを投影しているんですよ。

――なるほど。

 物語の主人公である女の子は色が見えません。きっとこれは多数の人とは違う感覚だと思います。でも、誰しもみんなとはちょっと違う考え方をすることがあって、それに悩んだり落ち込んだりすることってあると思うんですよ。私も少数派の意見になることがあります。でもそれは決して悪いことじゃないだろうし、だからこそできることもあると私個人としては思っています。

 こういう想いを自分で消化するのは難しいんですよね。私も学生の頃は「何でこの意見がダメなんだろう」と感じることが多かったです。自身の意見や想い、感覚が少数派だと悩んでしまうこともあると思いますが、それでも、不誠実でなければ胸を張っていればいいと思うんですよね。今回の物語に登場する女の子を通してそれを伝えられればなと思っています。

――優木さんらしい、誠実なメッセージありがとうございました。では改めて、続く、「Unlimited」のことについてお話を聞かせてください。本曲はご自身が作詞されていませんが、作詞を担当された金子さんにお願いする際、どんなリクエストを出されましたか?

 実は「Unlimited」と4曲目の「Over The Rainbow」は今回のアルバムのなかで最初に出来た曲なんです。ただ、歌詞を書いていただく際、金子さんにはストーリーの全貌を明かしていなくて、キーワードだけお伝えしていたんです。そのキーワードからくみ取っていただいたので、他の曲よりちょっと浮いていると感じる方がいるかもしれません。でも、あえてそうしています。

――その意図は?

 この2曲はコンセプトアルバムのなかで女の子が夢を叶えているところ、そして「夢が叶ったら……」ということを考える部分なので、あえて浮かれてもいいかなと思ったんですよね。女の子が”夢“を叶える感じを出したかったんです。

――なるほど。そうなるとタイトルの「Unlimited」というのは深い意味がありそうです。

 そうですね。私が人生は有限なことばかりと言っているのに、曲のタイトルには無限という意味があるものをチョイスするというね(笑)。でも、それも色々と含みを持たせて付けたつもりです。

――この曲にも「白黒」や「モノクロ」といった色に関する言葉がちりばめられていますね。

 色に関しては、金子さんにお伝えしたキーワードのひとつで、歌詞にも入れていただきました。この曲は絵描きになりたい女の子の葛藤、そしてそのために頑張っていることを表現している段階の曲になっています。

――一方で4曲目「Over The Rainbow」は「虹」という彩り鮮やかなタイトルになっています。

 努力していれば嬉しいことや、実を結ぶことってあるじゃないですか。そのときの喜びや感謝の気持ち、満たされた気持ちを表現しているのが「Over The Rainbow」です。だから、今回のアルバムのなかで唯一と言っていいほどハッピー感が溢れている曲に仕上がっています。

――なるほど。ただ、物語の結末と位置付けられた5曲目は「モノクローム・フラワー」と再び「モノクロ」となります。

 この曲に関しては、正直あまり深くお話はしたくない! というのも、物語のエンディングということもあるので、皆さんに色々と考察をしていただきたいなと思っているんですよ。「モノクローム・フラワー」はハッピーエンドともバットエンドとも捉えられるし、もしかしたら「俺たちの戦いはまだこれからだ」みたいな結果だと感じる方もいるかもしれません。あえて曖昧な歌詞にして色々な捉え方ができるようにしているので、さまざまな解釈をしていただければと思っています。

――確かに、色々な捉え方ができそうな曲です。

 ひとつだけ言えるのは、女の子に最終的に咲いたのは、色が付いてない花だったよということ。それをどう捉えるのかは皆さん次第、という感じです。

――物語としては考えている結末がある?

 そうですね。皆さんにはまだ教えられないですが(笑)。今日お話したこと以外にも色々な仕掛けがこのミニアルバムにはあります。全部言いたいけども言ってしまったら意味がないから、どうやって伝えていくか……。難しいところです。

――答え合わせはいつかする予定がある?

 9月に発売記念イベントがあるので、そこで色々とお話できればと思います。ただ、今回のアルバムはこういう仕掛けが楽しいだけでなく、一曲、一曲を素敵な楽曲に仕上げていただいています。なので、単純に音楽を楽しんでいただけるのも嬉しいですね。友達にもおすすめして布教していただければ!

――発売記念イベントのほか、8月からは「優木かなアコースティックライブ2019」も始まります。こちらはどういったライブになる予定でしょうか?

 アコースティックのみでのライブが初めてになるので私もどういう雰囲気になるのか、楽しみにしています。また、今回のアルバムを引っ提げてのライブとなっているので、このアルバムを聞きこんでいただいて、皆さんなりの解釈を持ってライブに来ていただけると嬉しいです。朗読に近い感じで聞いていただいても面白いかもしれません。

――では、楽曲だけでなく、朗読的なこともやりますか?

 できたら面白いですね! 検討してみます。あと個人的にソロでは初めて関東外でライブをするのでみんなが来てくれるのか……という不安もあります。あの……最低1名申し込んでいただければバスも出るらしいので、移動手段がないという方はよかったら利用してください(笑)。

――それも原稿に書いておきます。

 よろしくお願いします(笑)。

ーー本日は色々とお話いただきありがとうございました。最後に今後の目標について教えていただけますでしょうか。

 来年も誕生日近くにまた1つレベルが上がったライブイベントができればと思っています。アーティストとしても活動している優木かなの今後の動向にご注目ください!


【CD発売情報】
●コンセプトミニアルバム「心の花が咲き終わる前に 【初回限定盤】」

価格:3,980円+税
初回限定盤特典:3月10日に白金高輪 SELENEにて開催された「優木かなBDライブ2019 KanaNote 第一章 -The First Chapter-」のライブ映像(ダイジェスト)が ダウンロードできる M∞カードを封入

●コンセプトミニアルバム「心の花が咲き終わる前に 【通常盤】」
価格:2,400円+税

発売元:フロンティアワークス/コネクトハーツ
販売元:フロンティアワークス

収録内容
1.心の花が咲き終わる前に
2.星たちへのワルツ
3.Unlimited
4.Over The Rainbow
5.モノクローム・フラワー
6.KanaNote(アコースティックver)

特典情報:
・アニメイト ブロマイド 1種(アニメイト限定柄)
・ゲーマーズ ブロマイド 1種(ゲーマーズ限定柄)
・とらのあな ブロマイド 1種(とらのあな限定柄)
・ソフマップ ブロマイド 1種(ソフマップ限定柄)


《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集