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櫻井孝宏、宮野真守が語る『BLAME!』の魅力とは? 劇場アニメ『BLAME!』公開記念インタビュー

2017/5/31


 2017年5月20日から2週間限定で劇場アニメ『BLAME!』が公開された。本作は、講談社『アフタヌーン』で1997年から2003年に連載され、TVアニメ化された『シドニアの騎士』で第39回講談社漫画賞を受賞した漫画家・弐瓶勉先生のデビュー作を原作とした劇場アニメ。20年の年月を経てついに映像化された作品だ。  今回、メインキャラクターである霧亥(キリイ)役の櫻井孝宏さんと捨造(すてぞう)役の宮野真守さんにインタビュー。作品の世界観からオーディションの話、収録現場の様子などたっぷりとお話を伺った。

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 2017年5月20日から2週間限定で劇場アニメ『BLAME!』が公開された。本作は、講談社『アフタヌーン』で1997年から2003年に連載され、TVアニメ化された『シドニアの騎士』で第39回講談社漫画賞を受賞した漫画家・弐瓶勉先生のデビュー作を原作とした劇場アニメ。20年の年月を経てついに映像化された作品だ。 

 今回、メインキャラクターである霧亥(キリイ)役の櫻井孝宏さんと捨造(すてぞう)役の宮野真守さんにインタビュー。作品の世界観からオーディションの話、収録現場の様子などたっぷりとお話を伺った。

――最初に作品の設定やビジュアルを目にしたときの第一印象を教えてください。

宮野真守さん(捨造役):オーディションのときに作品に触れたのですが、世界観の奥深さを物語るようなたくさんの資料をいただきまして。独自の世界観、設定におけるワードがセリフのなかで飛び交っていたので、とても興味を惹かれました。そのなかでどういうお芝居ができるか、すごくすごく考えながらオーディションに臨んだ記憶がありますね。

櫻井孝宏さん(霧亥役):僕は『シドニアの騎士』というアニメの劇中作品として『BLAME!』に参加していまして。そのときにはこのような形になるとは全然知らなかったですし、そういう話はなかったと思うのですが、そこで霧亥として収録したのが初でした。それをきっかけに原作にも触れたのですが、いい意味で今っぽくないというか、クラシックなSFの世界だなと思いました。設定も日本人だからこそできるようなものになっていたので……。

――日本人だからこそ、というのはどのあたりに感じましたか?

櫻井さん:キャラクターの語感、名前ひとつとってみてもそう感じました。それが先生の味なのかなと思いますが、メカニカルなんですけど、どこか生っぽさがある、詫びさびが感じられるようなクールすぎない世界観が日本人だからこそなのかなと。特に原作の細かく、緻密に描いていく精神性を見てもメイドインジャパンって感じがしますね。雰囲気もそうですし。 

――電基漁師という職業の名前も日本的ですが、宮野さんはどう感じられましたか?

宮野さん:セリフの書かれ方も口調も時代ものっぽいと言いますか。そういうところが、櫻井さんがおっしゃったように日本的だなと。収録はプレスコで映像がなかったので、感覚的にはずっと時代ものをやっているような感じだったかも。武器の名前も「打銛」ですし、そういう日本的なものとSFがどう融合するのか……。僕は台本から作品に触れたので、すごく楽しみでした。そして完成したものを見て、SFの世界観なのにこのクラシカルなセリフ回し、質感がこんなにも化学反応を起こすんだというのが面白かったですね。いろいろとびっくりするところがありました。

――それではキャラクター作りについてお聞きしますが、まずは櫻井さん。霧亥は何を考えているかわからないキャラクターでしたが、どのようにキャラクターを作っていかれたんですか?

