4月７日に公開される映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』の公開直前緊急ファンミーティングが、4月4日に東京・神楽座で行われ、スカーレット・ヨハンソン演じる少佐の日本語吹替キャストの田中敦子が登壇した。「超！ アニメディア」ではそのイベントの様子をレポートする。
映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、漫画をはじめ、アニメーション映画などでも世界的な人気を誇る「攻殻機動隊」シリーズをハリウッドで実写化したもの。スカーレット・ヨハンソンが、原作で草薙素子にあたる主人公の少佐を演じ、少佐の上司の荒巻をビートたけしが演じることでも話題を呼んでいる。
1995年に公開された『GHOST IN THE SHELL／攻殻機動隊』を始め、その続編となる『イノセンス』やTVアニメ版で草薙素子の声を務めた田中。実は、アニメ版と実写版両方を同じ声優が担当するということは、ほとんどないケースだそうで、今回吹替を担当したことについて「選んでいただいて本当に光栄だなという気持ちです」と、感慨深げに作品出演への思いを明かした。本作を見た感想を尋ねられると「ハリウッドはなんというすごいことをしてくれたんだろう、というのが第一印象」とコメント。ダイブするシーンや、光学迷彩で戦うシーンなど、思わずアニメを思い出してしまうほど原作を巧みに表現している点にも言及し、「随所でルパート・サンダンス監督の原作と押井守監督への愛が感じられました」と話した。
また、本作を観て、少佐と田中自身に意外な共通点があることを発見したそう。詳細は「ネタバレになるので……」と控えられたが、ヒントを求められると、自身のTwitterでよくアップする事柄が共通点に繋がると話し、「『あ、少佐もなんだ？』と、作品を観ながら心の中でウキウキしていました」という裏話も披露した。
本作には、バトー役の大塚明夫やトグサ役の山寺宏一など、田中と同じアニメ版からのキャストが集結。通常、キャストの声は別録りされることが多いのだが、今回は一緒にスタジオで収録したそうだ。当初、田中はハリウッドの大きな作品ということもありプレッシャーを感じていたが、長年一緒にやってきた大塚、山寺とやれるということで、当日はワクワク感の方が強かったという。2人の存在について「兄貴のようなナイトのような存在。2人にすべて委ねれば少佐を引き出してもらえると思って挑みました」と明かした。さらに、少佐とバトーのシーンをそばで見ていた山寺が「目を閉じてセリフだけ追いかけて聞いていると、アニメ版の時と一緒だな。アニメが浮かぶね」と言ってくれたことがとても嬉しかったと、スタジオでの思い出を振り返った。
さらに今回、長年「攻殻機動隊」シリーズに携わってきたメンバーとして、大塚、山寺と共に本作への意見を求められることもあったのだそう。例えば、少佐が荒巻に対して丁寧語をあまり使わずに、ぶっきらぼうに接する感じをより出すために、台本に書かれているのとは違う口調を提案したそうだ。山寺が演じるトグサも、当初少佐に対してのセリフがフランクな言い回しにされていたが、トグサは少佐に対して常に敬語を使ってきたからと修正をお願いしたという。ほかにもバトーが荒巻のことを「おやっさん」と呼ぶなど、長年やっているからこそ熟知しているものを少しずつ台本に反映させて、皆で作り上げていったというエピソードも披露された。
司会者から「素子になって『攻殻機動隊』全シリーズを通して何かセリフをお願いします」と求められると、「ネットは広大だわ」という『GHOST IN THE SHELL／攻殻機動隊』を締めくくるあのセリフが飛び出し、客席のファンは本物の生声に酔いしれた。
最後は「ハリウッドが作った素晴らしい攻殻機動隊の世界に、私たち95年のオリジナル公安９課のメンバーがゴーストを吹き込むことができました。私たちが心を込めて作った日本語吹き替え版。エンドロールまでアニメ版のファンも楽しめる内容になっていると思うので、じっくり見てもらいたいと思います」と話し、イベントを締めくくった。
＜映画『ゴースト・イン・ザ・シェル 』情報＞
4月7日公開
監督：ルパート・サンダース『スノーホワイト』
出演：スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・ピット、ピルー・アスベック、チン・ハンandジュリエット・ビノシュ
配給：東和ピクチャーズ
公式サイト
ghostshell.jp
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