TVアニメ『クズの本懐』OPテーマ「嘘の火花」を歌唱する歌い手・96猫にインタビュー 「これはまさしく花火ちゃんの歌だろうと思いました」 | 超!アニメディア

TVアニメ『クズの本懐』OPテーマ「嘘の火花」を歌唱する歌い手・96猫にインタビュー 「これはまさしく花火ちゃんの歌だろうと思いました」

2017年1月から放送中のTVアニメ『クズの本懐』のオープニングテーマCD「嘘の火花」が、同年3月15日に発売された。本楽曲を歌うのは、ニコニコ動画に歌を投稿する「歌い手」として活動し、その動画累計再生数は1億回を超え …

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 2017年1月から放送中のTVアニメ『クズの本懐』のオープニングテーマCD「嘘の火花」が、同年3月15日に発売された。本楽曲を歌うのは、ニコニコ動画に歌を投稿する「歌い手」として活動し、その動画累計再生数は1億回を超えるほどの人気を誇る96猫さんだ。

 3月10日発売の「アニメディア4月号」に楽曲の魅力や聴きどころなどを96猫さんにうかがったインタビューが掲載されているが、誌面では掲載しきれなかったインタビューの全文をご紹介する。改めて96猫さんの歌に対する「想い」を感じ取ってみてほしい。

――96猫さんはもともとニコニコ動画で「歌い手」として、活動されていたわけですが、「嘘の火花」はサビが耳に残る中毒性のある曲で、どこかボーカロイドが歌っているような雰囲気の楽曲ですね。

 この曲を作ってくださった谷口尚久さんは、ボカロPさんではないのですが、アニメ制作サイドが選んだのが、たまたま今回のようなテイストの曲でした。やっぱりこういう曲も私には合ってるんだなって、改めて認識しました。

――タイアップ作品である『クズの本懐』の展開と曲調があいまって、“焦燥感”みたいなものをあおられるような感じですね。

 曲のスピード感と歌詞の内容の重さがあいまって、迫りくる感じですね。

――タイトルの「嘘の火花」も谷口さんが?

 いえ、タイトルは私が付けました。原作コミックを読んでいるうちに、主人公の花火ちゃんの経験を自分でも体験しているように感じるほど、のめり込んでしまって。そのうえでマイクに向かったとき、パッと花火ちゃんが目の前に浮かんだんです。歌い終えたあと、曲のタイトルについて相談したとき「絶対『花火』という言葉を入れたい!」って。こんなにも苦しくて、どこか怖いくらいの好きという気持ちが表現されているのだから、これはまさしく花火ちゃんの歌だろうと。それに『クズの本懐』は登場人物がみんな何かしらのウソを抱えていますよね。それで「花火の嘘」をひっくり返して「嘘の火花」とタイトルを付けました。

――花火ちゃんの気持ちを疑似体験してみて、どうでしたか?

 もう、息が詰まるような感覚で、自分なら絶対に嫌だと思いました。でも、ああいう気持ちを抱えて、戦っていて、どこか女の子らしさもある花火ちゃんって、やっぱりかわいいなって。

――歌詞で好きなところや、ポイントにしたところは?

「あなたのことが好き」というようなフレーズがあって、普通ならあたたかくてキュンとなる言葉なのに、『クズの本懐』を見たあとだと、ちょっと怖く感じるんですよね。「病んでる」じゃないけど、怨念のような「好き」に感じてしまって。だから、その「好き」をいかに純粋な「好き」に聴こえるようにするか、すごく考えて歌いました。

――レコーディングはスムーズでしたか?