櫻井さん:キャラクター性は彼の言葉と映像頼りなところがありましたが、台本のト書きからとか共演者の方と相談しながら場面を想像したりとか。また、僕は原作の知識が多少あったので、ビジュアルはこうなるのかな? というおおよそのイメージをしながらお芝居していました。霧亥は無口なキャラクターであまり喋らないのですが、台本上には実はもうちょっとセリフがあって、もう少し長かったのですが、収録していくなかで、監督からそのセリフをそぎ落としていく提案がありまして。それが僕のなかでキャラクター性を捉えるヒントになりましたね。文章レベルだと、この人、もっと喋るんじゃないかな? って思っちゃうんですけど、そうすると喋れるのにどうして喋らないの? とちょっと意地悪なことを思ってしまう。でも、それが単語でのやりとりになることで、「霧亥はこういう人なんだ」というのがより浮き彫りになるので、現場で調整しました。また、霧亥は「ネット端末遺伝子」を探しているというのを繰り返し言うのですが、それが彼の目的なので、それを一生懸命探すために旅をしている人、という一点に集中しました。そのなかで捨造たちと出会って……。それは偶然の出会いで、そこで起こる人間模様があるのですが、目的は一つだけ、というのがキャラクター作りでは大きかったです。

――では宮野さんにもお聞きしますが、捨造のキャラクターについては監督からお話があったのでしょうか?

宮野さん:そうですね。監督からどのようなキャラクターなのかをご説明いただいて、作っていきました。捨造はこの映画においての立ち位置や役割がはっきりしているんですよね。あのような世界で、そうならざるを得ないという環境で育っているので、そのなかでも一生懸命生きていくしかない若者。生きるためにはどうしたらいいのか、その手段に長けている人で。それは、人間としての真理だったり行動原理だったりするので、霧亥という特殊な存在と比べると気持ちの面での難しさはないのかなと思います。恋心も抱いていますしね。自分の想いに対してどう接するのか、自分たちしかいない世界にやってきた異分子に対してどう接するのか、自分たちが生きるためにどこに向かっていくのか、そして若者のなかのリーダー的存在でもあるのでみんなをどう導いていくのか、そういったところを考えながらキャラクターを作っていきました。

――多くのキャラクターが登場しますが、個人的に注目するキャラクターはいますか?

櫻井さん:霧亥ですね。

宮野さん:ですよね。霧亥がカッコよすぎて、ずるい! と思いました。めちゃくちゃかっこいいんですもん。ずっと見ていたい、と思いました(笑)。それくらい魅力があります、霧亥という男には。引き込まれるし、演じている櫻井さんが素晴らしくて。

櫻井さん:いやいや、現場では「省エネだ」って結構いじられましたけど(苦笑)。

宮野さん:(笑)。演じるのはすごく難しいだろうなって、改めて映像見て思っちゃいましたよ。これを成立させられるのは声優界に櫻井孝宏しかいないっていうくらい感動しました。うわーかっこいい! って思いましたからね。

櫻井さん:それは絵力ですよ。

宮野さん:仮にそうだとしても、セリフの説得力がないとキャラクターとして感情の持っていき方が難しい役だろうし、僕は演じていないから勝手に言えるんですけど、どこに自分のポイントを置くのかとかどういう気持ちでそのセリフを発しているのかとか、自分がやるとなったらすごく難しいんですよ。だから、櫻井さんの言葉の説得力ってすごいなというのを改めて感じました。

――絶賛されていますね、櫻井さん。

櫻井さん:いや~あの宮野くんにね(笑)。

宮野さん:2人で褒めあっちゃいますね(笑)。でも、霧亥の魅力は作品のキモになっているなと思うので。

櫻井さん:話は少しずれてしまいますが、僕は自分がやっているということは関係なしに、この作品を最後まで見終わったあとに、どこか物悲しさが残るんですよね。というのも、霧亥の「いつ終わるんだろう」という果てしない旅がこれからも続いていくのが想像できるから。そこに気持ちを重ねるとちょっと切ない気持ちになりますし、目的が果たせるといいなと思うんですよね。そして、霧亥は口数が少ないなかでも気持ちを汲み取りあえるというか、怪しい人なのにいい人かも? と思わせてしまうような、この人なら助けてくれるかも! という感じがあるんですよね。

――捨造は霧亥と慎重に接している印象がありましたが、霧亥との距離感はお芝居するうえでは意識しましたか?

