5月25日に東京・Zeppブルーシアター六本木で舞台「ALL OUT!! THE STAGE」の公開ゲネプロ、および囲み取材が行われた。(~6月4日(日)まで上演)本作は、去る3月までTVアニメが放映されていた原作:雨瀬シオリによる本格高校ラグビー漫画「ALL OUT!!」(講談社 月刊『モーニング・ツー』連載)の舞台化作品。公開ゲネプロの前に行われた囲み取材には、祇園健次役を務める原嶋元久、石清水澄明役の伊万里有、神奈川高校ラグビー部のキャプテン・赤山濯也役の佐伯大地、同部副キャプテン・八王子睦役の松風雅也、主人公チーム神奈川高校ラグビー部をコーチとして率いる籠信吾役を務める萩野崇、さらに舞台『弱虫ペダル』シリーズでの活躍により「2.5次元演劇の潮流」の立役者と称される本作の脚本・演出である西田シャトナーが登壇し、舞台への意気込みなどを語った。
原嶋元久
伊万里有
佐伯大地
松風雅也
萩野崇
◆本作出演への意気込みをお願いします。
原嶋元久:祇園健次役の原嶋元久です。今回この「ALL OUT!! THE STAGE」、面白いものができたと思います。この作品が始まる前(制作発表記者会見で)、「全員がオールアウトできることを目標に」と言ったのですが、今日から始まる本番に向けて、今度はお客様の心にトライできるように一生懸命頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
伊万里有:石清水澄明役の伊万里有です。(キャストの)それぞれが熱い思いを抱いているのですが、その思いのまま、素晴らしい初日を迎えられると良いなと思っています。お客様と共に、トライできるといいな、と思っています!
佐伯大地:赤山濯也役の佐伯大地です。この作品はかなり斬新で熱のある作品に仕上がったと思います。ただ、まだいっぱいいっぱいの部分もあるんですが、それも含めて良い作品になるように全力を尽くしますので、ノーサイドまで皆さんお付き合いください。よろしくお願いします!
松風雅也:八王子睦役の松風雅也です。世界“おそらく”初のラグビーの舞台化ということで、シャトナーさんを中心にですね、発明に近いような画期的なことをふんだんに盛り込んで、素晴らしい舞台ができました!我々は稽古期間を経て、昨日も場当たりとか、色々やってたんですが、一丸となっていますので、全員一丸となって、お客様の心にトライしたいなと思っています(笑)。
萩野崇:籠信吾役の萩野崇です。稽古から通してずっと生徒達の頑張り、そしてシャトナーさんの創り上げたものが、これ程までの大傑作になるとは思いもよらなかったですし、皆さんも想像できないと思います。ぜひ観に来てください。…トライは言わなくて良いですか?(一同爆笑)
西田シャトナー:ラグビーの芝居をするって言うのは自分にとって、まず、お話を頂いた時の段階では、どうやって演劇化するかっていうのは想像がつかない事でした。私は、未知の世界に冒険していくっていう事が演劇の役目だと思っておりますし、自分の最も興味のある事だとも思いまして、このお芝居に参加させていただきました。まずは冒険と思って始めたんですけども、原作と付き合っていくうちに、これは「人生の冒険を始めようとしている若者達の青春の物語」であるということに気付きました。結果、そうして今は改めて皆さんの前で始まる冒険ですが、素晴らしい冒険の作品になったと思います。
◆この作品に関わる前と今で、ラグビーというスポーツに対する印象はどのように変わりましたか?
原嶋:色んな体格の人がいるんだな、ということをこの作品を通じて改めて知りました。この作品の中にもある言葉で、「誰でも主役になれる」という、そういうスポーツなんだという根本的なことから気付いたことで、ラグビーに対して愛が芽生えるようになりました。
伊万里:今はこう、舞台上でラグビーをお芝居で表現してるんですが、「実際にラグビーをやってるな」と思いますね。実際に痛いんですよ。
佐伯:やってないんだけどね。
伊万里:そう。やってないのに。力はお互い入るし、タックルとかも実際にするので、ラグビーって本当に男同士の戦いなんだなと改めて気付きましたね。
西田:痛くないようにしようと思ってたんだけど、痛くなっちゃったね。
伊万里:そうですね。自然と。
◆ラグビーが題材ということで、過酷なお稽古だったであろうことは想像ができるんですが、技術的に、または体力的にコレは厳しかったな…ということは?