 録音スタッフと何度もやりとりをしたので、すごく時間がかかって途中で心が折れそうになることが何度もありました。最初はロックっぽい感じでビブラートを効かせたのですが、それだとドロドロしてしまい純粋さが失われてしまう。かといって、ビブラートを一切なくすと、あっさりしすぎて苦しさが表現できない。アニメ制作サイドからも「もう少し女の子らしく」や「もっと前の感じに戻して」など、そのつど要望がありました。

――採用されたものが、今流れているものですね。

 はい。最後に「試しに私が感じたまま歌ったものを録りたい」と話して、自分らしさを残しながら、花火ちゃんを意識したものを歌って送ったら、「これだ!」と採用していただいて。OKをいただいたときは、みんなでガッツポーズしました。制作は大変でしたけど、自分の歌を本当に真剣に聴いてくれて、アニメの世界観に合うようにと一緒に作り上げてくれたアニメ制作サイドの熱に対して、私自身がちゃんと応えることができて、本当によかったです。

――今回は3形態でのリリースで、共通カップリングとして「独り言」が収録されています。これは後半のエレキギターがかっこよくて、ロックバラードという感じですね。

 昨年のアルバム『7S』のときの候補曲で、アルバムコンセプトに合わずあたためていたものです。「嘘の火花」は恋が始まってもいないけど、「独り言」は、もう終わってしまった恋。単語ごとに見ると女性目線ですけど、全体の女々しい雰囲気は、男性っぽい曲だな、とも思います。

――そのほか、初回生産限定盤には「S・K・Y」、通常盤には「ブリキノダンス」、アニメ盤には「ラズベリー*モンスター」と、ボカロ曲のカバーが収録されています。

 この3曲はどれも少し前に発表された曲ですが、こういう曲もあるんだよと知ってほしいと思って選びました。とくに「S・K・Y」はボカロ曲には珍しいバラードで、作曲したライブPさんいわく「本当は誰か人に歌ってほしいと思って作った」そうです。少し私流にアレンジして歌ったのですが、ライブPさんは、「人が歌うのだから、それが正解」と言ってくださって、すごく感動しました。「ブリキノダンス」は、ニコニコ生放送内で歌って、ファンの方から「動画投稿してほしい」と反響があった曲。自分のなかではニコ生で歌うのが楽しく、音源にするのは違うと思っていたのですが、1stシングルという機会だったのでチャレンジしました。

――「ラズベリー*モンスター」は、『告白実行委員会』で有名なHoneyWorks(ハニワ)の曲ですね。

 ハニワさんは、今でこそ恋愛ソングで有名ですけど、この曲の発表当時は勇気づける系の曲が多くて、これもそのひとつです。すごくキーの高いところは、頭がクラクラして大変でしたけど、歌いきったあとの爽快感がたまらなくて。日頃のうっぷんを晴らすがごとく歌っていますので、あわせて楽しんでください!

<96猫【くろねこ】プロフィール>
ニコニコ動画に歌を投稿する「歌い手」として活動し、動画累計再生数は1億回を超え、Twitterフォロワー数は約100万人。2016年にアルバム『Crimson Stain』でメジャーデビュー。アニメ『影鰐-KAGEWANI-承』の挿入歌「Crimson Stain」を歌唱している。

「嘘の火花」/2017年3月15日発売/レーベル:ソニー・ミュージックレコーズ
表題曲は、スピード感あふれるロックテイストのサウンドに乗せて、少しセクシーさを帯びたボーカルを聴かせる。たたみかけるサビのメロディーと傷口にしみるようなヒリヒリとした世界観で、中毒性は抜群。カップリングには、水辺に漂うような独特な世界観を持ったミディアムバラード「独り言」を収録。形態別に知る人ぞ知るVOCALOID(ボカロ)の名曲のカバーが3曲入っている。

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初回生産限定盤 1,944円(税込)

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通常盤 1,404円(税込)

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アニメ盤(期間生産限定盤) 1,944円(税込)

TVアニメ『クズの本懐』公式サイト
http://www.kuzunohonkai.com/

96猫 Official Website
http://96neko.jp/

(C)横槍メンゴ/SQUARE ENIX・ 「クズの本懐」製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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