宮野さん:意識していたとしたら、それは捨造の若さなのかなと。精神的にものすごく強い男だとは思っていないので、何者かわからない相手には警戒心を持つでしょうし、ともすればづるの気持ちの矛先も気になっちゃうし……。

櫻井さん:でも正しいリアクションだよね?

宮野さん:ですよね。人は知らないところにはすぐ適応できないと思うので。捨造の反応は正しいリアクションだなと思いながら、それでも自分たちが生きるために、と。生きるために必要なことをちゃんと見出す男なので、捨造は。

――霧亥は、サイボーグ感と人間っぽい感じが同居しているキャラクターに思えました。

櫻井さん:難しいところですが、僕は割とあいまいに演じていたんですよね、そう見えればいいなと思って。明確に助けようという意思があるのかは、見ている人に任せちゃおうと。映像の作られ方も大きいところなので……。ただ「何かしらの気持ち」があったと思いたいです。人間離れしていますけど、人間の形をしているので、何かしら通じ合っているものがあったのかなと思いたいですよね。

――お2人とも過去に本作でも監督を務めている瀬下寛之監督作品に参加されていますが、演技についてオーダーはありましたか?

櫻井さん:僕は「あまり喋っていなくてすみません」と監督にお話ししたら、「いいんです。それはそれで取り組み方がありますから。とにかくカッコよくお願いします」というオーダーがありました。それはある程度、僕に任せてもらえているというか、僕は先ほどもお話ししたように『シドニアの騎士』で一度、霧亥という役を経験しているので、そこを踏まえたうえでの、アドバンテージがあったのかなと。でも、収録がはじまると「もっとセリフの色を消してください」とか、ディレクションはしていただきました。淡々と演じた、という感じですね。クール、だと突き放すとか閉じたイメージがありますけど、本当に淡々とお芝居させていただきました。それに第一声は、何年振りかに喋ったニュアンスで、という演出もあったんですよ。それこそ皴がれててもいいし、声が出づらそうでもいいのでトライしてください、という演出があって。よく覚えていますね。

宮野さん:僕は、今細かくは思い出せないのですけど…

櫻井さん:マモは「お願いします!」って感じだったよ?

宮野さん:オーディションを受けているので、そのときに役の説明を受けて、こちらもどういうアプローチでいくかを示していたので、本番はオーダーがあるというか、お互い共通認識のもと、収録したという感じですね。感情の矛先が間違っていたら修正していただきましたけど。瀬下監督とは『亜人』という作品でご一緒したのですが、そのときとはまったく別の世界観で、まったく別のキャラクター性なので、前作のときとは全然違うセッションを僕ら自身が楽しんでいたという感覚です。また新しい楽しみをどんどん見つけていく感じでした。

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<劇場アニメ『BLAME!』情報> 
2017年5月20日(土)から2週間限定で公開
配給:クロックワークス (105分) 
【あらすじ】 
テクノロジーが暴走した未来。 
人類の希望は孤独な旅人に託された―― 
過去の「感染」よって、正常な機能を失い無秩序に、そして無限に増殖する巨大な階層都市。 
都市コントロールへのアクセス権を失った人類は、防衛システム「セーフガード」に駆除・抹殺される存在へと成り下がってしまっていた。 
都市の片隅でかろうじて生き延びていた「電基漁師」の村人たちも、セーフガードの脅威と慢性的な食糧不足により、絶滅寸前の危機に瀕してしまう。 
少女・づるは、村を救おうと食糧を求め旅に出るが、あっという間に「監視塔」に検知され、セーフガードの一群に襲われる。 
仲間を殺され、退路を断たれたその時現れたのは、“この世界を正常化する鍵”と言われている「ネット端末遺伝子」を求める探索者・霧亥(キリイ)であった。

『BLAME!』公式サイト 
http://www.blame.jp

(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局



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