原嶋:厳しかったな…というのは、僕は「亀」っていう練習をするシーンがあるんですが、見た目はもの凄く地味なんですけど、メチャクチャキツいってことをセリフでも言ってますので、チェケラ!!(笑)
松風:急にチャラくなったな。びっくりした(笑)
佐伯:僕はそうですね。どれか一個と言うか、一個一個のシーンが「これ出来るの?」という所から始まるんですよ。そのたび、みんなで考えてみんなで身体を動かしてやってみるんですよ。で、それを動画で撮っておいて後で見るんですが、「これ、凄い!」っていうことの繰り返しで。毎日がゼロからのスタートというニュアンスで稽古をしてきたことが、大変であり、楽しかったですね。
伊万里:(佐伯)大地くんが言った通りで、身体も辛いですが、頭で考えないといけないし、全てが大変なことだったな…と思います。
松風:シャトナーさんが最初に、舞台上でそのままラグビーをやっても、我々もお客さんも誰も得しないからやらないと仰っていて。だから、当たり前ですが実際にはラグビーはしません。(ラグビーというのは)フィールドも本当に広くて、みんなで実際にある強豪ラグビー部の練習を見学させていただいたりもしたんですが、それでも実際にラグビーはやりません。それをしないということで、マイム指導のいいむろ(なおき)さんに指導していただいて、その場で走ることもそうですし、スローモーションだとかカメラワークだとかも僕らが自分でやります。走ったりとか止まったりとか基本的なこと全部。全部僕らでやるんです。ぜひ、その辺を注目して観ていただけたらと。
萩野:僕は選手じゃないんですが、稽古を見てて、涙が出るのを抑えるぐらい…それが大変でした。(一同、笑)
◆「ALL OUT!!」という2次元の作品を、どのようにして2.5次元に仕上げたのか。その工夫とかがあれば教えてください。
西田:2.5次元演劇という言葉が最近、たくさんの方が知る言葉になりましたけれども、あまり2.5次元ということではなく、作家(雨瀬シオリ)が実際に見たであろう、漫画の2次元の元になった、実在する人物たちを一生懸命想像しようということを心がけました。だから、ある意味で原作の懐に入った、「1次元」といえる作品になったのではないかと思います。そして先ほども松風さんが言ってましたが、いいむろさんが原作を一緒に読み込んでくれて、原作の体の動きなんかを役者に事細かに指導してくれたので、それによって次元の壁を越えた動きになってると思います。
◆原作のファンに、ここを特に注目してもらいたい!という部分はどこですか?
西田:原作ファンの方々はキャラクターに注目してくださってると思いますし、物語の部分もちゃんとやってくれるのかな、と厳しい目で見てくださると思うんですけれども、それはずっと原作のファンの方に喜んでもらえるように意識しながら心がけて創りましたので、もしも自分たちが間違いを犯していたら指摘して頂きたいと思います。…あっ、そんなこと言わん方がええかな(笑)自分も原作ファンとして同じ目線で楽しめたら良いなと思います。どうしても尺やいろんな都合で、全部のキャラクターを出すことが出来なかったので、今回大成功をおさめて、「是非とも続編を!」となったら全員を出すバージョンで作って見たいと思いますので、応援のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
◆この企画が始まる前の自分と、今の自分のお身体や精神的な成長の仕上がり具合はいかがですか?
原嶋:体脂肪率は落ちました。そして数字的な面だと、ウェストも3cm細くなりました。そして、稽古場でも筋トレに詳しいメンバーもいたりしますので、色々教わって、僕らは僕らなりの体作りをしてきましたので、確実に脂肪が落ちて、筋肉が付いたなとい思います。
伊万里:いつもはガッチリした役が多いんですが、今回はひ弱なイメージの役ですので、この弱々しい格好が身に付いちゃって、(ポーズを)こうやってないと落ち着かなくなっちゃいました。だから、舞台終わった後もこのままなのかなって。
佐伯:僕は背中の大きさですね。赤山という男は身体もそうですが、一番大切な男として背中で語れるようにならないといけないな、と思って、背中と肩幅は重点的に鍛えました。
松風:先ほど述べたように、“おそらく”世界初のラグビーの舞台化ということで、実際は凄く動くものを限られた舞台で表現するって事を、始めは「どうするのかな」と不安に思ったこともありましたけど、今は内容に関して不安感が全くないということが凄いなと。僕らの中で、これは伝わるのかな?とかいう不安が全くなくなったことが精神的に大きく変わった部分だと思います。
西田:みんなキツかった…というけど、楽しかったでしょ?
全員:…楽しかったです!
西田:なんか俺が無理やり言わしたみたいやな(笑)
公式サイト
allout-stage.com
舞台公式twitter
@allout_stage
©雨瀬シオリ・講談社/「ALL OUT!! THE STAGE」製作委員会